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書庫今日はファットバイクで行こう

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「連休明けに原稿ください」というのが習わしなので、例年、ゴールデンウィークは関係ないのだが、最終日は、かねてからの懸案だった未踏の林道探検に出る。
 武蔵五日市つるつる温泉手前から上がる焼岩林道。日の出山(標高902m)のほうへ上る道だ。


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 杉林に分け入ると、いきなり激坂にブン殴られる。最初はダートだったが、コンクリの舗装も現れる。
 林道の場合、舗装路だからといって安心してはいけない。むしろその逆だ。
 雨が降ると、急坂は川になる。未舗装路だと、土や石が流失して、削られてしまう。斜度が増して、それがいよいよひどくなると、土砂流失対策として舗装される。だから、舗装部分のほうが急勾配なのだ。


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 崖の下は、深い谷。ここも東京都です。
 今日はお休みだが、杉の間伐をやっている。花粉症対策でしょうね。


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 これは、大阪の暗峠クラスか。いかなファットバイクでも、ワタシのオンボロ小排気量エンジンでは登れまへん。900mくらい行ったところで、ギブアップ。あとで調べたら、入口からここまで、平均斜度が13.4%だった。
 でも、こうして見ると、もう空が近い。頂上遠からじ、かもしれない。今度はつるつる温泉浴がてら、麓までクルマで来て、リベンジしてみようかな。


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 急勾配の林道によくあるナゾの物体。細長いゴム板が道幅いっぱいに斜めに埋設されている。
 雨のとき、高いほうから流れて来た水をここで受け止めて沢へ排水する、土砂流失防止の仕掛けです。フレキシブルなゴムなので、通行は妨げない。といっても、自転車だとけっこう“乗り越し感”あります。
 ゴム板を杉の板で挟み、その部分は土に埋まっている。埋設角度は、道路の中心線に対して、75度だそうです。商品名「シスイエース」。止水のシスイでしょうね。なんだこのブログ。

醍醐林道で和田峠へ

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 春だ、桜だ、自転車だ! 週末はファットバイクで山へ行く。
 タイヤを触るとだいぶブヨブヨだった。テキトーにフロアポンプで60回ポンピングして出発。

 久しぶりの700Cチューブラーもよかったけど、久しぶりのファットバイクはもっとよかった。 
 なんといっても、路面のことを気にしないで走れるのがいい。路肩や側溝の縦の段差も、排水溝のグレーチングも、追突事故で残ったプラやガラスの破片も、ファットタイヤならおかまいなしだ。

 車重は重いが、クルクル回せる軽いギアで走れば問題なし。重いから、一旦スピードに乗っちゃえば、落ちない。ファットバイクに乗っていて、車体や“こぎ”を重いと思ったことがない。ただ、セスナのライカミングエンジンみたいなロードノイズに0.03馬力くらい取られている気はするが。

 ぼくの乗り方だと、細い700Cタイヤのロードバイクにディスクブレーキの必要性を感じたことはないが、ファットバイクのディスクブレーキはスゴイ。タイヤの接地面積、つまりブレーキの作用点がデカイから、ドカン!という感じで減速する。落石や落枝が散らばったダウンヒルなどでこんなに安心してかけられる「自転車のブレーキ」をほかに知らない。


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 多摩川を遡って五日市の梅野木峠へ行くつもりが、間違って浅川沿いを走ってしまい、結局、陣馬街道から醍醐林道を上った。
 相変わらずの激坂だが、微速でもフラつかないファット様にしがみついて登らせていただく、という感じで標高700mの頂上に着く。和田峠まで下りると、ハイカーのクルマで賑わっていた。
 和田峠はまたしても去年から災害通行止めだが、頂上のゲートは開いていた。途中までは下りていけるのだろうか。茶屋の人に聞こうと思ったが、答え賃をとられそうなのでやめる。


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 上ってくる途中、黄色い小さな旗を手にした若者ふたりとすれ違った。林道入口はチェーンロックされているのに、2tトラックが上がってきた。醍醐林道は山岳耐久マラソン「ハセツネ30km」のコースで、24時間後に迫ったレースの準備をしていたのだ。大会のシンボルマークは、ムササビですか。


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 山から舗装の林道に出るところに簡易トイレを置くらしい。「ハセツネ30km」は、6月に行われるハセツネカップ(71km)の前哨戦というか予選というか、グレートレースの登竜門だ。
 テープでマーキングされた山の斜面を見上げると、笑っちゃう。ここを駆けおりてくるの!? 馬鹿じゃないの。いや、鹿じゃないの。でも、あと3回くらい生まれ変わったら、出てみたいかも。

 
 帰りに夕焼け小焼けの里でトイレを借りようとしたら、駐車場にオールドサーブが駐まっていた。


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 気さくなジェントルマンのオーナーと20分くらいお話をさせてもらう。
 長年お乗りかと思ったら、サーブ96が好きで、数年前に74年型をスウェーデンから個人輸入したそうだ。
 航空機メーカーが60年前につくった水滴型ボディーは、クルマの車体というより、スウェーデンの民芸品という感じ。見ているだけで目の保養になる。


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 和田峠ゴールで80km近く走ったのに、今日はあまり疲れないなと感じたのは、空気圧を上げたせいだろうか。久々に最後まで気持ちいいサイクリングでした。
 明日から仕事なので、ファットバイクで“初こぎ”に出る。
 八王子市内の浅川河川敷をあてずっぽうに走っていたら、道がなくなってブッシュに入る。
 しかし、出たらこんなことに。


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 MTBあるあるとはいえ、なんなの、この植物。チクチクしてこいでいられない。両足の膝から下、ぜんぶ取るのに20分くらいかかる。


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 国道20号の高尾山口駅の先から、山に入る。
 空気は冷たいが、気持ちいい。しかし、進むにつれ、道は狭く、急峻になる。最軽ギヤ×ファットタイヤでも、途中2回、空転して振り落とされる。

 数km行って、上りきったところが、三沢峠。地図を見たら、大垂水峠や小仏峠と同じ稜線にある峠だった。
 木が茂って眺望はきかないが、ちょっと下りたところに展望台があった。


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 麓は城山湖という人造湖。向こうの町は八王子か。


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 そのずっと彼方には都心が広がる。スカイツリーも見える。
 本当は城山湖の脇を抜けて、津久井湖に出て、初めて走る道で相模川を相模湖まで遡り、大垂水峠を越えて戻ってくる予定だったのだが、そんな元気はなく、寒いも寒いし、ここで撤収。


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 北国は雪でたいへんみたいだけど、こっちは冬の日照りだ。多摩川水系の南浅川がすっかり干上がっていた。
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 寒いけど、快晴。秋川(あきがわ)沿いに武蔵五日市へ行く。
 久しぶりにケンコーの防水デジカメ(DSC880DW)を持参。数年前に廃番になるまで8500円くらいで売っていたほとんどトイカメラなのだが、これがいい“仕事”をする。
 固定焦点! しかも14mmという超広角で、ボディの前にあるものはぜんぶ映してしまう。油断すると、自分の指が入っている。手前の被写体は、こうしてとてつもなく巨大になる。
 色は、勝手に着ける方針。基本、暗く、というか、絵の具をケチって水多め、みたいに薄く撮って、独自の世界をつくってしまう。


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 逆光で撮ると、ノイズが芸術的。心霊写真ファンにお薦めです。


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 空をきれいに撮るのには感心する。
 
 ただし、操作性は、最悪。水密設計とはいえ。電池のフタを開けるのはホネだし、単4電池2本のもちはよくない。
 でも、カワイイんだ、このカメラ。いまはスマホがあるので、持っていくカメラはこれだけでもいいかな、ってほどの信頼性はないけど。


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 武蔵五日市駅の北側にある峠を上る。ひと月前に来た峠の逆ルートだ。
 駅のそばから5kmほどで頂上なのだが、途中からダート。和田峠並みの激坂もあって、メゲそうになる。新宿行通勤電車も出ている武蔵五日市駅そばにこんな超級峠があるとは知らなんだ。
 このようにスマホの写真はつまらない。けど、逆にケンコーのゲージツカメラだと、こういう円満な証拠写真は撮れんのです。

こんにゃく文化の日

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 こんな自転車日和、何ヵ月ぶりだろうという三連休初日、ファットバイクで探検に出る。

 多摩川の右岸、滝ケ原運動場入口のストレートに、カワサキのスーパーバイクがエンジンを唸らせて停車していた。黒いツナギに黒いフルフェイスのライダーが両足を着いている。なんていうモデルかは知らないが、黒いタンクにはKawasakiではなく「川崎重工」と書いてあった。

 追い越してほどなく、エンジン音が高まったと思ったら、ムォワンッと後ろからフル加速して、すぐに見えなくなった。
 ドラッグスタートの練習かよ。見渡す限りクルマはいなかったし、ぼくから離れたラインをトレースしてくれたし、ブラックライダーはカッコよかったし、ま、いいか。気持ちはわかる。自転車もそうだけど、足つかないと倒れちゃう乗り物って、基本、不良の乗り物なんだよな。

 40km走って、武蔵五日市の外れまで来たら、ハラへった。もうコンビニはない。見つけたのは、洒落たこんにゃく屋。ハンガーノック気味のときにこんにゃく食べてどうする、と思いつつ、ためしに覗いたら、味噌こんにゃくがあった。3本300円。日当たりのいいテーブルで食べられる。あの甘じょっぱい味噌はパワーになるかも。


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 やがてお盆が運ばれてきた。
「エッ、味噌こんにゃくですよ」と言ったら、「試食です」とおねえさん。盛りつけもきれい、器もきれい、串打ちもきれい、おねえさんもきれい、だったと思う。
 味噌こんにゃくって、こんなにおいしいのか、ってほどおいしかった。ニンニク醤油や塩味のしょっぱい系試食こんにゃくもうまかった。十里木の“いっすい”という店。

 こんにゃくパワーをもらって走ったのは、星竹林道である。5年前にポルシェバイクで来て、途中でギブアップした峠道だ。入口は20%の激坂。そこは押して上ったが、その後、緩斜面になってもダートだから、ロードバイクでは無理だった。


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 未舗装の激坂でファットバイクほど強い自転車はない。しかも一部、新しいコンクリ舗装が延びていて、走りやすくなっていた。途中、武蔵五日市の町が見える眺望ポイントもある(写真上)。ものすごい望遠レンズのカメラを三脚にセットして、軽トラの中で寝ているおじさんがいた。


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 以前より奥まで進めたが、北へ分岐するところからは来年2月まで災害復旧工事で通行止めになっていた。そもそもそのあたりの路肩が崩れている。
 
 麓のこんにゃく屋から3.5kmこぎあげた。グーグルマップによると、山を抜けるまでまだ1.5倍くらいの距離がある。けっこうアシにきており、「今日はこれくらいにしといたろ!」(Ⓡ池乃めだか)と思っていたので、ちょうどよかった。上のほうからわらわらと登山者が下りてきた。
 アドレナリン全開のダウンヒルで山を下りて帰りました。
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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