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今日はこの1冊を。 ◆著者:遠藤周作 『王国への道 −山田長政−』です。 タイトルの通り、 17世紀初頭にアユタヤで活躍した日本人、 山田長政を主人公にした小説で 当時のアユタヤ王国を舞台に、実在の地名や人物名 歴史的史実を織り混ぜたフィクションです。 山田長政と言えば、 日本史の教科書にも世界史の教科書にも出てくるので たぶん実在の人物だと思うのですが(実在否定説もあり) 資料もほとんどなく、詳細なことはあんまり分かってないんだそうな。 ただ、この時期のアユタヤに日本人町があって 意外と大勢の日本人が暮らしていたことは事実のようで 現在もアユタヤに跡地があったりします。 (石碑や展示館がある程度ですが) せっかくタイに住んでいることですし。 こんな小説も読んでみようかな、と軽い思い付きで読み始めましたが 思っていた以上に面白かったので言い触らしたくなりました( ゚∀゚ ) 歴史小説なのに軽々と読めるので、お時間のある方はいかがでしょう? では、ストーリーをざっくりと。 戦国の世も終って徳川幕府の治世になった日本。 下剋上で成り上がることもできた時代から 生まれた階級で人生が決まってしまう世の中になったことを 若い藤蔵(のちの山田長政)は「そんなのは詰まらない!」と なんの可能性の見出せない日本に見切りをつけ どこか異国で自分を試してみようと考えます。 うーん、このくだり。 タイで知り合った若者がよく言ってるなあ、しかも一人や二人じゃない。 国外追放される切支丹の船に潜りこんでマカオへ。 そして成り行きでアユタヤにたどり着きます。 人柄も仕事ぶりも抜きん出た藤蔵(長政)は 見る見るうちにアユタヤの日本人の中で頭角を現し アユタヤ王宮にも一目置かれる存在になって行きます。 名前も山田長政と改めて、王宮で重用されるうちに 初めは柔和で寛容な、笑顔のアユタヤ人が 実は一筋縄でいかないキャラクターであることを悟って行き… …と、 この辺りはタイ人スタッフとの感覚の違いに日々苦労している 駐在員の方たちをふと思い浮かべてみたり。 権力を握りたい人間たちの、クルクルと手のひらを返す 義理もへったくれもないドロドロぶりは さながら、つい最近の赤服さんと黄服さんの攻防を彷彿とさせ、 なんだか、300年も400年も前の設定の小説なのに タイに住んでいる日本人には「心当たりのある」ことばかり。 もちろん小説自体は1981年に発表された作品なので 現代に置き換えられるよう意図的に作られていると思うのですが なんかね、自分のことや 今のタイにいる日本人のことを言われてるみたいで…むーん。 結末はお読み頂くとして。 今の在タイ日本人も お姉ちゃんを横に置いてふんぞり返ってると アユタヤの日本人町みたいになっちゃうかもねぇ。 タイで立身出世を夢見る若者も なんとか任期を無事終えたい駐在員も 共感することがありそうかなーな1冊。 今日もお疲れ様でした。 |
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2010年08月30日
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