ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

万葉集索引第十六巻

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3691遣新羅使,挽歌,雪宅麻呂,作者:葛井子老,枕詞,哀悼,壱岐,長崎

[題詞]


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天地等ー天地とー[あめつちと]ー天地と
登毛尓母我毛等ーともにもがもとー共に長生きしたいと
於毛比都々ー思ひつつーおもひつつー思いながら
安里家牟毛能乎ーありけむものをーありけむものをー生きていただろうに
波之家也思ーはしけやしーいたわしいことよ
伊敝乎波奈礼弖ー家を離れてーいへをはなれてー家を離れて
奈美能宇倍由ー波の上ゆーなみのうへゆー波のうえを
奈豆佐比伎尓弖ーなづさひ来にてーなづさひきにてー水に浮いて(浸かって)漂い来た
安良多麻能ー[あらたまの]ー
月日毛伎倍奴ー月日も来経ぬーつきひもきへぬー月日は経ち
可里我祢母ー雁がねもーかりがねもー雁が
都藝弖伎奈氣婆ー継ぎて来鳴けばーつぎてきなけばー来て鳴く秋になって
多良知祢能ー[たらちねの]ー
波々母都末良母ー母も妻らもーははもつまらもー母も妻も
安<佐>都由尓ー朝露にーあさつゆにー朝露の中で
毛能須蘇比都知ー裳の裾ひづちーものすそひづちー着物の裾を引きずり
由布疑里尓ー夕霧にーゆふぎりにー夕霧の中で
己呂毛弖奴礼弖ー衣手濡れてーころもでぬれてー衣の袖を濡らしながら
左伎久之毛ー幸くしもーさきくしもー君が無事で
安流良牟其登久ーあるらむごとくーいるかとばかりに
伊○見都追ー出で見つつーいでみつつー門を出ては
麻都良牟母能乎ー待つらむものをーまつらむものをー待っていようものを
世間能ー世間のーよのなかのー世の中の
比登<乃>奈氣伎<波>ー人の嘆きはーひとのなげきはー人の嘆きを
安比於毛波奴ー相思はぬーあひおもはぬー思いいたらぬ・思ってもくれない
君尓安礼也母ー君にあれやもーきみにあれやもー君ではないのに
安伎波疑能ー秋萩のーあきはぎのー秋萩の
知良敝流野邊乃ー散らへる野辺のーちらへるのへのー散りしきる野辺に
波都乎花ー初尾花ーはつをばなー初尾花の
可里保尓布<伎>弖ー仮廬に葺きてーかりほにふきてー仮廬を葺いて
久毛婆奈礼ー雲離れー[くもばなれ]ー雲が切れ・遠く離れ
等保伎久尓敝能ー遠き国辺のーとほきくにへのー(故郷を遠く離れた)この壱岐で
都由之毛能ー露霜のー[つゆしもの]ー露霜のおりる
佐武伎山邊尓ー寒き山辺にーさむきやまへにー寒い山辺に
夜杼里世流良牟ー宿りせるらむーやどりせるらむー宿る・屍をさらす君よ
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3692遣新羅使,挽歌,雪宅麻呂,作者:葛井子老,哀悼,壱岐,長崎

[題詞]反歌二首

波之家也思 都麻毛古杼毛母 多可多加尓 麻都良牟伎美也 之麻我久礼奴流

はしけやし 妻も子どもも 高々に 待つらむ君や 島隠れぬる 

はしけやし つまもこどもも たかたかに まつらむきみや しまがくれぬる
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いとおしい妻も子供も

いま帰るかいま帰るかと

首を長くして

待っているだろうに

その君がこんな辺鄙な島に 

隠くれてしまうなんて
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* 「はしけやし」 形容詞「は(愛)し」の連体形+間投助詞「やし」。いとおしい



3693遣新羅使,挽歌,雪宅麻呂,作者:葛井子老,枕詞,哀悼,壱岐,長崎

[題詞](反歌二首)

毛美知葉能 知里奈牟山尓 夜杼里奴流 君乎麻都良牟 比等之可奈之母

黄葉の 散りなむ山に 宿りぬる 君を待つらむ 人し悲しも 

もみちばの ちりなむやまに やどりぬる きみをまつらむ ひとしかなしも
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もみじ葉の散り降る山の土を

宿り場にして逝ってしまった

君の帰りを待っているだろう家人が

哀れに思われることだ
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3694遣新羅使,挽歌,作者:六人部鯖麻呂,哀悼,雪宅麻呂,壱岐,長崎

[題詞]

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和多都美能ー[わたつみの]ー海神のいます
<可>之故伎美知乎ー畏き道をーかしこきみちをー恐ろしい道を
也須家口母ー安けくもーやすけくもー安らかな思いの
奈久奈夜美伎弖ーなく悩み来てーなくなやみきてー何一つなく来て
伊麻太尓母ー今だにもーいまだにもー今からは
毛奈久由可牟登ー喪なく行かむとーもなくゆかむとー禍もなく行こうと
由吉能安末能ー壱岐の海人のーゆきのあまのー壱岐の海人部の
保都手乃宇良敝乎ーほつての占部をーほつてのうらへをー名高い占(うら)で
可多夜伎弖ー肩焼きてーかたやきてー肩骨を焼いての
由加武<等>須流尓ー行かむとするにーゆかむとするにーこれから往こうとする矢先に
伊米能其等ー夢のごとーいめのごとー夢のように
美知能蘇良治尓ー道の空路にーみちのそらぢにー空へ旅立つ
和可礼須流伎美ー別れする君ーわかれするきみー別れをする君よ
・・・・・・・・・・・・
 


3695遣新羅使,挽歌,作者:六人部鯖麻呂,哀悼,雪宅麻呂,序詞,壱岐,長崎

[題詞]反歌二首

牟可之欲里 伊比<祁>流許等乃 可良久尓能 可良久毛己許尓 和可礼須留可聞

昔より 言ひけることの 韓国の からくもここに 別れするかも 

[むかしより いひけることの からくにの] からくもここに わかれするかも
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昔より言われてきたように

からくにのその名のように辛くても

ここで貴方と別れをしよう
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3696遣新羅使,挽歌,作者:六人部鯖麻呂,哀悼,雪宅麻呂,壱岐,長崎

[題詞](反歌二首)

新羅奇敝可 伊敝尓可加反流 由吉能之麻 由加牟多登伎毛 於毛比可祢都母

新羅へか 家にか帰る 壱岐の島 行かむたどきも 思ひかねつも 

しらきへか いへにかかへる ゆきのしま ゆかむたどきも おもひかねつも
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新羅へゆくか

家へに帰るか

ゆきの島

帰るか行くか

方便すら覚束ない
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3697遣新羅使,長崎,対馬,叙景

[題詞]到對馬嶋淺茅浦舶泊之時不得順風經停五箇日於是瞻望物華各陳慟心作歌三首

毛母布祢乃 波都流對馬能 安佐治山 志具礼能安米尓 毛美多比尓家里

百船の 泊つる対馬の 浅茅山 しぐれの雨に もみたひにけり 

ももふねの はつるつしまの あさぢやま しぐれのあめに もみたひにけり
・・・・・・・・・・・・
多くの渡り船が泊まる対馬で

しぐれの雨に黄葉する

浅茅山よ

いつまで停泊させるのか
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3698遣新羅使,長崎,対馬,望郷,枕詞

[題詞](到對馬嶋淺茅浦舶泊之時不得順風經停五箇日於是瞻望物華各陳慟心作歌三首)

安麻射可流 比奈尓毛月波 弖礼々杼母 伊毛曽等保久波 和可礼伎尓家流

天離る 鄙にも月は 照れれども 妹ぞ遠くは 別れ来にける 

[あまざかる] ひなにもつきは てれれども いもぞとほくは わかれきにける
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対馬でも月は照っているが

都にいる妻とは

なんと遠く離れて来たものよ
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妹ぞ=「月は」に対して「妹」取り立てた表現。
作者・・遣新羅使=けんしらぎし。668年から836年まで28回行っているが、ここでは736年の遣新羅使。この頃は日本と新羅国は仲が悪く、遣新羅使はなかなか受け入れてもらえず、大変苦労している。<名歌鑑賞>
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15/40483050.html?vitality

3699遣新羅使,長崎,対馬,望郷

[題詞](到對馬嶋淺茅浦舶泊之時不得順風經停五箇日於是瞻望物華各陳慟心作歌三首)

安伎左礼婆 於久都由之毛尓 安倍受之弖 京師乃山波 伊呂豆伎奴良牟

秋去れば 置く露霜に あへずして 都の山は 色づきぬらむ 

あきされば おくつゆしもに あへずして みやこのやまは いろづきぬらむ
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秋がきてしまった

地に置く露霜にあらがえず

黄葉する対馬の嶺を見れば思う 

京の山の色付いているあの景色を
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3700遣新羅使,長崎,対馬,叙景,作者:阿倍継麻呂

[題詞]竹敷浦舶泊之時<各>陳心緒作歌十八首

安之比奇能 山下比可流 毛美知葉能 知里能麻河比波 計布仁聞安流香母

あしひきの 山下光る 黄葉の 散りの乱ひは 今日にもあるかも 

[あしひきの] やましたひかる もみちばの ちりのまがひは けふにもあるかも
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山裾が照り輝く黄葉の

その散りまがう景色は

今日も盛りであろうか

京もまた
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