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 今年も敗戦記念日815日を迎えるにあたって、最も憂慮されるのは、最近悪化の一途をたどる日韓関係です。元徴用工への賠償問題に端を発した韓国との関係は、日本の韓国に対する半導体材料の輸出規制政策の発動と絡んで、韓国国民の対日感情の悪化に火が付き、共同防衛協定の破棄を韓国側が主張するに至り、解決の糸口すら見えない深刻な事態に至っています。文在寅大統領の対日政策の根本には明治以来の日本が朝鮮半島の人たちに対して犯した甚大な罪に対して、日本側からの誠意ある対応がなされていないとの認識に深く根差しています。「徴用工問題については、1965年の日韓請求権協定で解決済みで、その処理は韓国側の責任だ。」と言うのが日本政府の一貫した態度ですが、日本側が真摯に歴史認識を改める以外に和解の道は開かれないでしょう。敗戦後74年も経過して、なお隣国と真の和解が出来ないなどと言うことは悲しむべき事実であることを私たちは謙虚に受け止めなければならないと思います。身の程知らぬ傲りが、将来に向かって取り返しのつかない禍根を残すことにもなりかねない事を恐れます。
 
 わたしの住んでいる枚方市は、明治29年以来、軍の火薬庫と軍需産業の町として発展してきたのでした。明治42年と昭和14年には大爆爆発が起こり一般市民の中にも多数の犠牲者が出たことが市史に記されています。また、徴用工として、連行されて来た朝鮮人の人たちが、最も多かった敗戦間近には約2000人もいたことが分かっています。協和会と言う国策協力組織のもとに、松村組と言う土建業者の管理下に置かれていたのです。当時枚方の人口は約4万人でした。全人口の5%もの朝鮮人労働者が居たことになります。それにもかかわらず、市の教育委員会が編纂した『枚方の歴史』(平成6年刊)には、協和会の下で朝鮮人の人たちが国策に協力させられたことだけは書かれていますが、詳細については触れられていません。2014年に刊行された『枚方の歴史』(松籟社刊)に至っては、一言も記事がないのです。枚方市民にとっては、徴用工問題は極めて身近な現実だったにもかかわらず、この事実を無視し若い世代にも伝える努力を放棄しているのです。これは、枚方市だけの問題ではないかもしれません。歴史認識の問題は、現在の政府の問題だけではなく、それぞれの町で、どんな実態になっているかを調べ直してこそ、我々自身の問題になり、正しく受け止めうるのだと思います。
 
 事実をよく見極めることが正しい判断の基本であるという点では、今回のわが国の韓国に対する半導体関連製品の輸出規制についても、半導体関連産業の世界的な視野で見た時に、返って日本企業の方が大打撃を受けかねないとの指摘もあります。情報誌『選択』の8月号は、「日の丸半導体産業の早まる『死期』」と題して概略以下のように警告しています。「今回の規制の対象は、フッ化ポリイミド、レジスト(感光剤)、フッ化水素の三品目で、特にレジストはシリコンウエハーの回路を焼き付ける際に不可欠の感光剤であり、5ナノメートルの微細回路の形成に使われるのですぐに代替できない。しかし、サムスン、SKハイニックスなど、大手の韓国半導体メーカーは、当面、45ヵ月は綱渡りだが、欧州からの調達を図るという。韓国に詳しい日本の半導体メーカーの幹部によると、フッ化水素は既に日本製品と同水準の製品が台湾メーカーで完成しており、中国も韓国向けの仕様に合わせる商品改良に入っており、日本のメーカーは市場を失うことになる。特に、フッ化水素は、大阪の森田化学工業、ステラケミファ等中堅企業で生産されており、経営への打撃になりかねない。半導体産業自体も、1980年代の日本の全盛期とは様変わりで、大手台湾のTSMC,米インテル、韓国のサムスンなどの比べ、56年遅れており、微細化技術は追い付けないくらい離れた。これからAI,自動運転等半導体需要が爆発的に拡大しようとするチャンスに日本製品はつまはじきされることになる。」
 
 旧約聖書の歴史は、恐るべきは、真の神の正義であり、目先の利害や、自己の力に驕った国は必ず亡びることを示しています。特にこの8月は、我が国が近代国家として欧米に追い付くべく国力増強を第一に進展を図った結果、人類がいまだかつて経験したことのない原爆の被害を受けて国土を壊滅する裁きを受けた歴史の事実を記念する機会でもあり、謙虚に歴史の事実、現在の自国の実態を顧みて、道を過って二度と亡国に至らないように政治の動向を注目してゆかねばならないと思います。


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