ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

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3 264;雑歌,作者:柿本人麻呂,羈旅,宇治

[題詞]柿本朝臣人麻呂従近江國上来時至宇治河邊作歌一首
(柿本朝臣人麻呂、近江の国より上り来る時に、宇治川の辺(ほとり)に至りて作る歌一首)

物乃部能 八十氏河乃 阿白木尓 不知代經浪乃 去邊白不母

[もののふの やそ] うぢかはの あじろきに いさよふなみの ゆくへしらずも

もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の ゆくへ知らずも 

* 「もののふの八十」 ここまでが「宇治」を起こす序詞。
「宇治」は「氏」、朝廷に関わる氏族、縁語。
* 網代木(あじろき) 川魚を捕るために両岸などに打ち込んだ、仕掛け網代の杭。
* 「いさよふ」は「ためらう。たゆとう」意。
* 「波」はかつて見知った人々や友えの比喩。ものふの屍も暗示するか。
* 「知ら」は、ラ行四段活用動詞「知る」の未然形。
* 「ず」は、打消の助動詞。
* 「も」は、詠嘆の終助詞。 分からないことだ。

宇治川の
網代木に漂う波のように
思う人々の
行く末がわからないことだよ

・・・・・・・・・・・・
川瀬の網代木にいさよい立つ波

親しい人とそして自分自身 
朝廷に仕えていた多くの氏族

そのいさよふ波が
宇治川の流れに乗って消えたように

その行方はわからないことだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


<壬申の乱序曲:翼を着けて野に放たれた虎>
http://www.bell.jp/pancho/travel/jinsin-no-ran/section01.htm#contents

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