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ふんっ、ふんっ、ふんっ♪
今日はステキな桃饅頭〜!!
「朝から作ってきたのよ。仕事終ったら食べましょう、タンタン」
あてがわれた御史台の仕事部屋で資料を広げながら鼻歌を歌う秀麗がいた。
卓の上には朝から作ってきたという桃饅頭の入った重箱が置いてあった。
蘇芳も彼女が作った饅頭は「うまいっ」と思う。
だから、彼女の言葉に舌鼓を打ち、せかせかと仕事を終らせようと努力するのである。
だが、いつものことながら物事はそう上手く行くはずもない。
(あ、清雅……)
秀麗の天敵とも言える男である。
用もないのに部屋を訪ねてはいちゃもんつける男、清雅は今日も足取り軽くやってきた。
だが仕事に集中している秀麗は、彼の来訪に気づきもしない。
それをいいことに、清雅は自分の部屋のごとく勧められても居ないのに椅子に鎮座し、勝手に重箱を開ける。
(あ、桃饅が…!)
「へぇ〜、今日は桃饅頭か」
と桃饅頭をひょいと掴み、一口ぱくっと食べる。
清雅の声にやっと気づいた秀麗は、卓を振り返るが一足遅し。
「あ、あ、あーーーー!!!!あんたねぇっ、その桃饅頭はあんたに作ってきたんじゃないのよ!勝手に部屋に入って、勝手に食べないでくれる?」
清雅はふんっと鼻で不適に笑った。
「な、なによ…」
「コレ、俺のために作ったんだろ?」
「だーかーらー、あんたのためじゃないっつってんでしょうが、馬鹿清雅!!!」
「重箱に桃饅頭が三つ。俺が来るのを見越して作ったろ?正直に認めたらどうだ」
秀麗の怒りは局地に達しようとしている。
「ぅっっっっさいわね、だからちがうっつってんでしょう!!いい加減どっかいきなさいよ!」
わめき散らしている秀麗を傍目に、清雅は彼女の仕事をちらっと見てはため息をつき馬鹿にしたような目で睥睨する。
「そんな仕事もできないのか。やれやれ、コレだからアマちゃんは困るんだ。この前だって俺が手伝ってやらなきゃどうなっていたことか」
その言葉に秀麗の堪忍袋の緒が切れた。
秀麗は勢いよく清雅の胸倉を掴む。
「頼んでないでしょう! あれはあんたが勝手に出しゃばって来て、挙句の果てに私の成功まで横取りしたでしょうがっ!!!」
「ふんっ、横取りされるほうが悪いんだろ?ってゆーか、俺が居なかったら何日かかってたことか」
「馬鹿言ってんじゃないわよ!私の邪魔ばっかりしていったくせに」
「されるほうが悪い」
「ふ、ふんだ。威張っていられるのも今のうちよ、こそ泥清雅。何時かあんたをぎゃふんって言わせてやるんだから!!」
「楽しみだな。やれるもんならやってみろよ」
配属されてから今日までずっとこの調子なのである。
清雅は何かと秀麗にちょっかいを出し、秀麗は負けじと食いつく。
この部屋が静かであったためしがない。
そして、ちらりと隠してある布団を見た。くるくるとまかれ清雅と書かれた張り紙までしてある。
日に日にボロボロになってゆく布団。
ああ、今日もまたその白い布団は傷を負うんだろうな、と思わずには居られない。
蘇芳は布団がいたたまれなくなる。
「そんなに怒ると余計ブサイクになるぜ。あぁ、今も美人とはかけ離れてるから関係ないか」
そういって部屋の外へ消えていくのを秀麗は肩を震わせながら見ていた。
蘇芳は一つの嵐が去ったことにホッとし、次の嵐に構える。
(くるっ、そろそろ来る…)
「…タンタン」
(ほら来た!!!)
「ふ、布団だろ?」
「いいえ、その棚の引き出しに入ってるの。…とってくれる?」
秀麗は蘇芳の傍の引き出しを指差した。
いわれるがままに引き出しを開けて、蘇芳は固まる。
「あ、のさ……、コレ…どうすんの?」
手にしたのは藁人形と針。
恐る恐るいわれたままに秀麗に差し出した。
「とある人物(王)から貰ったのよ。ちゃんと清雅の髪も入ってるわ」
そういって秀麗は、持っていた針で清雅の髪入り藁人形の腕を思い切り突き刺した。
その光景はあまりにも恐ろしく、冷たい悪寒が背筋を伝う。
「なぁ、それって…効くの?」
そう訪ねた瞬間、回廊から騒がしい声が聞こえてきた。
「大丈夫か、清雅!!」
「これ腕折れてるぜ?医務室行ったらどうだ?」
秀麗はにやっと笑った。
「どうやら効くみたいね…。ふふふ、いいものを手に入れちゃったわ」
そういってもう一刺し、同じ右腕に勢いよくさすのであった。
(お、俺、もう怖くてついてけないかも…)
新兵器を手に入れた秀麗をとめられる者は、もう居ない。
だ、誰か俺をもうクビにしちゃってください………
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平に〜平に〜……
初清雅とタンタンです。
清雅と秀麗のやり取り、私には難しくてコレが精一杯。会話に成り立っていないと思われるかもしれませんが、ご、ご愛嬌………。
藁人形を刺す秀麗を書きたかったんです。
こんな駄文恥ずかしい…>_<;
2007/9/14(金) 午前 2:34
おもしろい!
もっと書いてください〜♪
2009/1/15(木) 午後 6:17 [ しゃむっち ]