私の紙芝居から

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'夏の子供達対象の自然体験塾を平成20年から実施しています。子供達の居場所作りと平和を共に作りたいという願いからです。そこで塾の企画の一つに紙芝居を取り入れることにしました。今年で二回目になりますが、昨年は滝平二郎の『花咲山』を紙芝居にしましたが、今後はオリジナルの紙芝居を作って行こうと思っています。 ボールド '
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それは、真冬の寒い朝方のことでした。
 
私は、主人を亡くし、一人暮らしをしていました。
 
何時ものように卵焼きとトーストとサラダ。
 
ささやかな朝食を作るため台所のガス台に立って
 
火をつけようとした時、
 
突然、ドスンと地面が音をたて、突きあげるような揺れ、
 
やがて天地がひっくり返るかと思う程の
 
激しい揺れ襲いかかりました。
 
私はすっかり気が動転。でもとっさに危険を察し
 
すぐ台所脇の風呂場逃げ込みました。
 
揺れは私の心を試すかのごとく、前後左右に、
 
 
これでもか、これでもか、と言わんばかりに、
 
数分間揺れ続けました。
 
台所の食器棚から食器が床に散らばり割れる音・・。
 
風呂場のタイルがメリメリと音を立てて剥がれ落ちま
 
す。
 
私は、落ちてくるタイルで手足を切りながら、
 
それでも必死で床に這いつくばり、この地獄が通り過ぎ
 
るのを待ちました。
 
思い出したくない、1995年1月17日の地獄のひとと
 
き・・・。
 
家を失い、愛犬のぺスを失い、仮設住宅住まいの私。
 
心は、ぽつかり穴があいた私。
 
俳諧するか如くに町角を歩く私。
 
そんな時、私はあの犬と出会いました。
 
暑い暑い夏の明け方のことでした。
 
 
 
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望郷の犬
私は、犬の遠吠えを聞くたびに
ある犬のことを思い出いだすのです。
ある日、買い物帰りに
街角でふと、出会ったその犬、
黒っぽい雑種のその犬は、
通りかかるたびに
いつも悲しげな瞳で私を見つめるのです。
そう、何時も・・・・
何時のころからか、その犬が私の心に住みつき、
日々に追われ生活に疲れた私の心を
癒してくれるようになりました。
夜遅くその街角を通りがかった時、
どこからか、イヌの遠吠え・・
あの犬です・・。きっと・・・
うぉ〜〜、うぉ〜〜、
夜空に悲しくこだまするその犬の遠吠え・・・。
はるかに故郷を思いつつ・・。
繰り返す・・・
うぉ〜〜、うぉ〜〜
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 テンジンが長い眠りから醒めた時、側に寄り添って看病をしてくれた村の才女マロミにテンジンは懐かしさとマロミの愛に幾度も涙を流した。故国に帰るため小舟に乗って海に漕ぎ出したテンジン。海上で大嵐に会い難破。しかし、天は彼に味方し、故国の浜辺に彼を運び奇跡的に命をとりとめた。高熱の中で生死の間を彷徨ったその命をとりとめたのは天が味方した上、マロミの献身的な看病にありましたが、実は、看病の時、度々口移しでテンジンの口に注ぎ込んだ薬草の実汁が効を奏したのでした。その薬草こそイスヨンが大切にしていた薬草だと言うことをマロミから聞いた時、イスヨンが自分の体に入り込み自分の命を救ってくれた。今、イスヨンが自分の中で生きているように感じました。
 数日後、少しずつ体力を回復したテンジンは、イスヨンが愛してやまなかったトチ湖に出かけました。そして湖のほとりに座って湖上を吹く風に身を任せながら師イスヨンとの思い出を幾度も幾度も手繰り寄せました。イスヨンとの思い出の多くはこの湖にあったからです。
 湖に浮かぶ小舟は、イスヨンが湖上で魚をとり、幼いテンジンが湖のほとりに座って親方の様子を見ていた日のことを思い出させてくれました。
 思わずテンジンは叫ぶ。
 「親方!親方〜」
 すると、小舟の漁師は、叫ぶテンジンに向かって大きく手を振りました。
 テンジンは、ハッとする。あの遠い日もそうだったからです。
 陽ざしが遠い山裾へと降りてくる。
 湖面が輝く・・。
 テンジンの頬を涙が伝う。



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 サランの国から小舟で天守の国に渡ろうとしたテンジンは、渦巻き雲(台風)に襲われて激しい風雨にもてあそばれ小舟はバラバラになり、海の藻屑に・・。翌朝、彼は天守の国の港から50キロあまり離れた海岸に打ち上げられた。失神状態だったけれど、幸いにサランの兵士として鍛え上げられた彼の体は荒波と暴風雨にも耐え、命を落とすことなく天守の国の海岸に打ち上げられたのでした。
 
 まどろみの中で、イスヨンが自分の手をずっと握っている。ああ、良かった親方は死んではいない。生きていたのだ。まどろみの中で、テンジン・テンジンと幾度も呼ぶイスヨンの声。 テンジンは、まどろみの中でそう思った。しかし、まどろみの中のささやきは、次第に男性の声から女性の声へと変わっていく。これはどうしたことか。
 親方!親方!彼はまどろみの中で必死に叫んだ。すると、どこかで聞き慣れた女性の声・・。まさか、この声にテンジンは恐る恐るそっと目を開けた。
 霞がかかったような視界に懐かしい姿が飛び込んできた。
  「お、女将さん!」
  まぶたに飛び込んできたのは、懐かしいマロミ・・女将さんその人でした。
  「気が付いたかい。良かった。よかった。」
  もしかして、これは夢・・・。嵐に会って息絶えた私・・。するとここはあの世・・。
 真偽を確かめようと、急ぎ体を起こそうとすると体の節々が痛いし、めまいもしふらつくテンジン。
  「だ、ダメ。起きては・・」
  慌ててテンジンの体を制する女将さんのマロミ。
  「ど、どうして僕は、ここに・・」
 女将さんは、テンジンを制すると、ここに運ばれてくる経緯を話してくれました。
 
 事の次第はこうでした。

 嵐の翌日、海岸に意識不明の男性が打ち上げられているとの伝言が漁師からマロミに伝えられのました。実は四年前、テンジンが家を出た以来、必ずサランに渡ったと判断したマロミは漁師たちにずっと捜索を頼んでいたのでした。嵐の夜、サランは夢のなかで、図らずもテンジンがサランの国に部下を連れて帰ってくるという夢を見たのです。翌朝、マロミは、此の一報に胸騒ぎがし、大急ぎで打ち上げられた浜辺に駆け付けのです。そこでマロミが見たのは、全身傷だらけになって横たわるテンジン。大きく成人したテンジンの痛々しいみじめな姿でした。 大急ぎで横たわるテンジンの胸に顔を押し当てて聞き耳を立てました。かすかに息をしていたのです。
 生きている!生きている!小躍りしたマロミはそれから三日三晩、寝ずの看病をしたのです。でも、この間、テンジンの意識は戻りませんでした。そこでマロミは、イスヨンから教わった命を救う貴重な薬草をイスヨンの薬草箱から探し出し磨り潰してお湯で溶き、口移しでテンジンに与えたのでした。奇跡です。テンジンは生きながらえ意識も戻ったのです。
 
 経緯を話すマロミの頬からは、涙が幾筋も流れ落ちました。テンジンもこうして自分を看病してくれたマロミの深い愛に触れてむせび泣いたのでした。
 
 
  北の海は、荒れに荒れていました。渦巻き雲(台風)がテンジンを待っていたかのように襲いかかり、巨大な三角波が小さなテンジンの乗った小舟を飲み込みました。船はばらばらになり、テンジンは海中深く引き込まれました。
 
  嵐が過ぎ去った海は、嘘のように静まり返り、カモメが数羽高く低く舞ってていました。浜辺は、幸いにして北風に流されて200キロ先の対岸。強い北風は、テンジンは、バラバラになった小舟とともに天守の国の浜辺へと運びました。浜辺は、嵐が嘘のようにさざ波が静かに打ち寄せテンジンの体を幾度も幾度も洗いました。しかし、テンジンはびくともしません。時折波に洗われて彼の腕が動きますが、彼は死んだように動きません。
  彼が打ち上げられたところは、天守の港ソロンから50キロほど離れた場所で何件かの漁民の建屋があるものの、ほとんど人影のない漁村でした。
 
  さて、テンジンは、はたして生きているのでしょうか。どうなるのでしようか。
 
 悲しく海鳥の鳴き声が浜辺に響き渡ります。
 
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