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4 756;相聞,作者:大伴田村大嬢,坂上大嬢、贈答 [題詞]大伴田村家之大嬢贈妹坂上大嬢歌四首<大伴の田村家(たむらのいへ)の大嬢(おほをとめ/おほいらつめ)の妹(いろと)坂上大嬢に贈れる歌四首> 外居而 戀者苦 吾妹子乎 次相見六 事計為与 よそにゐて こふればくるし わぎもこを つぎてあひみむ ことはかりせよ [左注](右田村大嬢坂上大嬢並是右大辨大伴宿奈麻呂卿之女也 卿居田村里号曰田村大嬢 但妹坂上<大>嬢者母居坂上里 仍曰坂上大嬢 于時姉妹諮問以歌贈答)<右は、田村大嬢(たむらのおほをとめ)と坂上大嬢と、並(ならび)にこれ右大弁宿奈麿卿(うだいべんすくなまろのまへつきみ)の女(むすめ)なり。卿は田村の里に居(す)み、号(な)を田村大嬢と曰(い)へり。ただ、妹の坂上大嬢は、母、坂上の里に居む。仍(よ)りて坂上大嬢と曰へり。時に姉妹諮問(とぶら)ふに、歌を以(も)ちて贈答す。> 大伴宿奈麻呂は田村大嬢共に田村の地に暮らしていたとみられる。
坂上大嬢は坂上郎女の娘で母親が坂上の地に住んでいたことからこう呼ばれており、この時期もまだ母の実家に住んでいたのだろう。
(この時代は嬬問い婚の夫婦別居暮らしが普通。)坂上郎女は田村大嬢の母が亡くなった後に宿奈麿と婚姻したものと思われている。 年齢も離れた愛しい異母姉妹だった。 外ながら恋しく思うのはつらい事です
いつも逢えるように計画してくださいな * 「継ぎ・て」 つ・ぐ 【継ぐ・続ぐ】他動詞ガ行四段活用 絶えないようにする。続ける。保ち続ける。 * 「て」 [接続助詞] [補足(状態)] 〜のさまで・〜の状態で 連用形につく。
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4 757;相聞,作者:大伴田村大嬢,坂上大嬢、贈答 [題詞](大伴田村家之大嬢贈妹坂上大嬢歌四首) 大伴の田村家の大嬢(おほいらつめ)、妹の坂上大嬢に贈った歌 遠有者 和備而毛有乎 里近 有常聞乍 不見之為便奈沙 とほくあらば わびてもあらむを さとちかく ありとききつつ みぬがすべなさ [左注](右田村大嬢坂上大嬢並是右大辨大伴宿奈麻呂卿之女也 卿居田村里号曰田村大嬢 但妹坂上<大>嬢者母居坂上里 仍曰坂上大嬢 于時姉妹諮問以歌贈答) 遠くにいたら辛くても過ごすでしょうが
里近くにいると聞きながら会えないなんて どうにもしようもなく寂しいことです * 「すべなさ」どうにもしようがないことだ。
すべ−も−すべなさ、「すべなし」を強めたもの。 「さ」形容詞の名詞変換。愛しさ、楽しさ、 なすべき方法がない。どうしたらよいかわからない。つらい。苦しい。 |
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4 758;相聞,作者:大伴田村大嬢,坂上大嬢、贈答 [題詞](大伴田村家之大嬢贈妹坂上大嬢歌四首) 大伴の田村家の大嬢(おほいらつめ)、妹の坂上大嬢に贈った歌 白雲之 多奈引山之 高々二 吾念妹乎 将見因毛我母 しらくもの たなびくやまの たかだかに あがおもふいもを みむよしもがも [左注](右田村大嬢坂上大嬢並是右大辨大伴宿奈麻呂卿之女也 卿居田村里号曰田村大嬢 但妹坂上<大>嬢者母居坂上里 仍曰坂上大嬢 于時姉妹諮問以歌贈答) 白雲たなびく高い山をのぞむように
あなたとお逢いすることを待ち望んでいます 何か手立てはないものでしょうか * 「高々に」は、待ち望む意。「たなびくやまの」「高さ」と。
* 「もが」 願望の終助詞。 「〜がほしい」「〜でありたい」という願望をあらわす。奈良時代以前に用いられた。 「もがも」助詞「もが」に詠嘆の助詞「も」が付いたもの。平安時代には「もがな」に転じた。 (方法)があればいいのに。 |
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4 759;相聞,作者:田村大嬢,大伴坂上大嬢、贈答 [題詞](大伴田村家之大嬢贈妹坂上大嬢歌四首) 大伴の田村家の大嬢(おほいらつめ・おほおとめ)、妹の坂上大嬢に贈った歌 何 時尓加妹乎 牟具良布能 穢屋戸尓 入将座 いかならむ ときにかいもを むぐらふの きたなきやどに いりいませてむ [左注]右田村大嬢坂上大嬢並是右大辨大伴宿奈麻呂卿之女也 卿居田村里号曰田村大嬢 但妹坂上<大>嬢者母居坂上里 仍曰坂上大嬢 于時姉妹諮問以歌贈答 いつの日にあなたは来るのでしょう
雑草の茂るむさくるしい私の家に * て・む 連語 完了(確述)の助動詞「つ」の未然形+推量の助動詞「む」 …てしまおう。▽強い意志を表す。 きっと…だろう。きっと…にちがいない。▽推量を強調する。 …できるだろう。▽実現の可能性を推量する。 …してしまうのがよい。…してしまうべきだ。▽適当・当然の意を強調する。 * 「葎生」雑草の葎が生い茂った自分の家を謙遜して言っている。
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