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絵本 無主物 10
おとこは、
三本目のうでを
はやして、
風船を配っていました。
すると
これまでのぼってこなかった
朝日が
ぴかぴかかがやき
のぼりはじめました。
おとこは、
じぶんの胃袋につながっていた
人造の血管を
すべて切りおとして
血の池をつくり、
その池の血から
風船をつくっていました。
風船は赤い色をしていました。
おんなの
お父さんも
お母さんも
あかちゃんも
中学生も
高校生も
みなひっくるめて
おとこは
風船をわたしてゆきました。
朝日の中、
みんなみんな
飛んでゆきました。
うまれそだった場所をはなれて
ゆくさきはわかりませんでした。
でも
このよごれてしまった場所から
はなれて。
〜おわり〜
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今回で壺井明氏の絵本『無主物』は終わりです。美術学校や美術大学を出たわけではなく、福島原発事故の悲劇にショックを受け、現地でいろいろな悲しすぎるひどすぎる話を拾い集めこの絵本にしたのです。音楽も絵画も真実に根を降ろし、叫び続けると力を持ちます。私は、この絵本を通して彼の必死なひたむきな心にいたく共鳴し、10回にわたって彼の絵本『無主物』を取り上げてみました。(この絵本は私のデジカメで撮ったもので、艶紙のため照り返しがあり、よく撮れなかったことを彼に申し訳ないと思います。このページを借りてお詫びします。)
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