ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

キーワード・備忘ヤ行

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や1

この道や=「俳諧の道」も含まれている。「や」は「ああこの道は」という詠嘆の意が含まれている。真に自分の俳諧の道に志す人の少ない孤独の思いを嘆ずる気持ちです。


や 間投助詞

【主な機能】

1.体言に付いて呼びかけの対象であることを示す。

八千矛の 神の命や 吾が大国主…(古事記、須勢理比売)
我妹子や我を忘らすないそのかみ袖ふる川の絶えむと思へや(万葉集、作者未詳)


2.詠嘆の意をあらわす。

これやこの大和にしては我が恋ふる紀路にありといふ名に負ふ背の山(万葉集、元明天皇)
谷風にとくる氷のひまごとにうち出づる波や春の初花(古今集、源当純)

用言では形容詞終止形に付く例が多く見られる(「めづらしや」「わりなしや」など)が、これらは終助詞に分類した。


3.語勢を加えたり、語調を整えたりする。

やすみしし 我ご大君の 畏きや 御陵(みはか)仕ふる…(万葉集、額田王)
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣片敷きひとりかも寝む(新古今集、藤原良経)
来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ(新勅撰集、藤原定家)

一首目の「畏きや」の「や」は「畏き御陵」の語間に投入されたもので、語勢を加えるのみでなく「畏き」の意を強めるはたらきもしている。二・三首目の「や」はそれぞれ「鳴く霜夜」「焼く藻塩」の語間に投入されたもので、主として語調を整える用法と見てよかろう。

4.主として場所を示す名詞に付いて詠嘆を添える。(1)古くは助詞「の」の後に付いたが、のち、(2)名詞に直接付いて連体助詞的なはたらきをするようになり、(3)(4)平安中期以後、詠嘆を込めて場所・時・物事などを示し、格助詞的なはたらきもするようになった。(3)の「や」は「を」(または「は」)、(4)の「や」は「に」の意味にはたらく。因みに(5)連歌俳諧の「切字」はこの用法を引き継ぐものと言われる。

(1)石見のや高角山の木の間より我が振る袖を妹見つらむか(万葉集、柿本人麻呂)
(2)大原や小塩の山も今日こそは神世のことも思ひ出づらめ(古今集、在原業平)
(3)武蔵野やゆけども秋の果てぞなきいかなる風か末に吹くらん(新古今集、源通光)
(4)網代木や浪のよるよる照る月につもる木の葉の数もかくれず(拾遺愚草、藤原定家)
(5)荒海や佐渡に横たふ天の川(奥の細道、松尾芭蕉)


【他の機能】

係助詞・終助詞としてもはたらく

われのみや=「や」は反語の意。


や(やも・やは) 係助詞

【主な機能】

問いかけ・疑問・反語などをあらわす。結びは連体形になる。
1.質問・疑問をあらわす。相手あるいは自身に対し呼びかけ、問いかける気持を伴うことが多い。

神風の伊勢の浜荻折り伏せて旅寝やすらむ荒き浜辺に(万葉集、碁檀越妻)
難波江の葦のかりねの一よゆゑ身をつくしてや恋ひわたるべき(千載集、皇嘉門院別当)


2.已然形に付き、自らに問いかける疑問をあらわす。直後に述べる事実の根拠について推測する時に用いられる、特殊な語法である。詠嘆や反語の意を伴うこともある。終助詞「や」も参照されたい。


いにしへの人に我あれやささなみの古き都を見れば悲しき(万葉集、高市黒人)
里は荒れて人はふりにし宿なれや庭もまがきも秋の野良なる(古今集、遍昭)

3.反語をあらわす。「〜か、いや〜ない」の意。「やは」「やも」の形をとることが多い(次項参照)。

秋の田の穂の上を照らす稲妻の光の間にも我や忘るる(古今集、読人不知)


【助詞との結合例】


•やも 助詞「や」に詠嘆の助詞「も」が結び付いたもの。連体形で結ぶ。平安時代以後は「やは」に取って代わられる。
1.反語をあらわす。「〜か、いや〜ない」の意。

士やも空しかるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして(万葉集、山上憶良)
うつせみの世やも二行く何すとか妹に逢はずて我がひとり寝む(万葉集、大伴家持)

2.詠嘆を伴う疑問をあらわす。用例は少ない。

ますらをの心はなしに秋萩の恋のみにやもなづみてありなむ(万葉集、作者未詳)

やみ=止み、お終いになる。


•やは 助詞「や」に詠嘆の助詞「は」が結び付いたもの。連体形で結ぶ。
1.反語をあらわす。「〜か、いや〜ない」の意。

春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる(古今集、凡河内躬恒)
有馬山いなの笹原風ふけばいでそよ人を忘れやはする(後拾遺集、大弐三位)

2.詠嘆を伴う疑問をあらわす。用例は少ない。

我が背子をいつぞ今かと待つなへに面やは見えむ秋の風吹く(万葉集、藤原宇合)

3.「やは〜ぬ」の形で、慫慂・希望の意をあらわす。「どうして〜しないのか」「〜しないものか」「〜してほしい」。

さくら花春くははれる年だにも人の心に飽かれやはせぬ(古今集、伊勢)
なく声をえやは忍ばぬほととぎす初卯の花の影にかくれて(新古今集、柿本人麿)

みあだ=み徒。無駄。「み」は接頭語。

やは=反語の意のを表す。・・するだろうか、 いや・・ではない。

【他の機能】

終助詞・間投助詞としてもはたらく。

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