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国立新美術館会館記念として開かれている話題の展覧会。
のはずだが、平日の終了1時間前なら余裕を持って観覧が可能。
1時間だけではと思うかもしれないが、
「牛乳を注ぐ女」さえゆっくり見ることが出来れば1500円はお得だ。

オランダ風俗画の人物はブリューゲルをはじめとして何で醜いのだろうか?
常に疑問に感じていた。
宗教画のルーベンスなどは美しく描いているのに。
(つっても、時代が随分と違うけど。)
と、思っていたら、やっぱり時代が下ると風俗画も小奇麗に描かれていた。
スペース6の「19世紀後半のリアリズムの風俗画」あたりは随分と小奇麗だ。
でも、違和感がある。
これは明らかに違う。
そう思う。
リアリズムと言われても、違うものは違う。
今の所、何で違うのか説明できないが、違う。
古い風俗画の方がしっくり来る。
今まで新しい時代の風俗画も見ていた筈なのに覚えていなかった。
この事実が全てを語っているようだ。
どのように語っているのかはまだ聞き取れない。

そうすると、フェルメールは孤高と言おうか、昇華と言おうか、随分と図抜けた存在だ。
オランダ風俗画が総じて薄いニスでもかけてるような曇りがあるのに、それが無い。
技術的な問題や好みの問題なのかもしれないが、私には残念ながらその点の知識は無い。

写真で見ると牛乳の流れ落ちる白さが印象的だ。
新聞記事でも本当に流れ落ちているようだと、この絵のハイライトのような書き方だった。
しかし、実際見てみると牛乳にさほど存在感は無い。
あくまで「牛乳を注ぐ女」に目が行ってしまう。
フェルメールらしい青によって引き立つ上着の黄色。
おそらくこの2色を支えているのであろうスカート・床・牛乳壷の赤。
配色の妙と言えばそれまでだが、素人でもこうでなきゃいけないんだろうなと思う。
これは早期の絵だそうだ。
素人にもそう思わせてしまうのは、若さゆえの野心が漲ってるせいなのかも知れない。

腕の筋肉の筋が本当に凄い。
近くで見るとブーグローみたいに完璧に描いてる訳でもない。
でも少し離れて見ると、その質感の素晴らしさに釘付けになる。
当然金剛力士像のような、はっきりとした筋肉ではない。
牛乳壷を支えるのに必要な程度の力を入れている腕の質感がそこにはある。
パンや壷、後ろの籠に至るまで、全て質感が書き分けられている。
ただ、私にとっては全て、牛乳壷を支えている腕の為に描かれている様に見えた。
もう一度見に行ったら、また違うように見えるのかも知れない。

顔はぼんやり描かれている。
でも圧倒的な存在感がある。
存在感が描かれている。
私の知ってるフェルメール作品で、
最も存在感が描かれている作品ではないかと思う。
「青いターバンの少女・真珠の耳飾の少女」も確かに存在感はある。
でも、あれは存在感よりも、ただただ美しい。

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