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ハドソン川の奇跡

 地元のTOHOシネマズの7番スクリーンで鑑賞しました。 

 予告はこんな感じです。



 7番スクリーンは、シート数の一番小さな劇場で、「君の名は」が上映されている1番スクリーンの三分の一程度しか席数がありません。 

 ともかく、上映が始まってから、まだ4日ほどしか経たない時期としては、かなり悲しい扱いでありました。有名な実話の映画化、クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演なのに。 

 しかし、さすがに公開後、間もないためか、平日の昼間にもかかわらず入りはよく、四割近い混み具合でした。

 さて、ハドソン川の奇跡、内容の方は、多くの方の記憶にもまだあるとおり、鳥が両翼のジェット機関に飛び込んで、エンジンが停止した飛行機を、無事、ハドソン川に不時着させて、155人の乗客に一人も犠牲者を出さなかった「ハドソン川の英雄」の話、ですが、実際、機長たちは、テレビが英雄視しているその間にも、「近くの空港に戻ることができたのではないか」と査問されていたのですね。 

 事故が起こり、一時は英雄視された機長が、時間とともに「事故の主犯」として追求され始める、というのは、ロバート・ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演の「フライト」と酷似していますが、さすがに、「ハドソン川〜」は実話である上に、アメリカ万歳映画を撮るのが好きなイーストウッドの映画であるため、実は機長が麻薬中毒者で、「アクション映画」だと思ったら「麻薬患者の立ち直り映画でした」などということはなかったのでした。 

 映画を観終わって、最初に感じたのは、「これは、ニューヨークを描く映画なのだ」ということでした。 

 わたしの好きな映画評価のひとつに、84年版ゴースト・バスターズを評して「あれは摩天楼映画」である、というのがあります。 

 つまり、世界的大ヒットになった初代「ゴースト・バスターズ」は、そのギャグではなく、あるいは、ゴーストのSFXでなく、(世界的には新しい街であるはずの)ニューヨークの「古びた摩天楼」に巣くう幽霊、そして、その親玉が鎮座する「摩天楼」の屋上に向かって、凸凹トリオが上っていく、そこに魅力がある映画なのだ、ということですね。 

 女性陣でリブートされた今回のゴースト・バスターズが、オールドファンに不評なのは、摩天楼を描けていないから、というのも頷けます。 

 そして、この「ハドソン川の奇跡」です。 

 名前が、ニューヨーク、マンハッタン島そのものを表す(というか、マンハッタンという三角州を作り出した母なる川)有名な川の名前であるように、この映画の第二の主人公は、ニューヨーク、そして、そこで働く人々そのものでした。 


 予告にもあるとおり、飛行機が墜落する刺激的な映画であるにも関わらず、観終わって思い出す映画のシーンは、事故後、マリオットに泊めおかれる、機長(トム・ハンクス:老けたなぁ)と副機長(アーロン・エッカート:老けたなぁ)が、今後の処置を不安に思って寝付かれず、そろって、深夜のニューヨークを歩いてバーに向かうところであったり、早朝に、ハドソン川沿いをジョギングするトム・ハンクスの姿であったりするのです。 
 ニューヨークを訪れたことのある者なら、ああ、こんな街だったよな、と懐かしく感じるような…… 

 大きな災害を取り扱っているにも関わらず、アクションシーンは、それほど話は盛り上がりません。 

 事故が起こり、機長が、的確な判断で船を川に不時着させ、ハドソン川の救助船が次々と駆けつけ、人々を救う。 

 冬のニューヨークの気温は低く、素早い救助は「被害者ゼロ」の要でもあります。 

 そういった、映像を、イーストウッド監督は、「振り回さないカメラ」で、しっかりと撮っていきます。 

 先に、これはニューヨークを描いた映画であると書きましたが、もう少し強く言うなら、ニューヨークとそこにすむ人々の賛歌映画なのです。 

 映画「スパイダーマン」で、サム・ライミ監督は、スパイダーマンが、電車を救って、ニューヨーク市民から喝采される場面をさして、ニューヨーク市民をたたえるシーンなんだよ、と語っていましたが、そんな感じなのですね。

 二日目の夜、眠れぬまま、再び独りでバーに向かい、酒を頼む機長に対し、バーテンを始め、多くの市民が、彼を無条件にほめたたえます。 

 ホテルの接待係の女性は、感極まって、機長をしっかりとハグします。 

 飛行機が川に着水するのを見た沿岸救助隊員たちは、上から指令が下るより前に現場に向かい、瞬く間に集まった数隻の船によって、飛行機の乗員は、ほとんど水に濡れることなく救助されるのです。 

 こういった、一連の連携作業を含めて、この事件は「ハドソン川の奇跡」であった、のだと、イーストウッド監督は描きたかったのでしょう。 

 査問会では、コンピュータによるシミュレーションでも、シミュレーター・マシンを使った「人による追操縦」でも、着水することなく空港に戻ることができたはずと、機長は追求されます。 

 しかし、そこには、意図的とはいわないまでも、人が操作する飛行機、という要素を抜かしたお役所仕事的な見逃しがあったのでした。 

 まだ上映中の作品でもあるので、ネタバレは控えますが、最後は、機長たちの逆転勝利で映画は終劇を迎えます。

 アーロン・エッカートは、「コア」の教授や「バットマン・ビギンズ」のトゥーフェイスとして好きな役者でしたが、先にも書いたように、今回はかなりの老け役を演じていましたね。

 冬のニューヨークの風景を楽しむ映画として、観ても損はないと思います。

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