ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

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6 924;雑歌,作者:山部赤人、吉野,行幸,宮廷讃美

[題詞](山部宿祢赤人作歌二首[并短歌])反歌二首

三吉野乃 象山際乃 木末尓波 許毛散和口 鳥之聲可聞

み吉野の 象山の際の 木末には ここだも騒く 鳥の声かも 

みよしのの きさやまのまの こぬれには ここだもさわく とりのこゑかも

み吉野の象山の
山のあい間の梢には
こんなにも数多く鳥がいて
鳴き声の騒がしいことだなあ

* 「際の」は、谷間の。
* 「ここだ」数多く。

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6 925;雑歌,作者:山部赤人、吉野,行幸,宮廷讃美,叙景

[題詞]((山部宿祢赤人作歌二首[并短歌])反歌二首)

烏玉之 夜之深去者 久木生留 清河原尓 知鳥數鳴

ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く 

[ぬばたまの] よのふけゆけば ひさぎおふる きよきかはらに ちどりしばなく

夜が更けてゆくにつれ
久木の生える清らかな川原で
千鳥がしきりに鳴いている

* 「ぬばたまの」【射干玉の】(枕詞)
「黒」にかかる。
「黒」に関係深いものとして,「夜」「夕」「こよひ」「昨夜(きそ)」「髪」にかかる。
「夜」「(黒)髪」に関係深いものとして,「夢」「月」「妹」にかかる。
* 枕詞は、具体的な事物を表わさない。「ぬばたま」は、「ヒオウギの実」という意味ではない。
* 「ぬばたまの」でいったん切って、あとにかかる言葉との意味の連続性はないことを示し、それから「夜の更けゆけば」と詠ってゆく。
絶望や喪失感、心細く、わけがわからなくなってゆく感慨を表した、感慨の表出が枕詞になった。(出典・HIROMITI)http://d.hatena.ne.jp/HIROMITI/20130712

・・・・・・・・・・
山−春の花−しくしく(重々)
川−秋の霧−絶ゆることなく
そして反歌二首はそれぞれ山・川を詠む。

【主な派生歌】

ひさぎおふる 小野の浅茅に おく霜の しろきをみれば 夜やふけぬらむ
(藤原基俊)
夜ぐたちに 千鳥しば鳴く 楸生ふる 清き川原に 風や吹くらむ
(藤原顕季)
ひさぎおふる あその川原の  川おろしに  たぐふ千鳥の  声のさやけさ
(藤原清輔)
ひさぎおふる  佐保の河原に たつ千鳥 空さへ清き 月になくなり
 (藤原家隆)
風さむみ 夜のふけゆけば 妹が島 かたみの浦に 千鳥鳴くなり 
 (実朝[新勅撰])
うちなびき 春さりくれば 楸おふる 片山かげに 鶯ぞ鳴く
 (実朝[玉葉])
楸おふる かげをやおのが 友ちどり 月の氷も 清き川原に 
 (後柏原院)

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