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2012年04月23日
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小学生バレーボールの現状と今後の課題(平成7年)清水 三郎 氏
(『山梨のバレーボール』「研鑽の足跡」 山梨県指導者研修会報告書 平成13年)
山梨県小学生バレーボールの簡単な歴史 山梨県で小学生バレーボールが始まったのは昭和43年頃、甲府地域で誕生した。当 時は9人制で全国では広島を含む近畿地方や東京の町田市を中心とした関東地区でも盛んであった。山梨県では最初「バレーボールスポーツ少年団」として組織とチームが生 まれた。山梨県協会の指導普及部がその取りまとめをしており、昭和48年8月に開催された「山梨県少年少女バレーボール大会」という大会が最初の県大会で、参加チーム は6年生10チーム、5年生5チームであった。
昭和53年、日本バレーボール協会のもと全国的に「小学生バレーボール連盟」の結成が急がれ、山梨県でも昭和53年に県バレーボール協会の指導のもとに加盟18チームで結成・発足した。
昭和54年、10月28日に新装なった高根町町民体育館で「さわやか杯」(現在の「富士コカ・コーラカップ」)が開催され、このテレビ放映をきっかけに山梨県内各地に「バレーボールスポーツ少年団」としてチームが誕生することになる。
昭和55年には家庭婦人に代わって「山梨県体育祭」の「スポーツ少年団競技」に参加。昭和61年の山梨国体に高校生としての参加に該当する6年生を集めて合宿。(講師豊田博氏)
昭和56年、「全日本バレーポール小学生大会」通称「ライオンカップ」が始まる。山梨県で初めて小学生男子チームが誕生。小学6年生×中学1年生大会が始まる。
昭和57年、「関東ブロックスポーツ少年団競技別交流大会」が始まる。その運営に当たるとともに予選会を実施。
昭和58年、「アシックスバレーポール教室」が始まる。
昭和59年、埼玉県との交流会を実施。
昭和60年、「会長旗小学生大会」が「山交パープル杯」に代わりテレビ放映。しかし2年で終わり昭和62年に「会長杯」に戻る。
昭和61年、小学生バレーボール人口のピークとなる.(推定1500人)。「関東小学生バレーボール大会」が始まる。この年より、全国大会1・関東大会2・テレビ放映2回、以降年々小学生人口が減少傾向となる。
平成8年度には選手数の減少が著しく、800名強となる。
平成9年度には回復の兆しが見えてきているが、地域差が出てきている。
2 小学生バレーボールの諸問題
小中学生をとりまく環境の変化が著しい。そのあたりを探ってみる。
一、バレーボール競技の人気のなさ。(児童への動機付けが生まれない)
二、バレーボール競技の難しさ。(競技規則が変わりすぎる。技術的。)
三、バレーボール競技の煩わしさ。(犠牲的精神。社会性)
四、バレーボール競技の機会が無い。(忙しい小学生。女子児童のスポーツ離れ。)
五、バレーボール競技の指導体制のあり方。(指導者不足。指導者の脂質)
六、バレーボール競技各組織内外の指導者の「共通理念」「共通指導方針」の欠如。
七、教育とスポーツのバランスの崩壊。(学校スポーツと社会スポーツ)
八、小学生バレーボールの環境(テレピ放映2、全国大会1、関東大会2)の是非。
九、小学生は誰が指導するのか。(生涯スポーツの影響。自ら楽しむ人達の増加。)
十、その他。(将来的には学校の部活動廃止に伴う、受け皿体制の整備など。)
以上の点が挙げられる。元来、小学生・中学生は改めて言うまでもなく義務教育の範躊であり学校教育が基本であるが、すでに小学生の基本的な体力養成は学校ではまかなえないものとなっている。本来は学校体育の隙間にスポーツ少年団があるべきであるが、現在は少年団なくして小学生スポーツは語れないようになってきている。
この動きが県内でも静かにあるいは急速に中学生にも進行している。いわゆる「学校体育」から「社会体育」への変換である。
県内の小学生でスポーツ少年団に加入しているのは全体の三割位で、女子児童に至っては僅か一割位であるので、少子化で片つけるわけにはいかない。
社会環境や家族関係も変化が激しく、特に働く場所を外に求める生活環境により「家庭で待つ母親」が減少し「社会で活躍する母親」の増加も子供の環境変化(家庭内活動・塾通い・放任)が子供の社会教育の場を少なくしている原因にもなっているとも考えら
れる。両親が出かけ、子供が留守番の家庭も増えていることは事実である。
小学生スポーツ指導者は、教員・公務員・家庭婦人・団体職員・会社員・自営業各種など千差万別である。こうした人たちが共通理念を持って指導すると言うことは至難の技である。しかし、共に考えているのは「バレーボールを通じて健全な小学生の育成」である。
少年団は競技本位な選手養成の場ではないことは誰もが自覚している。が、スポーツ環境がそれを許さない場合もある。現在特に中学・高校で活躍している生徒は小学生時代の経験を生かしているものが多い。よほどのことが無い限り中学生から始めたのでは間に合わないと考えている人たちも、確実に増えている。高校で勝ちたければ技術の高い中学生を、中学生で勝つには技術の高い小学生を、となる。最近の県内の中学・高校女子バレーポール部の上位チームは小学生時代活躍した選手が相当の割合で合まれている。これが何を意味するかが今後の小学生バレーボールの振興と再建普及の課題であると思われる。
単に小学生の問題として考えるのではなく、社会環境・学校環境・家族環境・スポーツ環境・地域環境などを視野に入れて解決策を考え、実施することが肝要で目先の方策は返って環境を悪化させることにもなる。組織を挙げて未来性と実現性のあるビジョンを作ることが大人の責任でもあり、今後の課題である。
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