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サ6 1059;雑歌,作者:田辺福麻呂歌集,荒都歌,久邇京,京都 [題詞]春日悲傷三香原荒墟作歌一首[并短歌] [左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也) ↓[原文]ー[訓読]ー[仮名]ー
<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097653.html三香原ー三香の原ーみかのはらー三香の原の 久邇乃京師者ー久迩の都はーくにのみやこはー久邇の都は 山高ー山高みーやまたかみー山高く 河之瀬清ー川の瀬清みーかはのせきよみー川の瀬は清らかで 在吉迹ー住みよしとーすみよしとー住みよい処だと 人者雖云ー人は言へどもーひとはいへどもー人は言うが 在吉跡ーありよしとー居よい所だと 吾者雖念ー我れは思へどーわれはおもへどーわたしは思うが 故去之ー古りにしーふりにしー今では廃都となった 里尓四有者ー里にしあればーさとにしあればー里であるので 國見跡ー国見れどーくにみれどー見渡すかぎり 人毛不通ー人も通はずーひともかよはずー人の往来もなく 里見者ー里見ればーさとみればー里を見ても 家裳荒有ー家も荒れたりーいへもあれたりー家も荒れ果てている 波之異耶ーはしけやしーああ せつない 如此在家留可ーかくありけるかーかくありけるかーなんと儚い定めだったのか 三諸著ー[みもろつく]ー神の祭壇であるみもろの社の 鹿脊山際尓ー鹿背山の際にーかせやまのまにー鹿背山のあたりに 開花之ー咲く花のーさくはなのー咲く花の 色目列敷ー色めづらしくーいろめづらしくー珍しさに心ひかれ 百鳥之ー百鳥のーももとりのーさまざまの鳥の 音名束敷ー声なつかしくーこゑなつかしくー鳴き声が心にしみて 在<杲>石ーありが欲しー「ありがほし」ーいつまでも 住吉里乃ー住みよき里のーすみよきさとのー住みたいと思えるこの佳き里の 荒樂苦惜哭ー荒るらく惜しもーあるらくをしもーさびれるのが惜しまれる [題詞](春日悲傷三香原荒墟作歌一首[并短歌])反歌二首 三香原 久邇乃京者 荒去家里 大宮人乃 遷去礼者 みかのはら くにのみやこは あれにけり おほみやひとの うつろひぬれば ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)三香の原の久邇の都は荒れ果ててしまった 大宮人たちが移り去ってしまったから ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ * 天平12年(740年)、聖武天皇は京都南部・木津川あたりに恭仁宮(久邇宮)の造営に着手、和銅3年から30年余り続いた平城の都からの、唐突な遷都だった。その理由は諸説あるが、大仏建立のための適地を求めた天皇の意思と、自らの勢力圏に都を移したい右大臣・橘諸兄の思惑が一致したからともいわれる。計画では平城京をしのぐ大規模な京域を設定していたらしいが、途中で中止された。 <個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097644.html サ6 1061;雑歌,作者:田辺福麻呂歌集,荒都歌,久邇京,京都 [題詞]((春日悲傷三香原荒墟作歌一首[并短歌])反歌二首) 咲花乃 色者不易 百石城乃 大宮人叙 立易<奚>流 さくはなの いろはかはらず ももしきの おほみやひとぞ たちかはりける ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)咲く花の色は昔にかわらない ここを行き来した大宮人の姿は今はない 大宮人の心のうつろいやすさよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ * 政治の中心地が明日香(飛鳥)にあったことから、飛鳥時代と名づけた。最近は、飛鳥板蓋宮一帯を飛鳥京と呼ぶらしい。しかし、飛鳥時代のおよそ100年余に、何度も飛鳥の地を離れている。孝徳天皇は難波に遷都、天智天皇は大津宮、持統天皇は藤原京を造営した。 <個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097636.html サ6 1062;雑歌,作者:田辺福麻呂歌集,難波,新都讃美 [題詞]難波宮作歌一首[并短歌] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)↓[原文]ー[訓読]ー[仮名]ー []は枕詞。 安見知之ー[やすみしし]ー 吾大王乃ー我が大君のーわがおほきみのー我らの大君が 在通ーあり通ふーありがよふーいつもお通いになる 名庭乃宮者ー難波の宮はーなにはのみやはー難波の宮は 不知魚取ー鯨魚取りー[いさなとり]ー 海片就而ー海片付きてーうみかたづきてー海に面していて 玉拾ー玉拾ふーたまひりふー玉を拾う 濱邊乎近見ー浜辺を清みーはまへをきよみー浜辺が清いので 朝羽振ー朝羽振るーあさはふるー朝には鳥が羽を振るわせるように 浪之聲せー波の音騒きーなみのおとさわくー波の音が騒ぎ 夕薙丹ー夕なぎにーゆふなぎにー夕凪には 櫂合之聲所聆ー楫の音聞こゆーかぢのおときこゆー船の楫の音が聞える 暁之ー暁のーあかときのー暁の 寐覺尓聞者ー寝覚に聞けばーねざめにきけばー寝覚に耳を澄ませれば 海石之ー海石のーいくりのー暗礁が 塩干乃共ー潮干の共ーしほひのむたー引潮と共に現れる <*>渚尓波ー浦洲にはーうらすにはーその浦洲で 千鳥妻呼ー千鳥妻呼びーちどりつまよびー千鳥が妻を呼んで鳴き 葭部尓波ー葦辺にはーあしへにはー葦の生える岸辺では 鶴鳴動ー鶴が音響むーたづがねとよむー鶴が鳴き声を響かせる 視人乃ー見る人のーみるひとのー見る人が 語丹為者ー語りにすればーかたりにすればー語り草にすると 聞人之ー聞く人のーきくひとのー聞く人も 視巻欲為ー見まく欲りするーみまくほりするー見たくなる 御食向ー御食向ふー[みけむかふ]ー 味原宮者ー味経の宮はーあぢふのみやはーこの味経の宮は 雖見不飽香聞ー見れど飽かぬかもーみれどあかぬかもーいくら見ても飽きることがないことよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097546.html サ6 1063;雑歌,作者:田辺福麻呂歌集,難波,新都讃美 [題詞](難波宮作歌一首[并短歌])反歌二首 有通 難波乃宮者 海近見 <漁> 童女等之 乗船所見 ありがよふ なにはのみやは うみちかみ あまをとめらが のれるふねみゆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)大君のいつも通われる難波宮は 海が近いので海人の娘たちの乗る船が見える ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097454.html サ6 1064;雑歌,作者:田辺福麻呂歌集,難波,新都讃美 [題詞]((難波宮作歌一首[并短歌])反歌二首) 塩干者 葦邊尓せ 白鶴乃 妻呼音者 宮毛動響二 しほふれば あしへにさわく しらたづの つまよぶこゑは みやもとどろに
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[左注](右廿一首田邊福麻呂之歌集中出也)潮が引いたので葦の茂る岸辺に 白鶴がつれあいを呼ぶ声で 大宮も鳴り響くばかりだ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33097429.html |
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