ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

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3471 東歌,相聞,恋,女歌

[題詞]

思麻良久波 祢都追母安良牟乎 伊米能未尓 母登奈見要都追 安乎祢思奈久流

しまらくは 寝つつもあらむを 夢のみに もとな見えつつ 吾を音し泣くる 

しまらくは ねつつもあらむを いめのみに もとなみえつつ あをねしなくる
・・・・・・・・・・・
しばらく微寝れば

しきりに夢に見えて

うつつに逢へぬ 

定めを知れと

わたしを泣かすのね 
・・・・・・・・・・・



3472 東歌,相聞,恨,恋

[題詞]

比登豆麻等 安是可曽乎伊波牟 志可良<婆>加 刀奈里乃伎奴乎 可里弖伎奈波毛

人妻と あぜかそを言はむ しからばか 隣の衣を 借りて着なはも 

ひとづまと あぜかそをいはむ しからばか となりのきぬを かりてきなはも
・・・・・・・・・・・
他人の妻だとうだうだ言うな 

隣から着物を借りて 

それを着ないで済ます男は

いないだろうぜ 
・・・・・・・・・・・



3473 東歌,相聞,群馬県,高崎市,栃木県,佐野市,旅,恋,序詞

[題詞]

左努夜麻尓 宇都也乎能登乃 等抱可騰母 祢毛等可兒呂賀 於<母>尓美要都留

左努山に 打つや斧音の 遠かども 寝もとか子ろが 面に見えつる 

[さのやまに うつやをのとの とほかども] ねもとかころが おもにみえつる
・・・・・・・・・・・
佐野山で打つ斧の音が遠ざかるように 

故郷は遠ざかる

共に寝起きしたあの娘の面影ばかり思われる 
・・・・・・・・・・・



3474 東歌,相聞,旅,別離,防人


[題詞]

宇恵太氣能 毛登左倍登与美 伊R弖伊奈婆 伊豆思牟伎弖可 伊毛我奈氣可牟

植ゑ竹の 本さへ響み 出でて去なば いづし向きてか 妹が嘆かむ 

[うゑだけの] もとさへとよみ いでていなば いづしむきてか いもがなげかむ
・・・・・・・・・・・
竹林の根元まで響くように大騒ぎして

私が旅立った後で

妻はさぞ嘆き悲しむだろう

どこを向いて妻は嘆くことだろう
・・・・・・・・・・・
* 「植竹」は竹林のこと。



3475 東歌,相聞,女歌,別離

[題詞]

古非都追母 乎良牟等須礼杼 遊布麻夜万 可久礼之伎美乎 於母比可祢都母

恋ひつつも 居らむとすれど 遊布麻山 隠れし君を 思ひかねつも 

こひつつも をらむとすれど ゆふまやま かくれしきみを おもひかねつも
・・・・・・・・・・・
恋い慕いながらあなたはきっと来ると

じっとして居ようとしても 

由布岳に隠れてしまったあなたを思うと

もうどうにもならないのですね
・・・・・・・・・・・
*まなび http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/31849032.html
* 「ひとりしゆく」
http://blogs.yahoo.co.jp/sirius0426jp/9135986.html?vitality
 


サ3476 東歌,相聞,旅,恋

[題詞]

宇倍兒奈波 和奴尓故布奈毛 多刀都久能 努賀奈敝由家婆 故布思可流奈母

うべ子なは 吾ぬに恋ふなも 立と月の ぬがなへ行けば 恋しかるなも 

うべこなは わぬにこふなも たとつくの ぬがなへゆけば こふしかるなも
・・・・・・・・・・・
いかにも私に恋焦がれているだろう

月が細くなり消えてゆくのを見ていれば

さぞ心細く 私を恋しがっているだろうが

心配するな私の心は月とはちう

私の君への恋心は

月のようには変わらないから

(とはいえ遠国赴任地は月より遠い)  
・・・・・・・・・・・
* 「うべ」は、肯定の意を表す語。いかにも。
* 「子な」は、上代東国方言、「子等」の訛り。
* 「わぬ」は、一人称の人代名詞。「われ」の上代東国方言。
* 「なも」[助動][○|○|なも|なも|○|○]《上代東国方言》動詞・動詞型活用語の終止形に付く。推量の助動詞「らむ」に同じ。現在推量・原因推量 上にくる語の活用形 終止形(ラ変は連体形)。・・・ているであろう。・・・しているだろう。
* 「たとつくの」月の時が流れ経つと
* 「立と」は、上代東国方言、「立つと・経つと」
* 「ぬがなへ行けば」奴我奈敝由家杼・「我(わぬ)がゆのへは」和奴賀由乃敝波、
或本歌末句曰、奴我奈敝由家杼 和努賀由乃敝波
 (或る本の歌の末の句に曰はく、流(のが)なへ行(ゆ)けど 吾(わぬ)が行(ゆ)のへば)
 時(月)が流れていくのに、私が逢いに行かなければ
《我が恋心は月とは違い、幸いにも・広く・確固と・なっている・ことは疑いもなく・明らかだ。》
* 我ゆか〈のへ〉ば、「のへ」上代東国語。「なへ」の転〕上代東国語の打ち消しの助動詞「なふ」の連体形・已然形「なへ」に同じ。
* 「こふし」は、「こひし」の上代東国方言〕恋しい。
* 「かる」 形容詞の語幹に付いて動詞化する。
* 「ぬながへゆけど」(奴我奈敝由家杼)」は「流れて行くけれども」の意。<[国語篇(その十)『万葉集』難解句]>参照。http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/kokugo10.htm#584ぬながへゆけど(奴我奈敝由家杼)



3476S 東歌,相聞,恋,異伝

[題詞]或本歌末句曰

奴我奈敝由家杼 和<奴><由賀>乃敝波

ぬがなへ行けど 吾ぬ行がのへば 

ぬがなへゆけど わぬゆがのへば
・・・・・・・・・・・
過ぎてゆくが 私が行けばよいのだが

行きたくても わたしは行けない
・・・・・・・・・・・



3477 東歌,相聞,静岡県,蒲原町,旅,恋

[題詞]

安都麻道乃 手兒乃欲婢佐可 古要弖伊奈婆 安礼波古非牟奈 能知波安比奴登母

東路の 手児の呼坂 越えて去なば 吾れは恋ひむな 後は逢ひぬとも 

あづまぢの てごのよびさか こえていなば あれはこひむな のちはあひぬとも
・・・・・・・・・・・
東国へ行く道にある手児の呼坂を

あなたが越えてしまったら

私は恋しく辛い日々を過ごすでしょう

旅立ったあなたと

いつか再会できるとしても
・・・・・・・・・・・



3478 東歌,相聞,群馬県,白根山,石川県,白山,うわさ,恋

[題詞]

等保斯等布 故奈乃思良祢尓 阿抱思太毛 安波乃敝思太毛 奈尓己曽与佐礼

遠しとふ 故奈の白嶺に 逢ほしだも 逢はのへしだも 汝にこそ寄され 

とほしとふ こなのしらねに あほしだも あはのへしだも なにこそよされ
・・・・・・・・・・・
遠いという故奈の白嶺で

逢うときも

逢わないときも

おまえとの噂は立てられるよ
・・・・・・・・・・・
* 「故奈の白嶺」は、越の白峰、白山説、 越中の立山説、 上野国吾妻郡の白根山説、その他あって定説はない。
* 「のえ のへ」(助動)〔上代東国語。「なへ」の転〕打ち消しの助動詞「なふ」の連体形・已然形「なへ」に同じ。




3479 東歌,相聞,栃木県,佐野市,赤見町,恋

[題詞]

安可見夜麻 久左祢可利曽氣 安波須賀倍 安良蘇布伊毛之 安夜尓可奈之毛

安可見山 草根刈り除け 逢はすがへ 争ふ妹し あやに愛しも 

あかみやま くさねかりそけ あはすがへ あらそふいもし あやにかなしも
・・・・・・・・・・・
赤見山の草の根を一緒に刈って

逢引の場所まで作ったのに 

身を許さなかったあの子

その愛しさよ
・・・・・・・・・・・
* 「草刈り」は村の共同作業、人々が知合い好意もうまれよう。デートの名所、赤見山で草を刈り、あとで逢ってくれた。承知のはずが、なぜか女は抵抗する。でもそこがまた何とも可愛い。そういって情感を<あやに>と歌っている。
* 「あはすがへ」、「荒れ地の草を刈り開いた空き地」
* 「あらそふ」「その空き地への道を指し示す妹」



サ3480 東歌,相聞,防人,恋,出発,別離

[題詞]

於保伎美乃 美己等可思古美 可奈之伊毛我 多麻久良波奈礼 欲太知伎努可母

大君の 命畏み 愛し妹が 手枕離れ 夜立ち来のかも 

おほきみの みことかしこみ かなしいもが たまくらはなれ よだちきのかも
・・・・・・・・・・・
防人赴任の

大君のご命令をうけて

愛しい妻との添い寝の床をはなれ

旅立ってきたのは

ま夜中のことだったなあ
・・・・・・・・・・・



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