ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

◎【万葉集再掲載】

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6 1041;雑歌,安倍虫麻呂,宴席,京都,久邇京,天平16年1月5日

[題詞]十六年甲申春正月五日諸卿大夫集安倍蟲麻呂朝臣家宴歌一首 [作者不審]

吾屋戸乃 君松樹尓 零雪<乃> 行者不去 待西将待

我がやどの 君松の木に 降る雪の 行きには行かじ 待にし待たむ 

わがやどの きみまつのきに ふるゆきの ゆきにはゆかじ まちにしまたむ

私の家の松に雪が降っている

その松の木に降る雪のように

出迎えに行き(雪)はいたしません

ひたすら待つ(松)ことにしましょう

* 【生きもの歳時記 万葉の生きものたち】https://www.bioweather.net/column/ikimono/manyo/m0612_2.htm

* 「待つ」を「松」に、「雪」を「行き」に掛けている。


【心に残る名言、和歌・俳句鑑賞】さん。
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15/40853146.html?vitality
19 4229;作者:大伴家持、天平勝宝3年1月2日、寿歌,予祝,宴席,高岡

[題詞]天平勝寶三年


新  年之初者  弥年尓  雪踏平之  常如此尓毛我

新しき 年の初めは いや年に 雪踏み平し 常かくにもが 

あらたしき としのはじめは いやとしに ゆきふみならし つねかくにもが

[左注]右一首歌者 正月二日守舘集宴 於時零雪殊多積有四尺焉 即主人大伴宿祢家持作此歌也
(右の一首の歌は、正月二日に、守の館に集ひて宴せり。
 時に降る雪殊に多く、積もること四尺有り。
 即ち主人大伴宿禰家持此の歌を作る)

新年のはじめには

めでたき新雪を踏みならして

毎年こうして賑やかに宴を催したいものだ

* 「あらたし(新し)」は本来、新しいの意。
  「あたらし」はすぐれたもの・立派なものが過ぎ去ったり、失われかけたりすることに対する愛惜の感じを表した。
* 「いや年」=弥年。毎年。年毎に。
* 「雪踏み平(なら)し」は、雪を踏みつけて平らにして。多くの人が訪れることをいう。
* 「もが」も−が終助詞
《接続》体言、形容詞・助動詞の連用形、副詞、助詞などに付く。
〔願望〕…があったらなあ。…があればなあ。





【心に残る名言、和歌・俳句鑑賞】さんのブログ
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15
15 3660遣新羅使,福岡,望郷,枕詞,作者:土師稲足,恋

[題詞](海邊望月作九首)

可牟佐夫流 安良都能左伎尓 与須流奈美 麻奈久也伊毛尓 故非和多里奈牟

神さぶる 荒津の崎に 寄する波 間なくや妹に 恋ひわたりなむ 

[かむさぶる] あらつのさきに よするなみ] まなくやいもに こひわたりなむ
・・・・・・・・・・・・
神々しい荒津の崎に

絶え間なく寄せる波のように

妻を想うわが心に寄せる情けの波 

私は貴女にかけがえのない

恋をしています
・・・・・・・・・・・・
* かみ−さ・ぶ 【神さぶ】
自動詞バ行上二段活用活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ}
神々(こうごう)しくなる。荘厳に見える。
 古めかしくなる。古びる。  年を取る。 

神らしく振る舞う。神として行動する。

* 荒津の崎=博多湾のあたり。
* あひだ−な・し 【間無し】
あひだ−な・し 【間無し】途切れない。絶え間がない。
ま−な・し 【間無し】形容詞ク活用活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
すき間がない。
* 「や」
〔疑問〕…か。
〔問いかけ〕…か。
〔反語〕…(だろう)か、いや、…ない。

* 「わた・る」 【渡る】
[一]自動詞ラ行四段活用{ら/り/る/る/れ/れ}
越える。渡る。
移動する。移る。
行く。来る。通り過ぎる。
(年月が)過ぎる。経過する。(年月を)過ごす。(年月を)送る。暮らす。 
* 「なむ」は、完了の助動詞「ぬ」の未然形に、推量の助動詞「む」のついたもの。推量・意思・希望・当然・適当・勧誘・湾曲名命令・仮定など辞書に示されている。

 

《心に残る名言、和歌・俳句鑑賞》さんのブログ
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15/40848174.html?vitality
3 288;雑歌,作者:穂積老,羈旅,予祝,大津

[題詞]穂積朝臣老歌一首(穂積朝臣老の歌一首)

吾命之  真幸有者  亦毛将見  志賀乃大津尓  縁流白波

吾が命し ま幸くあらば またも見む 志賀の大津に 寄する白波 

わがいのちし まさきくあらば またもみむ しがのおほつに よするしらなみ

・・・・・・・・
私が幸にも生き長らえるなら
また繰り返し見よう
志賀の大津に寄せる
この白波を
・・・・・・・・

* 「穂積朝臣老」穂積老 - Wikipedia
大宝3年(703年)に山陽道巡察使を務める(このときの位階は正八位上)。
和銅2年(709年)従六位下から四階昇進して従五位下に叙爵。
和銅3年(710年)正月の元明天皇の朝賀に際して、左将軍・大伴旅人のもと副将軍として、騎兵・隼人・蝦夷らを率いて朱雀大路を行進した。
養老2年(718年)正五位上・式部大輔と、元明朝から元正朝前半にかけて順調に昇進した。
養老6年(722年)に元正天皇を非難し不敬罪を問われ斬刑となるところを、皇太子・首皇子(のち聖武天皇)の奏上で減刑されて佐渡島への流罪となり失脚した。
天平12年(740年)に聖武天皇が発した大赦により赦免されて入京を許され、のち本位(正五位上)に復して大蔵大輔に任ぜられる。
天平勝宝元年(749年)8月26日卒去。最終官位は大蔵大輔正五位上。
* 「し」副助詞
《接続》体言、活用語の連用形・連体形、副詞、助詞などに付く。〔強意〕
* 「し」は強調の副助詞。
* 「真幸く」は副詞。「無事に」の意。
* 「あら」は、ラ行変格活用動詞「あり」の未然形。
* 「ば」は、仮定条件の接続助詞。 あったとしたなら。
* 「また」は、副詞。ふたたび。
* 「も」は係助詞。
* 「見」は、マ行上一段活用動詞「見る」の未然形。
* 「む」は、意志の助動詞。



【心に残る名言、和歌・俳句鑑賞】さん。
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15
20 4293 天平勝宝5年5月,作者:元正天皇,伝誦,山田土麻呂,古歌,行幸,奈良,神仙,枕詞,大伴家持,藤原仲麻呂

[題詞]幸行於山村之時歌二首 / 先太上天皇詔陪従王臣曰夫諸王卿等宣賦和歌而奏即御口号曰

<山村(やまむら)に幸行(いでま)す時の歌二首。
 先(さきの)太上天皇(おほきすめらみこと)、陪従(べいじゅ)の王臣(わうしん)に詔(みことのり)して曰(のりたま)はく、「それ諸王卿等(しょわうきゃうら)、よろしく和(こた)ふる歌を賦(ふ)して奏(まを)すべし」とのりたまふ。すなはち口号(くちずさ)びて曰(のり)はく>


安之比奇能 山行之可婆 山人乃 和礼尓依志米之 夜麻都刀曽許礼

あしひきの 山行きしかば 山人の 吾れに得しめし 山づとぞこれ 

[あしひきの] やまゆきしかば やまびとの われにえしめし やまづとぞこれ

・・・・・・・・・・・
朕が山に行ったところ
山の仙人が土産をくれた
これがその土産である
・・・・・・・・・・・
* 【あしひきの】https://art-tags.net/manyo/makura/asihiki.html
* 【山人】https://kobun.weblio.jp/content/%E5%B1%B1%E4%BA%BA
* 「しむ」  使役・尊敬 上にくる語の活用形 未然形。使役をあらわす。〜させる



4294 天平勝宝5年5月,作者:舎人親王,伝誦,古歌,山田土麻呂,行幸,枕詞,奈良,神仙,大伴家持,藤原仲麻呂

[題詞](幸行於山村之時歌二首) / 舎人親王應詔奉和歌一首

安之比奇能 山尓由伎家牟 夜麻妣等能 情母之良受 山人夜多礼

あしひきの 山に行きけむ 山人の 心も知らず 山人や誰れ 

[あしひきの] やまにゆきけむ やまびとの こころもしらず やまびとやたれ

・・・・・・・・・・・
山においでになった陛下御自身は仙人でいらっしゃいますから
俗界の私たちに御心の程は分かりません  
目の前におられる御自身は確かに仙人ですから
山の中にいた仙人と云うのは一体何者でしょう
・・・・・・・・・・・


《 のんびりと古代史・記紀いっぱつ》さんのブログ
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