ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

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サ7 1069;雑歌

[題詞]詠月

常者曽  不念物乎  此月之  過匿巻  惜夕香裳

常はさね 思はぬものを この月の 過ぎ隠らまく 惜しき宵かも 

つねはさね おもはぬものを このつきの すぎかくらまく をしきよひかも
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いつもはこんなことを思ったこともないが

この月が西に傾いて隠れてしまうのが

とても惜しまれる今宵です

何故ならあなたと過ごす夜だから
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* 「常はさね」普段なら別に、
 
* 『万葉集』に収められている歌の約半数弱、2100首あまりが作者未詳歌となっている。とくに巻七・巻十〜十四に多い。巻七・巻十〜十二の歌は、奈良時代の人々が歌を作るときの参考資料だったとする説がある。そのためこれらの中には類歌が多いという。
7世紀半ば、宮廷社会に誕生した和歌は、国家機構の整備にともなって増加した官人たちや、その生活を支える庶民たちに広まり、やがて各地に波及していった。7世紀末に造営された藤原京、8世紀初頭の平城京と、大規模な都が営まれるようになると、畿内の国々を中心に、その他の地域からも多くの人々が都に集まり、また各地との往来も盛んになった。このため、宮廷社会に始まった和歌は、中・下級官人たちや庶民へと急速に広まっていったが、その時期は7世紀末〜8世紀、とくに奈良朝の時代である。「作者未詳歌」といわれている作者名を欠く歌は、その大半が中・下級官人たちや都市周辺部の庶民たちの歌とみなされ、地名などからみて畿内圏のものであることがわかる。<[万葉集に親しむ]より記事転載。>
<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33095837.html




サ7 1070;雑歌,高円山,奈良

[題詞](詠月)

大夫之  弓上振起  <猟>高之  野邊副清  照月夜可聞

大夫の 弓末振り起し 狩高の 野辺さへ清く 照る月夜かも 

ますらをの ゆずゑふりおこし かりたかの のへさへきよく てるつくよかも
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ますらおが弓末を振り立てて猟をするという名の猟高の野

今夜はその猟高の野まで清らかに照り映えて見える良い月夜だ
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33095795.html



サ7 1071;雑歌

[題詞](詠月)

山末尓  不知夜歴月乎  将出香登  待乍居尓  夜曽降家類

山の端に いさよふ月を 出でむかと  待ちつつ居るに 夜ぞ更けにける 

やまのはに いさよふつきを いでむかと まちつつをるに よぞふけにける
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山の端に出るのをためらっている月を

もう出るかと待つうちに 

こんなに夜は更けていった
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33095778.html




サ7 1072;雑歌

[題詞](詠月)

明日之夕  将照月夜者  片因尓  今夜尓因而  夜長有

明日の宵 照らむ月夜は 片寄りに 今夜に寄りて 夜長くあらなむ 

あすのよひ てらむつくよは かたよりに こよひによりて よながくあらなむ
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明日の晩照るべき分も一緒に寄り合わさって

今夜の月夜は長くあってほしいことよ
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33095728.html



サ7 1073;雑歌

[題詞](詠月)

玉垂之  小簾之間通  獨居而  見驗無  暮月夜鴨

玉垂の 小簾の間通し ひとり居て 見る験なき 夕月夜かも 

たまだれの をすのまとほし ひとりゐて みるしるしなき ゆふつくよかも
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あの人も来ず

簾(すだれ)を隔てて独り眺めているのでは

今夜の月は見るかいもない
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* 「玉垂」は玉を緒に貫いて垂らしたもの。
<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093666.html



サ7 1074;雑歌、春日山,奈良,慕情

[題詞](詠月)

春日山  押而照有  此月者  妹之庭母  清有家里

春日山 おして照らせる この月は 妹が庭にも さやけくありけり 

かすがやま おしててらせる このつきは いもがにはにも さやけくありけり
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春日山の一面に照り渡っているこの月は

私の恋人の庭にもさやかに差し込んでいたことだよ
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* 「春日山」は奈良市東部にある山。
<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093649.html




サ7 1075;雑歌

[題詞](詠月)

海原之  道遠鴨  月讀  明少  夜者更下乍

海原の 道遠みかも 月読の 光少き 夜は更けにつつ 

うなはらの みちとほみかも つくよみの ひかりすくなき よはふけにつつ
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海原の道があまりにはるかなためか

差し込む月光はかすかに

夜は次第に深くなっていく
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093510.html



サ7 1076;雑歌

[題詞](詠月)

百師木之  大宮人之  退出而  遊今夜之  月清左

ももしきの 大宮人の 罷り出て 遊ぶ今夜の 月のさやけさ 

[ももしきの] おほみやひとの まかりでて あそぶこよひの つきのさやけさ
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大宮人も勤めを終えて罷りでて遊ぶ

今宵の月の清澄さであることよ
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093500.html



サ7 1077;雑歌

[題詞](詠月)

夜干玉之  夜渡月乎  将留尓  西山邊尓  <塞>毛有粳毛

ぬばたまの 夜渡る月を 留めむに 西の山辺に 関もあらぬかも 

[ぬばたまの] よわたるつきを とどめむに にしのやまへに せきもあらぬかも
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夜空を渡る美しい月を押しとどめるために

西の山辺に関所でもないものだろうか
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093486.html




サ7 1078;雑歌

[題詞](詠月)

此月之  此間来者  且今跡香毛  妹之出立  待乍将有

この月の ここに来たれば 今とかも 妹が出で立ち 待ちつつあるらむ 

このつきの ここにきたれば いまとかも いもがいでたち まちつつあるらむ
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月がここまで出てきているから

妻は門口に出て今か今かと

私が来るのを待っているだろうなあ
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093426.html



サ7 1079;雑歌

[題詞](詠月)

真十鏡  可照月乎  白妙乃  雲香隠流  天津霧鴨

まそ鏡 照るべき月を 白栲の 雲か隠せる 天つ霧かも 

[まそかがみ] てるべきつきを [しろたへの] くもかかくせる あまつきりかも
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真鏡のように照るはずの月を

白たへの雲が隠しているのか

天空の夜霧が覆っているのか
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* 「つ」は「の」の意の格助詞。
<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093404.html



サ7 1080;雑歌

[題詞](詠月)

久方乃  天照月者  神代尓加  出反等六  年者經去乍

ひさかたの 天照る月は 神代にか 出で反るらむ 年は経につつ 

[ひさかたの] あまてるつきは かむよにか いでかへるらむ としはへにつつ
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天空に照る月は神代に立ち返って

あらためて出て来るのか

年月は返ることはないのに

初々しい月よ
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<個別へ> http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/33093369.html

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