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3641遣新羅使,山口,上関町,望郷,叙景 [題詞](熊毛浦舶泊之夜作歌四首) 安可等伎能 伊敝胡悲之伎尓 宇良<未>欲理 可治乃於等須流波 安麻乎等女可母 あかときの いへごひしきに うらみより かぢのおとするは あまをとめかも ・・・・・・・・・・・・
家が恋しくなる夜明けの暁に 入りくんだ海岸の方から楫の音がする 海人娘子なのだろうか ・・・・・・・・・・・・ 3642遣新羅使,山口,上関町,叙景 [題詞](熊毛浦舶泊之夜作歌四首) 於枳敝欲理 之保美知久良之 可良能宇良尓 安佐里須流多豆 奈伎弖佐和伎奴 おきへより しほみちくらし からのうらに あさりするたづ なきてさわきぬ ・・・・・・・・・・・・
沖の方から潮が満ちてくるらしい 可良の浦で餌をあさっている鶴が 鳴いて騒いでいるのが聞こえる ・・・・・・・・・・・・ 3643遣新羅使,山口,上関町,望郷,異伝 [題詞](熊毛浦舶泊之夜作歌四首) 於吉敝欲里 布奈妣等能煩流 与妣与勢弖 伊射都氣也良牟 多婢能也登里乎 おきへより ふなびとのぼる よびよせて いざつげやらむ たびのやどりを ・・・・・・・・・・・・
沖の船の旅人が都へ上る その船をこちらへ呼び寄せて さあ 都の妻へ告げてもらおう 今までのわが旅の宿りなどを書いて ・・・・・・・・・・・・ 3643S遣新羅使,異伝,山口,上関町,望郷 [題詞](熊毛浦舶泊之夜作歌四首)一云 たびのやどりを いざつげやらな ・・・・・・・・・・・・
旅の宿りなどを書いて さあ 都の妻へ告げてもらおう ・・・・・・・・・・・・ 3644遣新羅使,大分,中津市,作者:雪宅麻呂,不安 [題詞]佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首 於保伎美能 美許等可之故美 於保<夫>祢能 由伎能麻尓末<尓> 夜杼里須流可母 おほきみの みことかしこみ おほぶねの ゆきのまにまに やどりするかも ・・・・・・・・・・・・
大王の御命令のままに 大船の進行にまかせて 浮き寝の宿りをする日々よ ・・・・・・・・・・・・ 3645遣新羅使,大分,中津市,望郷,不安 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 和伎毛故波 伴也母許奴可登 麻都良牟乎 於伎尓也須麻牟 伊敝都可受之弖 わぎもこは はやもこぬかと まつらむを おきにやすまむ いへつかずして ・・・・・・・・・・・・
愛しい妻は早く帰って来ないかと わたしを待っているでしょう 沖海の船で漂う身で 海上に休む家もありません ・・・・・・・・・・・・ 3646遣新羅使,大分,中津市,不安 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 宇良<未>欲里 許藝許之布祢乎 風波夜美 於伎都美宇良尓 夜杼里須流可毛 うらみより こぎこしふねを かぜはやみ おきつみうらに やどりするかも ・・・・・・・・・・・・
沖を避けて浦伝いに漕いで来たが 風の烈しさに入江に逃げ込めないで 遠い沖合で浮き寝をするはめになった ・・・・・・・・・・・・ 3647遣新羅使,大分,中津市,望郷,枕詞,不安 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 和伎毛故我 伊可尓於毛倍可 奴婆多末能 比登欲毛於知受 伊米尓之美由流 わぎもこが いかにおもへか [ぬばたまの] ひとよもおちず いめにしみゆる ・・・・・・・・・・・・
妻がどんなに強く思ってくれているからか 一夜も欠けることなく 貴女を夢に見ています ・・・・・・・・・・・・ 3648遣新羅使,大分,中津市,望郷 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 宇奈波良能 於伎敝尓等毛之 伊射流火波 安可之弖登母世 夜麻登思麻見無 うなはらの おきへにともし いざるひは あかしてともせ やまとしまみむ ・・・・・・・・・・・・
海原の沖合に灯す漁火は もっと明るくともせ 懐かしの大和島を見よう ・・・・・・・・・・・・ 3649遣新羅使,大分,中津市,漂泊,不安 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 可母自毛能 宇伎祢乎須礼婆 美奈能和多 可具呂伎可美尓 都由曽於伎尓家類 かもじもの うきねをすれば [みなのわた] かぐろきかみに つゆぞおきにける ・・・・・・・・・・・・
鴨のように波のまにまに浮寝をすると 黒々としている髪に 飛沫の露が降りている ・・・・・・・・・・・・ 3650遣新羅使,枕詞,大分,中津市,望郷,恋 [題詞](佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流經宿而後幸得順風到著豊前國下毛郡分間浦 於是追怛艱難悽惆作八首) 比左可多能 安麻弖流月波 見都礼杼母 安我母布伊毛尓 安波奴許呂可毛 ひさかたの あまてるつきは みつれども あがもふいもに あはぬころかも
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遥かな彼方に住む恋人よ 天空の月を見るように どうしても逢えないこのつらさ ・・・・・・・・・・・・ |
万葉集索引第十五巻
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