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  今年も623日の沖縄戦の終結を記念する『慰霊の日』に、大阪市大正区千島にある沖縄会館で夕刻より『慰霊の日を考える』集会が開かれました。会場には約200人程の年齢層も様々な人達が夜9時前まで熱心に映画と講演に耳を傾けていました。去年同様ほとんどが沖縄出身者の方々のように見受けられました。今年は日本復帰40年でもありますが、今なお敗戦時に米軍の占領下に置かれた状況のままに米軍基地を押しつけられて大きな犠牲を強いられている状況を考えるとき、いたずらに悲憤慷慨するのではなく、歴史の事実をしっかりと見つめ、生活の中で平和を築いてゆく自信に満ちた根強く力強い生命の息吹を感じる思いがしました。
 
 今年の会は、現大阪沖縄協会理事長 真栄田義弘さん(元堺市立中学校教師)の体験談を中心にして、沖縄戦に係るニ巻の映画が放映されました。最初の一巻は、『むかし むかし この島で』と題し、上原正念さん(62)が沖縄戦に従軍した米軍側のカメラマンが撮影した数千本に亘る映像を編集した作品でした。阿嘉島で捕虜になった老人夫婦が、米兵から食料を与えられ安堵している姿、生存者の証言では彼らは後に日本軍からスパイ容疑を掛けられ処刑されたという。井戸に隠れていて救出されて喜び合う幼い姉妹の姿、ハワイ生まれで、英語が出来る女性が、米軍司令官に掛けあって、天然地下壕の爆破を思い止まらせ、600人の命を救ったという現場の折衝の状況を映し出した映像、収容所が米軍の軍用飛行場建設の為無残に破壊されてゆく様子等事実の重さを感じました。
 
真栄田さんは、14歳で沖縄戦に会い、目前の海上で、日本の輸送船が米軍の攻撃を受けて沈没し、多くの遺体が浜に流れ着いた様や、特攻機が、それも最後は、トンボのようなグライダーまがいのものまで駆り出されて、無残に撃ち落とされてゆく様子、上陸当初は老弱男女の別なく無差別に殺戮する米軍に追われて、次第に山奥に逃れ、そこでは敗残日本兵から食料を脅し取られながら飢えと戦って戦闘終結後に、なお7月末まで1ヶ月余を逃げ回らねばならなかった悲惨な敗戦の体験を語って下さいました。
最後の映画、『戦争を笑え〜命の御祝事さびら!沖縄・伝説芸人ブーテン〜』は、敗戦当時、すべてを失い悲しみに打ちひしがれた沖縄の人々を勇気づけた歯科医で、戦後の沖縄芸能界に活躍した小那覇舞天の活動を紹介した作品でした。彼は、歯科医の勉強に東京に出て、演劇に魅せられ、戦後沖縄で開業しながら、夜は茫然自失状態の各家庭を訪ね、「生き残ったものは頂いた命を喜ばねば」と説いて、「命の御祝事さびら(ヌチヌグスージサビラ)」という歌と踊りに人々を誘い込んで、再建の意欲を喚起し、「負けた者が勝った者を笑い飛ばす」独特の沖縄芸能を広め、人々を励ましたのでした。
 
会場で配布された『沖縄タイムス』の記事によると、戦争が沖縄に残した傷跡は、決して多くの犠牲者を出しただけに止まらず、生き残った人達の心の中にも深い傷を残し、死体を身近に見たり、死体の匂いに悩まされた人達が鬱病等精神的障害を受け、その影響は母子間の愛着の不十分さなどとなり、子、孫の世代にまで及んでいることが明らかにされています。認知症が出ると共に、戦時の辛い思い出がよみがえり、「背中に赤ん坊を背負っている」との妄想に取りつかれる老女も居られるとのことです。そうした現状を踏まえつつ、精神科医宮地尚子さんは以下のように語っておられます。『…心が挫けそうになった時、抵抗の術を思い出し、苦しみを抱きつつ豊かに生きることはできる。…『トラウマの連鎖』と『癒しの文化』の共存する沖縄の67年を改めて見直す価値がある』
わたしはこれらの事実に接して、沖縄文庫の金城馨さんが『平和は守るべきものではなく鍛えるべきものだ』(枚方だより215号参照)と語られた言葉を改めて心に刻みました。

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