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k子は、その年の10月学校を去っていった。私にとっては担任としての自信というより美術部顧問としての自信がぐらついた事件だった。翌年のことです。確か5月だったと思うがある晴天の日、職員室で仕事をしていたら、突然、わたしの肩をたたくのがいる。「誰?」と言って振り向いてみたら、びっくりそこには退学したK子が笑いながら立っていた。「やぁ〜、びっくりだなぁ〜。どうした?」と聞き返してよくよく彼女を見てみると、白いス−ツを着ているのだ。「どうした!そんな可憐な服装をして?それにしてもびっくりだな。」
彼女は、以前河川敷で見せたあの意地悪そうな笑いを見せてこう言った。 「先生!私ね、結婚したの。」 「えっ!結婚。冗談言うなよ!」この子には今まで幾度驚かせられたか。あまりにも突飛な言葉に彼女の姿を上から下まで、改めて見た。 「本当よ。私、幼妻よ。」 私には、それでも信じられない。「あのときの彼か。」彼女は首を横に振り 「う、う〜ん。別の彼よ。先生は知らないわ。」 「おいおい、なら住所教えろよ。」 「また、すぐ住所変わるから、今度連絡するわ。」 授業があるので、彼女とのこの突飛な会話は、ここまでだった。 しかし、それっきり彼女からの音沙汰はなかった。風の便りに聞くと、彼女はその彼氏とは、続かず別れたと言うことだった。嵐のように私の前に現れて、嵐のように立ち去ったK子。でも、私の記憶の中に鮮烈な影を落とした残っている。彼女の自由でくったくのない明るさは一体どこからきたのだろう。月日は流れてこの思い出も遠い日のことになったが、私の生徒との思いで宝の一つである。(続く) |

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