松尾光太郎 de 海馬之玄関ブログ

大東亜戦争後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた「戦後民主主義→リベラル派」を果敢に批判します

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安倍政権による「集団的自衛権」を巡る政府憲法解釈の見直し、あるいは、安全保障関連法制の制定に対して、それは「立憲主義」に反するものだという主張が朝日新聞や毎日新聞といったリベラル派からいまだに出ているようです。
安全保障関連法制は違憲であるという認識を越えて、それらはーー多くの憲法研究者からの批判が寄せられているというのに、かつ、政府自体が長年唱えてきた占領憲法9条の解釈を180度変えた、正に、憲法によって縛られるべき国家権力が勝手に憲法の意味内容を読み替えたものなのだからーー立憲主義を踏みにじる所業だ、とかなんとかご立腹のご様子。あるいは、安倍首相が「2020年までの憲法改正」を呼びかけられた件も「国会の発議権を侵害したわけではないのだから、違憲とまでは言えないかもしれないが、首相の帯びる憲法尊重擁護義務(占領憲法99条)から見て「非立憲」なもの」だそうで、これまたご立腹のご様子。

>安全保障関連法制は違憲だ!
安全保障関連法制と集団的自衛権を認めた
政府解釈の変更は立憲主義に反している!

>憲法尊重擁護義務を負う首相が、更には、
立憲主義から憲法に縛られる立場の首相が
その憲法の改正を促すなどは戦前でも
なかった、憲法を冒涜する非立憲の傲慢だ!

蓋し、私はリベラル派のするこのような「立憲主義」の援用は、単なる、「集団的自衛権を巡る占領憲法9条」や「憲法尊重擁護義務を謳う占領憲法99条」の彼等の私的な解釈にすぎないものを「立憲主義」という憲法的原理の1つを持ち出してきてーー「自分達の解釈と違う憲法解釈を政府が採用するのは反立憲、少なくとも、非立憲だ」とばかりに、「立憲主義」の四文字でーー正当化するもの。実は、かなり根拠脆弱な主張または赤裸々な謬論。リベラルイデオロギーの表白にすぎない、鴨。と、そう考えます。
 
▼「立憲主義」は思考の整理道具としての憲法の原理
要は、「立憲主義」なるものは、憲法典を制定するための政治的のロジックであるか、各国での憲法典制定以降は、諸々の憲法を分類したり、ある国の憲法典に――憲法裁判所設置の規程なり改正手続き条項なりの――ある条項が存在する理由/存在しない理由を説明するのための「原理」であり、それは憲法と憲法典を理解するための道具的の用語の1つなのですから。而して、「立憲主義」の四文字から、ある法規や行政処分――参議院選挙の選挙区区割りを定める法規とか二重国籍者の国政選挙での被選挙権を認めない法規、まして、戸籍法の廃止とか、債権の準占有者への弁済の要件と効果の変更、あるいは、難民認定の厳格さの度合いとか、朝鮮学校への補助金支給の是非とか――の合憲違憲が判定されることはなく、つまり、「立憲主義」という原理からなにか具体的な憲法の規範意味が演繹されることはないのです。

換言すれば、リベラル派の「立憲主義を援用しての安倍内閣批判」の如きものは、
それは憲法(基礎)論からは我田引水的の戯言にすぎない。
 
▼憲法の意味内容はそう明確ではなく不変でもない
更には、憲法の規範意味の内容はそれほど明確でも不変なものでもない。それ、正に、開かれた構造。そして、その変化も「人類史の流れなるものに従い緩急はあるものの不可逆的」などでもない。まして、日本のリベラル派がいうような意味での――内閣には憲法改正を促すことも、憲法の解釈権も認めない/認めたとしても解釈の修正権は認めない?――「立憲主義」などが、それは「OECD加盟国なる先進国に普遍的なもの」などでは断じてない(あるいは、もし、「OECD加盟国なる先進国に普遍的なものであったとしても、それが、占領憲法にせよ日本国の憲法の規範内容に自動的に組み込まれることなど/早晩組み入れられるべきことなどは金輪際ない」)ということ。
 ・まずは「加憲」でいいのではないですか
 ――改憲派こそ「憲法」に期待しすぎるのやめませよう
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9333930d645cf9bb127ad33d72915dd7

▼憲法の役割の1つとしての憲法的権利の守護
また、憲法が――その社会の多数派が立法府を通して作らしめた法規によっても侵害されるべきではない――少数派の憲法的権利を守護するためにもある。と、そう言えるとしても、憲法の機能はそれのみではありません。
畢竟、アメリカ合衆国憲法を想起しても、ドイツ基本法を紐解いても、対外的の貿易や入国管理、もちろん、安全保障の部面での機能は当然として、例えば、社会学的に観察する場合、諸々の憲法が社会統合のための制度装置でありイデオロギー装置であること、更には、それらが統治の道具でもあることは誰も否定できない事実でしょう。加之、支配する者と被支配される者との自同性を建前とする国民主権下の実定法秩序においては、憲法が権力を縛るものであると同時に国民の行動を縛るものであることは毫も矛盾しないのです。
 
▼民族性と国民の歴史と伝統の結晶でもある憲法
まして況んや、ある国の憲法がその国の社会の文化と伝統を軸に編み上げられることは、寧ろ、当然のことというもの。これ自然な流れというだけでなく、「特別法は一般法を破る」のだから。要は、「OECD加盟国なる先進国に普遍的なもの」なるものが、その規範の効力において――例えば、「憲法>法律>政令>命令」の関係の如くに――日本国の憲法よりも上位の規範であると言えない限り「OECD加盟国なる先進国に普遍的なもの」などは日本の国柄と伝統に道を譲らねばならないことは明らかだろうからです。なに? 「OECD加盟国なる先進国に普遍的なもの」を尊重しなければ日本は孤立する、ってですか。そうかもしれませんが、そのご主張は「憲法論」ではないですよね(笑)。

・完版:保守派のための海馬之玄関<自家製・近代史年表>みたいなもの−−(上)〜(下)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/a3221c77ea0add17edf737d21088cf96

而して、「OECD加盟国なる先進国に普遍的なもの」の規範としての上位性の根拠を、①所謂「市民革命」なるものを――中世的立憲主義と区別される――近代的立憲主義の成立時期と措定するなど、「人類史の不可逆な流れ」なるものの存在の想定、よって、②民族性や国の歴史等々の「固有名詞」的な要素を憑依することのない、アトム的で没個性的な<人間>なるものが帯びているらしい、所謂「個人の尊厳」およびその「個人の尊厳」なるものによって基礎づけられるらしい「天賦の基本的人権」の価値の普遍性に――国際人権規約なり幾つかの国際法規や国際慣習法を証人とする価値の普遍性に――リベラル派の論者が暗黙裏(implicitly)にせよ求められているとすれば・・・。
その蓋然性はありうるとわたしは思いますけれども、そのようなタイプのリベラル派の論者は、かって、あのJ.ミルトンが1646年に述べたこととパラレルに、次のような存在であると看做されても、それはそうそう不当な評価とも言えないの、鴨。すなわち、

新しい長老は大書された古い祭司でしかない
New Presbyter is but old Priest writ large. (John Milton, 1646)

リベラル派は大書された――唯物史観を捨てきれない、よって、
普遍的な労働の価値の存在と労働価値説もまた捨てきれない
――マルクス主義者でしかない (KABU, 2017)



整理します。
復習!

蓋し、

>憲法問題を巡るリベラル派のご立腹の理由の推測とその理由の妥当性

リベラル派は、

(1)フランス擾乱(1789-1799-1804-1814)を通して、民族性などとは無関係な、人間が人間であることだけを理由に帯びる「個人の尊厳」とその「個人の尊厳」を基盤とする人権の価値の普遍性が確立した
(2)人権の普遍性が確立して以降の憲法(≒近代的意味の憲法)では、国家権力は専ら人権を守護するためにあるのであり、よって、国家権力は憲法に縛られる存在であり、国家権力が憲法を逸脱することはもちろん、権力の側が、憲法を勝手に解釈することなど許されない
(3)上記の(1)(2)の認識は、原産地フランスを越えて、――ベルギーやオランダ、ドイツ諸邦を経由したにせよ――近代的意味の憲法を継受した(≒押し売りされた&密輸した?)国のすべてに当てはまることだ。また、第二次世界大戦以降は、世界人権宣言、国際人権規約等々の国際諸法規を媒介にして、非継受国にも漸次効力を持ちつつある、よって、(1)(2)が構成するパラダイムは、2017年の現在ではあらゆる国のその国の「憲法の規範意味」と言える
と考えているがゆえに、少なくとも、以下の6点に関してはご立腹なに、鴨です。

・内閣が憲法の解釈を行う事態
・内閣が憲法の改正を促す事態
・憲法に日本の文化的や伝統的な色彩を読み取ろうとする動向
・日本の民族性や文化伝統を改正憲法に盛り込もうとする動向
・超国籍であるはずの人権の普遍性を否定する姿勢
・国家権力の存在理由を人権守護に限定しない姿勢


ご立腹が妥当なご立腹かどうの判定を巡る
憲法論的のポイントは次の3つなの、鴨。すなわち、

(甲)立憲主義と憲法規範の内容
(乙)立憲主義と憲法の概念
(丙)立憲主義と憲法の機能


ここでも復習!


甲>立憲主義と憲法規範の内容はニュートラルであり位相を異にしている
乙>実定法として見る場合、憲法とはある国の実定法秩序体系の枠組みや基盤のことであり、すなわち、それは国民の法的確信を獲得できた諸々の規範命題によって織り上げられる編みもの全体のこと。よって、リベラル派の言う「立憲主義の原理」を時の内閣が順守するか否かと、違憲合憲はもとより、非憲立憲も無関係
丙>憲法の機能は――国防やエネルギー・食糧等々の安全保障、外国人の入国管理は当然のこと――憲法的権利の守護に限定されない、それは、権力を縛る規範であるだけでなく、ーー統治の道具、あるいは、――社会統合の装置として、国民を縛る規範でもありうる

これら、甲>乙>丙>は日本だけでなく、多くの国で、それこそ、「OECD加盟国なる先進国においても普遍的」に観察できる事柄であろうと思います。取り合えず、以上


以下、ほとんど後記。


>憲法問題を巡るリベラル派のご立腹の理由の推測とその理由の妥当性

および、

(甲)立憲主義と憲法規範の内容
(乙)立憲主義と憲法の概念
(丙)立憲主義と憲法の機能

この理由とこれらの論点については、
既に、わたしは、いままでにも
幾つか記事を書いています。例えば、

・瓦解する天賦人権論−立憲主義の<脱構築>、
あるいは、<言語ゲーム>としての立憲主義(1)〜(9)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/0c66f5166d705ebd3348bc5a3b9d3a79
・憲法96条−−改正条項−−の改正は立憲主義に反する
「法学的意味の革命」か(1)〜(6)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/7579ec5cfcad9667b7e71913d2b726e5
・憲法とは何か? 古事記と藤原京と憲法 (上)〜(下)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/17985ab5a79e9e0e027b764c54620caf
これらの「簡易版」としての

・保守派のための「立憲主義」の要点整理 
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9256b19f9df210f5dee56355ad43f5c3
・立憲主義を守る<安全弁>としての統治行為論
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/d2b014fb5dcdcb6d9260f7aa8eec3c5f
・立憲主義の無知が爆裂した朝日新聞(上)(下) 
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11767497807.html
・樋口陽一の文化帝国主義的憲法論の杜撰と僭越(上)(下)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/45e30175093f17dfbbfd6b8234b89679

更には、上記7本、それらすべてのための前哨である

・保守主義−保守主義の憲法観
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11144611678.html
・憲法と常識(上)(下)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/d99fdb3e448ba7c20746511002d14171
・保守主義の再定義(上)〜(下)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/141a2a029b8c6bb344188d543d593ee2

ただ、浅学菲才の悲しさ。そして、TVで「御活躍」のリベラル派の学者先生方の多くとは異なり、修行時代を京都の空気を吸いながら過ごした出身の流派の違い。
加之、10年くらい前から現在に至るまで、憲法問題に言及される、左右を問わず、大方の論者とは些か異なる<法哲学>的の立場に立っている――分析哲学系現象学流新カント派アメリカプロセス法学一家の共同体重視組に属している――こともあってでしょうか、あっ、それと日本語があまり上手ではないので、リベラル派の方はもとより、占領憲法の破棄または改正を期す保守派の同志の皆さまにも「リベラル派の憲法論はその根拠がかなり怪しい、少なくとも、その根拠は他人事ながら心配になるくらいには脆弱である」ことをお伝えきれていないことを最近痛感しました。 

例えば、リスト一番上の「瓦解」はちょうど4年半前にアップロードしたもの。その(1)などは海馬之玄関系4ブログ通算で今でも月に2000アクセスは稼いでくれている、孝行娘。で、この間、偶然読んだのですが、ある保守系の掲示板ていうか弛いSNS で、保守派のみなさんがこの孝行娘、褒めてくれていた。「この間、サヨと議論したとき、この記事の立憲主義の分類が効いて秒殺したとかしなかったとか」等々。
・・・孝行娘まったく理解されていなかった。
・・・理解されないまま秒殺の舞、お手伝いさせられていたのね、とかとか。
よって、本稿はその主張の根拠の披露と展開は上記10本の記事に丸投げさせていただき、リベラル派の憲法論の根拠の怪しいさ脆弱さにフォーカスして、わたしの認識と主張のそのスケルトンのみ書き流したものです。本稿が上記やその他の拙稿と併せて、しかし、他とは違う役回りを演じてくれること、もって、占領憲法の破棄または改正に向かう保守派の皆さまに少しでもお役に立てればうれしいです。
 
共に闘わん❗

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