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小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの怪談です。 まあ、有名な本ですから皆さん知ってますよね。 私も「耳なし芳一」「雪女」がこの本に収められているのは知ってました。 でも「むじな」もそうだったとは知らなかった。 のっぺらぼうから逃げ出して蕎麦屋へ駆け込んだら、その蕎麦屋ものっぺらぼうだったという話。 話の展開からして、てっきり落語だと思ってましたよ。 雪女が現在の東京調布市の話って知ってました? 私はかろうじて知ってました。 調布市で吹雪の話ってのは、今の状況見ると考えられないですね。 「お貞のはなし」もどこかで聞いたことある話です。 この話の最後が伊香保温泉というのも驚きでしたね。 この「お貞のはなし」は私は気味が悪いと思いました。 死んだお貞が生まれ変わって幼馴染の長尾という男と結ばれる話なんだけど、 結局その結末を迎えるために多くの人が不幸になってるんですよね。 あさっり流すように書いてるけど。 お貞が自分の幸福のために他の人犠牲にしたような感じを受けますね。 他の話もどこかで聞いたなあというものばかり。
それほど「怪談」は一般に浸透した作品なんですね。 これは凄い事だと思います。 民間伝承や通俗怪談本の話をハーンが文学に高め、 それがハーン以前から完成された物語であるかのように日本人に受け入れられている。 この事実は「怪談」が完成度の高い文学作品だということを証明しています。 皆さんも是非一度お読み下さい。 難しく考えなくても面白く読めますよ。 |
読書備忘録
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積読と濫読の発作を交互に繰り返して早24年。
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この本は感想書くのが難しいな。 面白いとも面白くないとも言えないし。 挟んであった冊子には鑑賞の手引きが書いてあった。 『梶井基次郎の「檸檬」は抽象画みたいなもの。 それぞれの人がそれぞれの見方がある。 あなた自身の見方を探して下さい。』 なんて趣旨の事が書いてあった。 私からすると特に「檸檬」はシュールレアリスムのようだけどね。 この本は短編集で、「檸檬」は文庫本にして10ページに満たない。 私がまだ中学生の頃に、 『この小説は文学部の女子学生の論文の題材として人気がある』と聞いたことがある。 理由はその短さから。 でも、聞いた話が本当なら、その話の理由は別にあるのかなと思った。 短いからではなくて、いかようにも取りようのある作品だからではなかろうかと。 文章は特徴と言おうかクセがない。
描かれている情景も決して突拍子のない物ではない。 現代文学で持て囃されているようなグロテスクなまでの暴力や性は存在しない。 淡々と書かれていてるんだけど、読んだな〜という満足感はある。 チリリチリリと焦りの様な感覚も覚える。 気になった作品は「ある崖上の感情」かな。 |
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ちょっとお堅い読書が続いたので休憩もかねて。 これも電車に揺られながらの読書。 2・3日かかったかな。 ちょっと厚めだけど、文章も内容も難しくないので苦にはならない。 難しさと意味を求める人には逆に苦になるかも知れない。 イギリス人作家のミステリー。 でもミステリーってカテゴリーになるんかねっていう文章です。 文章そのものでいかに楽しませるかで書かれています。 一々ユーモアで着色しないと気が済まない感じの文章です。 ある意味ではイギリスらしいなと思いました。 あくまでイギリスに対するステレオタイプなイメージを持つ私の思い込みによる感想ですけど。 冴えない警部である主人公フロストの行き当たりばったりにして思い込みの強い捜査と偶然によって、 脳内細胞がシナプスで結びつくいて行くように複数の事件が繋がっていく様が面白い。 (科学的にシナプスと脳内細胞に関する表現が正しいかどうかは知りません。) 正直人物の心理的部分は非常にオーソドックスというか、悪い言い方をすれば陳腐。 しかし、この文章で心理的な部分を強く書き込もうとすると、うざったくなる可能性が高い。 転がっていく話を追いかける面白さを単純に楽しむのが良いと思います。 数年前の「このミステリーがすごい」の上位入選作品。
私の妹が推薦していた本でした。 買ったは良いけど、何年経ったかすら覚えていない。 今頃この本を読む奴なんて居ないんだろうな。 |
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昨年から読み越しの本です。 私は大概2冊の本を平行して読みます。 1冊は小説。 もう1冊は哲学書や歴史書など。 小説に飽きたときの強烈な睡眠薬用に5ページほど読むのです。 ですので、ほとんど読み進めない。 この本も例外でなく、3ヶ月ほど掛かったはずです。 有名な科挙制度以前の官僚登用制度の研究をまとめた本です。 三国時代の魏によって制定された実力本位の人材登用を目指した制度が、 貴族制度の発達と保存に利用され、 その在り方も時代とともに変貌し、 やがて科挙制度へと移行していく様を、 普通の人間なら余りの詰まらなさに投げ出してしまう文献を丹念に読み解き解明していきます。 決して読んで面白い本ではありません。
勧める気にはなりません。 ただ、三国志など華々しい「お話」が注目されがちな中国史にあって、 こういう地味な事を知っておくのも、また一興かと。 私は高校時代には日本史を選択したため、世界史の知識がやや薄弱です。 そのため、ときにはこのような本でその穴埋めをしています。 |
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「ノルウェイの森」を読み終わったのは3日だから…。 多分4日から5日にかけて読んだ本ですね。 まあ、正月から暗い糞真面目な本を読むのもどうかと思ったのですが、 読むべき本というものはあるものなので積読エリアから取り出しました。 原題は「OBASAN」だそうです。 1981年にカナダで出版された本だそうで、英語圏でベストセラーになったそうでございます。 著者は日系カナダ人で、その自伝的小説です。 太平洋戦争に伴い日系カナダ人が徹底的な迫害を受けた様子が、 淡々とカナダの自然に触れながら書き進められています。 原題の「OBASAN」とは、過酷な人生をそれぞれの生き方で乗り越えた「おばさん」達のことです。 ただただ耐えたおばさん、必死に抵抗を試みたおばさん。 でも、確かに日本人にはしっくり来ない原題ですね。 カナダの歴史の暗部を告発した内容です。 ナチスドイツと大して変わらない迫害ですね。 確かに描かれている不条理に怒りを覚えますが、 ただ単にカナダに対して敵愾心を持つ気にはなれません。 戦争とはかくも人間をおかしくするものだということでしょう。 民主主義国家を名乗る国ですらこうだったのですから、 日本は一体どんなことをしていたんだろうとも思いましたね。 読み進むのが辛かったです。 特に「おばさん」の手紙は1日分読むたびに休憩を入れました。 そうしないと怒りでうなり声が発しそうになります。 電車の中でしたので、間を空けて心が静まってから読み直すの繰り返しでした。 最後の方で原爆のシーンも描かれていて、これも相当に悲惨です。 しかし自分の目で見て書いたのではないせいか、 かなりショッキングな内容にも拘らずカナダの叙述より迫るものがないです。 文章そのものは私好みではありません。
でも読んでおいて良かったとは思います。 もう一度読むかといわれると、辛いので遠慮したい。 |


