読書備忘録

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積読と濫読の発作を交互に繰り返して早24年。
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平成19年2月6日読了。
1ページ当りの活字数が少ないので、1時間あれば読める。
内容も難しくない。
19歳の男子学生と39歳の女性構師の恋愛小説。
女性構師は既婚者です。つまり不倫ね。
でも、そこには全くスポットが当たってない。
女性も旦那を”パートナー”として大切と思ってるし、旦那もそう思ってる。
また旦那が変わり者で、二人に関係に気づいてながら、三人で旦那の手料理食っちゃうんだから。
でも三角関係にも全くスポットは当たってない。

とにかく”オレ”の気持ちのお話です。
たおやかな文章でちょっと変わってるけど幸せな恋愛が描かれています。
所々良いなあと思うような”狙った”文章が下品にならずに添えてある。

ちょっと風変わりな恋愛ではある。
でも”笑うな”と言うわけです。
誰に?
それは読んでください。
まあ、呼びかけた者に言ってる訳ではないかも知れませんけど。
恋愛の終わり方は良くある終わり方です。
ふんわりと恋愛小説を楽しみたい方にお勧めです。

「伍子胥」伴野朗

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平成19年2月5日読了。
正直言って文章はあまりお上手ではないようです。
読んでて鼻につくことが多いです。
知っていることを何から何まで書く気満々。
どうも知識を誇示しすです。
しかも話をぶっ壊すような形で知識を投入したりします。
私も知ってることを何でも話そう、なんでも書こうとしてやり過ぎる傾向にあります。
反面教師にしたいなと思いました。

ただ、私はこの本を小説として期待する気は全くありませんでした。
あくまで中国の歴史の勉強のためです。
伍子胥を知りたければ「史記」でも読めという方もおありでしょうが、はっきり言って面倒。
また、頭に入りにくい。
私はこの手の簡単に読める歴史小説読んでから、史料的価値のある文献に当たるようにしています。
そうすると理解が早いのです。
史料によっては煩雑で読みたくもない記述が多かったり、
逆に妙にあっさり書かれていて面白みが無かったりします。
でも、この手の虚実ないまぜ小説読んでからだと、
煩雑史料もあっさり史料もイメージを作り安い。
何よりも流れが分かってるというのが理解を促進してくれます。
まあ、今回は史料に当たる前準備というよりは、
忘れてしまった知識を思い出すためという意味合いの方が濃いですけど。

この手の本としては、司馬遼太郎や塩野七生も悪くないですが、やや説教くさいのが引っかかります。
田中芳樹の中国物・藤本ひとみのフランス物はもってこいですね。
娯楽性重視で説教が無いのが読みやすい。
今回の「伍子胥」も説明的脱線にメリハリをつければ、もっと読みやすくなるんだけど。

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第119回芥川賞受賞作品。
えぐいシーンの色の描写がなかなか良い。
文章は好きですね。
中身は好きと言いたくない。
興味深いということで。

修道院内のセックスと暴力に満ち満ちた日々を通して真の”宗教”に迫る。
この本も「蛇にピアス」と同様、出だしから中盤過ぎまで面白い。
終盤に掛かってくるとやや息切れっぽい感じがする。
なんか説明臭くなる。
ただ、この後も続ける気があるらしいので、
この息切れも途中の計算であって貰いたいもの。
もしくは、計算だった言える位、この後に納得いく結末を持って来て貰いたい。
別にこのまま終わってもいいけど。
十分面白かったから。

でも、これが現実のものだったら、エグくって吐く。
…現実にはもっとエグいことあるかな?
言い直すと、目の前で起こっていることが分かったら吐く。

エロゲーム如きを18禁にするなら、この本は20禁にした方が良いんじゃない?
文芸作品だとどんな描写でも許されて、普通に図書館に置いてあるんだからアンバランスな国だな。
確かに読んで性的興奮も暴力的興奮も起きなかったけど、変態は何処でもいるからね。
別に文芸作品の表現を規制しろって意味じゃないですよ。
ただね、不思議だな〜ってことだけ。

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簡単に言うと、克己心と才能によって名声を得、財産を築いた爺さんが、
たまたま出会った美少年に惚れて変態に成り下がった挙句に死んじゃう話です。

こう書くと実も蓋もない話です。
実際筋だけ読んでいくと、くっだらない話です。
この美少年は「見出した美」、爺さんが「芸術家」。
まあ、そもそも爺さんは実際に芸術家(文学)なんだけど。
これを頭に入れて読んでいくと奥深い「文芸作品」になるようです。

少なくとも私には、1回読んだだけで作品価値を正しく理解することは出来ませんでした。
爺さん自身が軽侮していたものに成り下がっていく過程は滑稽と言うか哀れと言うか。

読む前は爺さんが美少年に溺れていく話と理解してました。
現代小説のような”世界”でも描かれているのかと思ってました。
爺さんは美少年を追い回すだけ。
いわゆるストーカーです。
しかも無様な様子で。
美を求めるあまりに己を崩壊させていく芸術家を描いてると理解したら良いのだろうか?

話の筋だけなら「ヴェニスに死す」とは随分格好良過ぎるタイトルです。
「ヴェニスで死んじゃった」がいいところ。

”危険”を感じて逃げ出そうとした際に、
”自分が責を負わない”事故から舞い戻らざる得なくなった時。
その時に喜びと安堵で心を満たしつつ、
苦虫を噛み潰すような顔している様子が特に印象として残ってます。
こんな感じは私も時々あるもので。

「カルメン」メリメ著

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カルメンというと悪女っていうイメージですね。
妖艶で男を狂わせずにおかない魔性の女、
狂う男を平然と見下ろして捨ててしまう女、
そんなイメージだったけど、違ったな。

確かに妖艶で男を狂わせるのは間違いないらしいが、
「夫」となった男に妙に尽くすという古風な面もある。
確かにカルメンが「夫」を幸福にするタイプの女性とは思えない。
「罪」だの「罰」など糞食らえってな”倫理観”の持ち主ではある。
ただ、ホセが不幸になったのはカルメンのせいではない。
ほぼ100%近い割合でホセの屑っぷりによる。

表紙の荒筋では純情な青年ホセってことになってるが、
純情というより馬鹿の部類に入ると思う。
ホセの馬鹿っぷりのお陰でカルメンに同情したくなる。
歌劇で見るとまた印象が違うのだろうか?

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