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スポーツ指導契約の附随義務としての「安全配慮義務」「保護監督義務」の存在
安全への配慮すべき法律上の義務
資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
 
 少年スポーツの指導者は、自己の監督管理下にある少年遠に対して、少年スポーツ活動そのものおよび活動と密接不離の関係にある生活行動に関して、少年遠の生命・身体に対し安全を保持する義務を附随的に負っています。法文に掲載されていませんが、これが「安全配慮義務」「保護監督義務」と呼称される法律上の義務です。この義務を少年スポーツ指導者が不注意によって、尽くさなかったときに、損害賠償等の法的責任が問われることになります。もちろん、「安全配慮義務」「保護監督義務」の内容・程度は、個々の場合によってさまざまです。判例にあらわれた事例を総合してみると、次の諸点を考慮に入れて、義務が軽減されたり加重されたりしています。
 イ 少年遠の男女別差異、小学校の高学年か低学年か、中学生かの年齢差。
 ロ 少年遠の知能の発達程度や、スポーツ技術の上手、下手。
 ハ 少年遠の健康の有無、虚弱な体質か、病気をもっていたか。
 ニ 野外活動・登山・水泳や、武道である剣道・柔道などのスポーツ活動そのものに高度の危険性が予測されるも 
のか、どうか。
 ホ 指導するに当たって、スポーツルールを守らせる注意をスポーツ活動の前または活動中にしたか、どうか。
 へ 使用する体育館などの施設や用具について、事前に点検を十分したか、どうか。
 ト スポーツ活動を行う日程・時間帯・場所が適切だったか、どうか。
 チ 危険なり、事故が発生するかもしれないと予見できたときに、指導者が、その危険・事故を回避するための手
段をどうとったのか。
 リ 事故が発生した後に救護活動を適切になしたか、どうか。
 等々、以上の諸点を裁判官は判断していくわけです。次の「Q&Aコーナー」で判例の考え方を具体的に検討しますが、もともと「安全配慮義務」「保護監督義務」の法概念は債権・債務といった金銭給付が伴う私法的な契約関係を基礎に考えられ、この契約に附随する義務として発生してきました。
 しかし、現在では公立学校と生徒といった公法関係での事故、善意かつ無償のボランティア関係での事故についても損害賠償請求権の法的根拠となっています。また、不法行為責任の成立要件である「過失」の具体的内容たる予見可能性・結果回避義務を判断する際にも裁判官は「安全配慮義務」「保護監督義務」に違反があったか、否かを総合的に認定しているといってよいでしょう。
 この判例の考えの根本には、安全に関する環境を形成するのは人と人との信頼関係なので、有償・無償、私法・公法を区別すべきでない、との共通認識があるのです。
スポーツ指導契約の法的構造 少年スポーツ指導者とクラブ員との関係
資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
 
   スポーツを指導する者と少年達との関係
 スポーツを指導する者と少年達との関係は、有償行為(コーチ料などの金銭の給付行為)あるいは無償行為(つまりボランティア行為)を前提とする法律関係が発生しています。それは「スポーツ指導契約」と称せられる契約文書を少年スポーツ指導者と未成年老である少年達の法定代理人親権者父母との間で締結されている、いない、にかかわらず、この法律関係が発生しています。
少年スポーツ指導者とクラブ員との関係
 少年スポーツ指導者の助言・指導の契約内容はいくつかあります。
 一つは、グループスポーツであれば少年遠のスポーツクラブづくり、集団運営のための指導です。
 これは少年遠が、自分達で計画を立て、実践することができるように、すなわち自治能力を備えるように指導することを意味します。
 二つは、スポーツ技術そのものの指導です。スポーツを通じて運動能力を発達させ、楽しく、かつ安全にスポーツができるように技術を上達させてゆきます。
 三つは、少年遠の集団生活の指導です。スポーツの補助的な活動として行われる野外活動やレクリエーション、集団活動を維持し、その楽しさを増すために行われるゲーム活動・歌唱・文集づくり、その他の文化活動、そして自分達の生活する地域に対する奉仕活動などについて指導者の助言・指導は不可欠でしょう。
 そして、ボランティア指導者の場合は、以上のような助言・指導を「無償」で行います。つまり、少年スポーツ指導者と少年遠との間には、以上のような具体的内容をもった契約関係が成立していると考えることができるのです。少年スポーツ指導者は、少年遠とともに活動しながら、少年達に対して助言・指導を行う法律上の義務を負っています。その役務は有償あるいは無償でなされ、これは「スポーツ指導契約」と名づけられます。スポーツ指導契約は、一種の役務提供契約ですが、民法上の典型契約のいずれにも該当しないところの特殊契約と考えるのが適切です。
 スポーツ指導契約の当事者は、少年スポーツ指導者と個々の少年達です。少年少女達は未成年者なので、原則として法定代理人(つまり、親権者父母)の同意を得なければ契約を結ぶことができません。たとえば、スポーツ少年団の場合、入団申込書には親の同意があったことが、明らかなように次のような様式を用いています。
 さらに、様式の中には、少年個人の個性や健康状態がわかるようなアンケート項目を入れています。
入団申込書(例)
 ○○スポーツ少年団の趣旨に賛同し,スポーツ傷害保険に加入し,入団を申し込みます。ただし事故が起きた時は,スポーツ傷害保険の経費は本人が負担します。
 平成  年  月  日
 申込者 氏名          男・女
  生年月日 昭和 年 月 日生    歳
  学校      小学校  年  組
  健康保険証 (種別) (査号)
  血液型 型  RH(  )
  主な既応症(  )(  )(  )(  )
   1年以内のものには○印をつけて下さい。
  健康状況(該当するものに○印をつけて下さい)
  1.1年以内に陽転 2.扁桃腺肥大
  2.乗り物酔する 4.アレルギー体質
  5.健康に関して特筆することがあれば何んでも書いて下さい。
  団員の入団したい理由
  保護者の入団させた理由
  かかりつけの病院名
  ふだんの健康
   1.良い 2.ふつう 3.弱い方である
  家族構成
  その他(保護者からの依頼事項等)
保護者 氏名        ㊞
      住所        TEL
不在のときの連絡先
 氏名        続柄
      住所        TEL
  
OOスポーツ少年団 殿
 
少年遠の日常生活での知識をもっているのは、親であり、多くの情報を得られることは少年スポーツ指導者にとって指導上の利便となるからです。

スポーツと違法性阻却

スポーツと違法性阻却
資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
 
 スポーツによる事故は、スポーツそれ自身に危険が内包されているため、その危険に伴う通常の結果としての傷害行為は違法性がないとされています。
 その場合に、違法性が阻却される理由として、社会的相当性説(正当行為説も同じ)と危険引受説(加害行為承諾説も同じ)があります。
   社会的相当性説にたつ判例干葉地判昭四九・ 九・九判例時報七七九―九三)
 「被告らは、柔道はスポーツであって、社会的相当性のある行為であって、たまたま、被告の投げによって死亡事故が発生しても、それについて責任はないと主張する。勿論柔道はスポーツであり、
故意・過失と違法性
したがって有形力の行使自体が社会的相当性の行為として違法性のないものであることは当然である。」なぜならば、スポーツは相手を攻撃する形態であっても人間社会にとって必要であると認知されているからです。「しかしながら、そこには規則(ルール)にしたがった有形力の行使であることを必要とすることは勿論、規則がなくても、危険を防止するために守るべき義務があるところでは、これを守るべく、この義務を過失によって怠って事故を発生させた場合には、その過失責任が問われるものである。柔道の社会的有用性と過失責任とは相反するものではない。」
 スポーツは闘争やケンカと異なり、相互の身体を守るためのルールが存在していること、ルールがなくても相互に危険を防止する信頼関係が存在していることを判例は述べているのです。
   危険引受説にたつ判例(東京地判昭四五・二・二七判例時報五九四−七七)
 「一般に、スポーツの競技中に生じた加害行為については、それがそのスポーツのルールに著しく反することなく、かつ通常予測され許容された動作に起因するものであるときは、そのスポーツ競技に参加した者全員がその危険を予め受忍し加害行為を承諾しているものと解するのが相当であり、このような場合加害者の行為は違法性を阻却するものというべきである。」なぜなら、どんなにルールに従った攻撃でも偶発的に事故が発生することはあるのです。スポーツ活動に参加する以上、その危険を自らの力で回避することがスポーツマンに要請されているからです。「原告は被告の過失を強調するが、スポーツが許容された行動範囲で行われる限り、スポーツの特殊性(自他共に多少の危険が伴うこと等)から離れて過失の有無を論ずるのは適切でない。本件の場合被告には不法行為を構成するような過失はなかったともいいうる。」
二つの説とも、違法性の判断においては過失責任を論ずるに差異はありません。
 もとより加害行為が、過失以上の故意または重過失による場合には、違法性を阻却しないことになります。
 そして、スポーツに内在する危険も、スポーツの種類によってさまざまで、危険に対処するに高度の注意義務を求められるものから、普通程度の注意をしてスポーツをしている限り違法性の発生しないものまであります。
 たとえば、柔道・剣道・相撲・空手などの武道、ボクシング・フェンシング・レスリングなど闘争的な相手の身体を直接に手または道具で攻撃するスポーツの場合には、ルール違反の行為はただちに違法性が発生することになります。登山・水泳・スキーなど危険な場所で行われるスポーツは、危険に直面するがゆえに高度の注意義務を求められています。ラグビー・サッカー・アイスホッケー・野球・バレーボールなどの球技では、身体に対する危険があることが一応予測されるスポーツですが、著しいルール違反がなければ違法ありとはならないでしょう。陸上・マラソン・ハイキングなどでは、通常危険が予測されないスポーツですから軽微な過失があっても違法性は阻却されることになります。
つまり、少年スポーツ指導者としては、少年達にどんな危険のあるスポーツを教えているのか、そのスポーツにはどの程度の安全配慮を考えれば違法性が阻却されるのか、常に知識を得ておく必要があるのです。
ルールに従ってスポーツをする限り、社会的に正当な行為と認める判例【サッカー競技中の事故】
 資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
 
別府市立小学校五年生の生徒が、体育の授業でサッカー競技中、他の生徒が蹴ったボールが左眼に当たって失明した事故のケースです。大分地判昭六〇・五・一三判例時報一一八四―一〇二は、担当教師の法的責任が問われた事件です。まず一般論として、
 「体育授業としてのサッカーゲームに際し、担当教師としては、ゲーム中の危険防止に充分な注意をすべきことは勿論のことであり、ことに、密集の中で相手の身体を蹴る危険のある蹴り方や児童に負傷を生じさせるような身体の接触等のいわゆるラフプレーを禁止するなど、これらに充分な注意を払って事故回避に努むべき注意義務があることはもとよりのことである」と、ラフプレーの禁止と教師の注意義務を指摘します。そして具体的ラフプレーとして、「原告が注意すべきと主張する足を高く上げて蹴ることや狭い個所でカー杯蹴ることは、とりもなおさず他の児童の身体を蹴る危険を招来する可能性が大きな蹴り方ということになるから、`担当教師としてこれに充分注意し児童を指導すべきことはもとよりのことと考えられる。」
 と例示しています。そこで本件事故について具体的に検討し、
 「しかし、本件においては、当該女子は、決して右のような蹴り方をしたわけではなく、自陣営に転がってきたボールを敵陣に向って夢中で蹴り返したのが、偶然、追っかけてきた原告の顔面に当ったというのが実情である。」つまり、加害者の少女は決してラフプレーではなく、サッカーというスポーツのルールに従ってボールを蹴ったのです。「サッカーゲームは相手ゴールポストに向けてボールを蹴ることがゲームの基本的な事柄であるから、ボールを蹴返すことも絶えず反覆されるプレーであり、この場合ボールのコントロールが悪く、そこに駆け寄った相手方児童にボールが当ることもよく起り易い事態である。」まさに、サッカーゲームのルールどおりの行為であって、誰でもが当然と考える行為に危険が含まれているのです。「すなわち、このようにして蹴られたボールが他の児童に当る事態(これを危険といっても差つかえないが)を当然予測しながら、なおサッカー・ゲームが児童の体育授業として肯認されているもので、この程度の危険(児童の体育といっても、すべてなにがしかの危険の存在は避け難く、安全性が完全に保障されているわけではなく、事故の発生を完全に防止できるとは限らない)の存在が、体育授業に参加する児童に危険予知やその回避能力を養成し社会生活上必要なものを体得するという児童の体育授業の意義や効用に寄与するものというべきである。」つまり、危険を知り、それを回避する能力を高めることが社会に役立つスポーツの有用性なのです。スポーツには楽しみだけでなくこの有用性があるから危険が許されているのです。「従って右のような程度の危険が存するからといって、ボールを蹴返すことを禁ずるとすれば、サッカー・ゲームは成り立たないことが明らかである。前認定のように、本件においては、このようにボールを蹴返したものであって、その女子がとりたてて危険な蹴り方をしたものとも断じ難い。」
 として、当然のことながら法的に責任を問うことはできず、担当教師に過失がないと判断し、社会的に正当な行為と認めたのです。
少年スポーツ 危険防止のためのルール
資料 少年スポーツ指導者と契約
(『少年スポーツ指導者の法律相談』(財日本体育協会日本スポーツ少年団 編 菅原哲朗氏著)一部加筆
 
 他方、このような道徳律としてのルール・競技の運行に関する技術的なルールのほかに、危険を防止するためのルールが存在します。
 子どもの事故、それが死亡事故という重大な結果を引き起こした場合、子どもを保護する立場にあった者の社会的責任が問われます。将来の社会を担う子どもであり、危険についての判断力も未熟で体力も未発達な少年少女遠の事故であるだけに、場合によっては「安全配慮義務」「保護監督義務」の違反という法的責任にも問われる可能性もあります。
 スポーツの事故でもこの現実は変わりません。ボランティア指導者の、さまざまな成長段階、さまざまな個性をもつ少年少女達に、スポーツを通じて創造力ある自主性に富んだ健全な心身を教育しようという「善意の活動」であっても、ひとたび事故が発生すれば社会的責任・法的責任が問われるのです。このように無償の善意者が過失によって引き起こした事故に関して、補償を求められた場合、どのように対処したらよいのかは、少年スポーツ指導者の脳裏にときおり横切る不安です。
 また、このような不幸な事故が発生することのない未然の予防策はもっと重要なことです。しかし、ケガや事故は、どんなに細心の注意を払い、危険を除去したと思っても、思いがけないところに生じるものです。
 法的にはスポーツ活動それ自身の中に、身体的事故が発生しやすく、その意味ではスポーツには本質的に一定の危険が内在しているといわれています。そこでは、スポーツ参加者は互いに危険を認めあって参加しているのであり、本来多少のケガが生じても、法的責任は問われません。ここでのルールは、道徳律より社会規範さらに法規範になっており、ルールに従ってスポーツをする限り、社会的には正当な行為とみなされ、法的には違法性がないことになるのです。これは講学上「許された危険の法理」とよばれるものです。
 スポーツルールの徹底、とくにこの危険防止のためのルールを守る子ども遠に育てることは、少年スポーツ指導者の義務といっても過言ではありません。少年少女を指導する場合、可塑性に富む子ども遠は、指導者の人格に影響されやすいものです。少年スポーツ指導者自身の、ルールに対する態度はとりわけ重大な影響を与えます。
 「ルールを守って、全力を尽くす」ことを主眼にするか、「勝つためには、審判にわからない反則があってもいい」「ゲームも勝負である以上、相手の裏をかくのが早道だ」と教育するか、子ども遠の人格形成のうえで将来大きな違いとなります。
 「ルールを守る子どもに育てる」ことは、ルールに従った行為が、社会的にも正当な行為と法律判断され、違法性がなくなることに通ずるのです。スポーツ活動や遊びを通して、仲間づくりや、フェアプレーの精神・スポーツマンシップといったマナーやエチケットを学ばすことは容易にできます。少年少女達に「スポーツにはルールがある」という自覚を確立させることが安全対策であり、ひいては事故防止につながるのです。

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