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3242 岐阜,旅愁,難訓,景行天皇 [題詞] ・・・・・・・・・・・
* 「八十一隣(くくり)の宮」は、岐阜県可児町(以前の久久利村)にその宮の跡がある。百岐年ー[ももきね]ー ももきね 百茎根 ももくきね http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/jitsukaga/momokukine.htm 三野之國之ー美濃の国のーみののくにのー美濃の国の 高北之ー高北のーたかきたのー高北の 八十一隣之宮尓ーくくりの宮にーくくりのみやにーくくり(泳)の宮に 日向尓ー日向ひにーひむかひにー東方に 行靡闕矣ー行靡闕矣ー*******ー ユクナキセキヲ 行くことの出来ない関所 有登聞而ーありと聞きてーありとききてーあると聞いて 吾通<道>之ー吾が行く道のーわがゆくみちのー吾が通って行く道の 奥十山ーおきそやまー<万葉集に詠われている「奥(おき)十山(そやま)」は伊吹山であると土屋文明説> <三>野之山ー美濃の山ーみののやまー美濃の山 <靡>得ー靡けとーなびけとー靡いて平になれと 人雖跡ー人は踏めどもーひとはふめどもー人は踏むが 如此依等ーかく寄れとーかくよれとーこう寄れと 人雖衝ー人は突けどもーひとはつけどもー人が突いて動かそうとしても 無意山之ー心なき山のーこころなきやまのー心無い山は動かない 奥礒山ー奥十山ーおきそやまー奥十山よ 三野之山ー美濃の山ーみののやまー美濃の山であるよ ・・・・・・・・・・・ * 以下<国語篇(その七)>より転載。 『 「日向尓 行靡闕矣」を通常の万葉仮名の読み方に従い、さらに先達の試訓を参考として、「ひむかひに ゆきなびけを」と訓むこととします。 「ひむかひに」 「ヒム・カヒ・ヌイ」 HIMU-KAHI-NUI (himu=hip-bone,the large posts of palisades of a fort;kahi=wedge,chief;nui=large,many) 「偉大な・首長(大王)の・(居所であることを示す)標柱(があった)」(「ヌイ」のUI音がI音に変化して「ニ」となった) 「ゆきなびけを」 「イ・ウキ・ナピ・ケ・ワオ」 I-UKI-NAPI-KE-WAO (i=past tense,beside;uki=distant times past or future;napi=cling tightly;ke=strange,different;wao=forest) 「昔から(長い間)・奇妙にも・(そこに)立っている・森(がある)」(「ワオ」のAO音がO音に変化して「ヲ」となった) 「おきそ(奥十(山))」 「オキ・ト」 OKI-TO ((Hawaii)oki=to cut,separate;to=quiet,tranquil) 「(人里から)離れた・静まりかえった(山)」 の転訛と解します。 <サ>http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/28922360.html <項>http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/folder/1039689.html?m=lc&p=34#28922524 3243 広島,山口,倉橋島,桂浜,望郷,土地讃美,恋 [題詞] ・・・・・・・・・・・
處女等之ー娘子らがーをとめらがー乙女たちが <麻>笥垂有ー麻笥に垂れたるーをけにたれたるー<お‐け【桶/麻笥】紡いだ麻糸を入れる容器。檜(ひのき)の薄板を曲げて作る。>おけから垂れている 續麻成ー続麻なすー[うみをなす]ー「長柄(ながら)」などにかかる枕詞。 長門之浦丹ー長門の浦にーながとのうらにー長と名がついた長門の浦に 朝奈祇尓ー朝なぎにーあさなぎにー朝ないだころ 満来塩之ー満ち来る潮のーみちくるしほのー満ちてくる潮 夕奈祇尓ー夕なぎにーゆふなぎにー夕なぎに 依来波乃ー寄せ来る波のーよせくるなみのー寄せてくる波 <彼>塩乃ーその潮のーそのしほのーその潮が 伊夜益舛二ーいやますますにーいよいよ増してくるように 彼浪乃ーその波のーそのなみのーその波が 伊夜敷布二ーいやしくしくにーいよいよしきりに来るように 吾妹子尓ー吾妹子にーわぎもこにー吾が妻に 戀乍来者ー恋ひつつ来ればーこひつつくればー恋いながら来ると 阿胡乃海之ー阿胡の海のーあごのうみのー阿胡の海の 荒礒之於丹ー荒礒の上にーありそのうへにー荒磯の上で 濱菜採ー浜菜摘むーはまなつむー浜菜をつんでいる 海部處女等ー海人娘子らがーあまをとめらがー海人の少女たちが 纓有ーうながせるー首にかけた 領巾文光蟹ー領布も照るがにーひれもてるがにー領布も照るばかりに 手二巻流ー手に巻けるーてにまけるー手に巻いた 玉毛湯良羅尓ー玉もゆららにーたまもゆららにー玉も音をたて揺らぐように 白栲乃ー白栲のー[しろたへの]ー 袖振所見津ー袖振る見えつーそでふるみえつー袖を振っているのが見える 相思羅霜ー相思ふらしもーあひおもふらしもー向こうも私のことを思っているらしい ・・・・・・・・・・・ 3244 呉市,広島,望郷,恋 [題詞]反歌 阿胡乃海之 荒礒之上之 少浪 吾戀者 息時毛無 あごのうみの ありそのうへの さざれなみ あがこふらくは やむときもなし ・・・・・・・・・・・
* 「長門」は安芸国にあった長門で、山口県の長門ではない。 阿胡の海の荒礒の長い海岸に寄せる 小さな波のように 妻を恋うる思いが止む時はない ・・・・・・・・・・・ 3245 [題詞] 天橋<文> 長雲鴨 高山<文> 高雲鴨 月夜見乃 持有越水 伊取来而 公奉而 越得之<旱>物 あまはしも ながくもがも たかやまも たかくもがも つくよみの もてるをちみづ いとりきて きみにまつりて をちえてしかも ・・・・・・・・・・・
* 変若水(おちみず、をちみづ)とは、飲めば若返るといわれた水。月の不死信仰に関わる霊薬の一つ。天に登る橋も長くあってほしい 高い山も天にとどくほど高くあってほしい 月夜見尊が持つという若返る水を取ってきて あなたに差し上げて若返らせることができたらよいのに ・・・・・・・・・・・ 3246 [題詞]反歌 天有哉 月日如 吾思有 君之日異 老落惜文 あめなるや つきひのごとく あがおもへる きみがひにけに おゆらくをしも ・・・・・・・・・・・
空にある月や日のようにお慕いしているあなたが 日一日と老いていかれるのを口惜しく思います ・・・・・・・・・・・ 3247 姫川,序詞,寿歌,老 [題詞] 沼名河之 底奈流玉 求而 得之玉可毛 拾而 得之玉可毛 安多良思吉 君之 老落惜毛 ぬながはの そこなるたま もとめて えしたまかも ひりひて えしたまかも あたらしき きみが おゆらくをしも
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所も知れない沼名川の底にあるという玉 求めても得られない玉 奇跡的に拾って得られる玉 そのように得難いあなたが 年老いていかれるのは口惜しい ・・・・・・・・・・・ |
万葉集索引第十三巻
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