二月二十五日
今日は君は来ないようだね。明後日が肝針検。泊まり込みになるので今の内に三月のテストに向かって勉強をしているのだろう。病院に来ても僕の洗濯物や、着替えや細々とした買い物や・・。家族同様に色々気を使ってくれている。 この君の好意にどのように応えれば良いのか。君はバイトをやりたいって言っていたよね。僕の付き添いが妨げにならなければいいのだが・・。
今日は、耳たぶに針を刺して、止血の検査をした。何分肝臓は血液の溜まりだ。止血状況を見るのは必要なのだろう。検査まであと二日。肝臓に針を刺して一部肝細胞を取り出す検査。二十四時間は寝返りも打てない絶対安静だ。いやだね〜。
薄日が部屋一杯に差し込んで、暑い。このところ天候が不順だっただけに蒸し暑く感じる。
クラス・・・・Uさん・MAさん
先生方・・・・IKさん・SSさん・校長
二月二十六日
久しぶりにブラインドを開けると、夜明けの空は鮮やかに紅い染まっていた。ケヤキ君はひっそりと静まりかえって夜明けの空に手を大きく差し伸べている。
入院して今日で三十七日を迎える。ついにこの病室で春を迎えそうだ。三月まであと二日、日毎に夜明けが早くなり、夕べの陽ざしも長くなった。今日は、ずっと君との交際での数々の思い出に浸ろうと思う。
僕のアパートでギターを弾いてくれたこと。
映画を見に行ったこと。
三浦半島に行ったこと。
鎌倉にいったこと等々。
二月二十八日
昨日、二十七日は肝針検の日だった。君は付き添いということで早く来た。肝針検と言っても手術室ではなく、今いる病室のベットでの検査だ。四方のカーテンを閉め、君が側に座り、看護婦と橋本医師がベット脇に立つ、橋本医師が肝臓あたりの腹をまさぐり位置を決める。看護婦が持ってきた麻酔の注射を医師に差し出す。局部麻酔だ。
定めた位置に注射針を差し込み、麻酔だ。しばらくして医師は長い金属棒を麻酔部分にギューッと差し込む。差し込んだ場所から血が流れ出る。それを看護婦が逐一拭き取る。棒を中に差し込む程、うっと圧迫される感覚が伝わる。やがて肝臓に到達。圧迫感と不快感が襲う。細胞を摘出後。ガーセを傷口に当て包帯で腹部を覆う。
「いいですか。一晩は絶対安静で寝返りや体の向きを変えるのもダメです よ。」
いやはや、検査は比較的簡単だったけれど、これからが大変だ。兎に角僕は日頃から寝相が悪いからだ。
看護婦さんが、僕と彼女に向かって
「溲瓶を持ってきますからトイレに行きたくなったら利用してください。大便の 場合は、直接看護婦に連絡してください。」
いやはや、こうなると恥も外聞もなくなるな〜。と思った。
左腕に点滴。君は心配そうに椅子に座って僕の様子を伺う。時間が経つにつれて日頃の寝相の悪さからくる苦しさが襲ってくる。寝返りの出来ない苦しさだ。背中が痛いのだ。便の方は催さなかったが、小はもよおして申し訳なかったが、恥を忍んで溲瓶をベットに差し入れてもらった。さぞかし君は嫌だったろうね。
兎に角、夜中が辛かった。背中の痛さくる僕の荒い息づかい。君は一睡も出来無かったようだ。僕の背中に手を差し入れてさすってくれる。僕の手を握ってくれる。これが僕の教え子だ。本当に申し訳ない。でも、そう思いながら寝返りのうてない苦しさから
「ヒイヒイ」言っているを彼女は優しく撫でてくれるのだ。
僕の心は彼女の行いに打ち震えているのだ。
小さなうめき声とは言え、同部屋の客人達にも迷惑をかけたことだろう。これまた申し訳ない。
今朝、十時過ぎ、徹夜した君は疲れた体を押して大學に出かけた。感謝!感謝!これに尽きる!!
疲れている彼女。夕刻、また病院に寄ってくれた。そして洗濯物を持って洗濯場へ・・。
夜、八時前家に帰って行った。ご苦労様!本当に本当にご苦労様!
僕は、はっきり君を愛している。
見舞客
二月二十八日
クラス・・・・Oさん・MIさん・SEさん・Yさん
三月一日 卒業生・・・・EGさん
三月二日 卒業生・・・・Kさん・Kさんの友人・KTさん・YNさん
先 生・・・・Nさん
三月三日 先 生・・・・Oさん
卒業生・・・・YNさん・ITさん・ABさん・Yさん