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安全配慮義務・保護監督義務と指導者の具体的対応(4)
資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
【質問】
少年スポーツ指導者の「常時立会い義務があるか、否か」はどのような基準で考えたらよいのでしょうか。
【答え】
原則として、正規に定められた少年スポーツクラブ活動時間であれば、少年スポーツ指導者は常時立会い、そして少年遠の動向に注意して危険の回避に努めるべきでしょう。安全にスポーツ活動を行うためには当然のことと思います。
他方、少年スポーツ指導者の監督管理下にあるといえない、活動開始時間前・後の自主練習や活動日外の自主練習等は、少年遠の自律性を期待し得ますので、常時立会って監視指導すべき義務まではない、といえます。しかし、この場合でも、自主練習の内容や危険発生の予見など、個別に判断されますので、単に形式的に100%立会い義務なしと決めつけることはできません。
参考判例(最判昭五八・二・十八判例時報一〇七四−五二/中学校二年生の場合)は、福岡高裁那覇支部の次の判決部分「バレーボール部が部活動している時間中は生徒の安全管理のため体育館内にあって生徒を指導、監督すべき」「当該教諭に支障あれば他の教諭に依頼する等して代りの監督者を配置する義務がある」「体育館内でバレーボール部の活動を指導、監督しておれば、トランポリン遊びは当然制止され、本件事故は未然に防止できたものと推測される」との点を審理不尽、理由不備の違法があるとして破棄差戻したのです。
その理由として、
① 件事故は体育館の使用をめぐる生徒間の紛争に起因すること、
② バレーボール部顧問の教師が代わりの監督者を配置せず不在とした過失責任を問うには、トランポリン使用をめぐるケンカが同教師にとって予見可能であったこと、を必要とすると述べるのです。
そして、参考判例は予見可能性を認め、教師の過失を問うための条件として次の点を十分に審理せよと判断しています。
(イ)従来からの中学校における課外クラプ活動中の体育館の使用方法とその範囲印トランポリンの管理等につき生徒に対して実施されていた指導の内容
(ロ)体育館の使用方法等についての過去における生徒間の対立、紛争の有無
(ハ)生徒間において対立、紛争の生じた場合に暴力に訴えることのないように教育、指導がされていたか、否か。
以上の点等々を、二審裁判所が総合検討して、「常時立会い義務の有無」が過失に影響を与えるか、どうか判断すべきというのです。
また、本最高裁判決および最判昭五八・六・七判例時報一〇八四−七〇(小学校五年生の場合)ともに、スポーツそれ自体の危険性から直接生じた事故(たとえば、柔道・空手活動中)ではなく、偶然に派生した突発的なケンカやいたずらによる事故であることに注目してください。
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少年スポーツの法律相談


