ニキタマの万葉集

当て字の繭玉をほぐそう、枕詞で古代を解明しよう。

万葉集索引第十四巻

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3358 東歌,相聞,静岡県,富士山,恋,民謡,歌垣


[題詞]

佐奴良久波 多麻乃緒婆可里 <古>布良久波 布自能多可祢乃 奈流佐波能其登

さ寝らくは 玉の緒ばかり 恋ふらくは 富士の高嶺の 鳴沢のごと 

さぬらくは たまのをばかり こふらくは ふじのたかねの なるさはのごと
・・・・・・・・・・
二人の共寝はほんのわずかな間だけだが

二人の恋の気持ちは富士の高嶺の大沢崩れのように

激しく鳴り響いている
・・・・・・・・・・
* 「さ」は接頭語 「ぬらく」は寝るに体言をつくる「ク」の接続したもの。
* 「玉の緒ばかり」は、少ないこと、中絶えること。・「魂」の意・「短い」の意。



3358S1 東歌,相聞,静岡県,伊豆,天城山,うわさ,人目,恋,歌垣,民謡

[題詞]或本歌曰

麻可奈思美 奴良久波思家良久 佐奈良久波 伊豆能多可祢能 奈流佐波奈須与

ま愛しみ 寝らくはしけらく さ鳴らくは 伊豆の高嶺の 鳴沢なすよ 

まかなしみ ぬらくはしけらく さならくは いづのたかねの なるさはなすよ
・・・・・・・・・・
いとしく思ってわずかに寝ることは寝たのだが

うわさは伊豆の高嶺の鳴沢のように激しいことだよ
・・・・・・・・・・
* 「ま」は接頭語。名詞・形容詞・形容動詞・副詞などに冠して、称美・強調の意を表す。可愛いので。可愛さに。あんまり可愛くて  
* 「シケラクはなしけること」として「愛するが故にねもしたのだが」。シは為の連用形、ケラクは助動詞ケリのク語法とすれば、「わずかに寝たことは寝た」の意になる。
* 「さ鳴らくは」は、サヌラクハの訛り。前の句のヌラクを繰り返す。「鳴る」=「うわさ・評判」と掛ける。
* 「鳴沢」は水音高く流れる渓流。



3358S2 東歌,相聞,静岡県,富士山,恋,歌垣,民謡

[題詞]一本歌曰

阿敝良久波 多麻能乎思家也 古布良久波 布自乃多可祢尓 布流由伎奈須毛

逢へらくは 玉の緒しけや 恋ふらくは 富士の高嶺に 降る雪なすも 

あへらくは たまのをしけや こふらくは ふじのたかねに ふるゆきなすも
・・・・・・・・・・
二人が会ったのはわずかな時間

二人の恋は富士の頂に降る吹雪のように激しく

積もり積もって絶えることはないよ
・・・・・・・・・・
* 「逢へらくは」 逢ったことは。「逢へ」(四段・已然形)
  「ら」(完了「り」の未然形)
  「く」(準体助詞)逢ふのク語法。
* 「しけや」は、「及け」は「及ぶ」の意の四段「及く」(如く)の已然形。



3359 東歌,相聞,静岡県,駿河湾,恋情,異伝,歌垣,民謡

[題詞]

駿河能宇美 於思敝尓於布流 波麻都豆良 伊麻思乎多能美 波播尓多我比奴 [一云 於夜尓多我比奴]

駿河の海 おし辺に生ふる 浜つづら 汝を頼み 母に違ひぬ [一云 親に違ひぬ] 

するがのうみ おしへにおふる はまつづら いましをたのみ ははにたがひぬ [おやにたがひぬ]
・・・・・・・・・・
駿河の海の磯辺に浜蔓草の生え伸びるように

私はあなたを頼みにし続けて

母とも仲違いしてしまいました
・・・・・・・・・・
* 「つづら」は「蔓(つる)」の意



3360 東歌,相聞,静岡県,伊豆,女歌,恋,序詞

[題詞]

伊豆乃宇美尓 多都思良奈美能 安里都追毛 都藝奈牟毛能乎 <美>太礼志米梅楊

伊豆の海に 立つ白波の ありつつも 継ぎなむものを 乱れしめめや 

いづのうみに たつしらなみの ありつつも つぎなむものを みだれしめめや
・・・・・・・・・・
伊豆の海に立つ白波のように

このまま恋を続けたいのものを

どうして乱れさせましょうか

決して乱れさせはしません
・・・・・・・・・・


3360S 東歌,相聞,静岡県,異伝,女歌,恋,序詞

[題詞]或本歌曰

之良久毛能 多延都追母 都我牟等母倍也 美太礼曽米家武

白雲の 絶えつつも 継がむと思へや 乱れそめけむ 

[しらくもの たえつつも つがむともへや] みだれそめけむ
・・・・・・・・・・
白雲が 絶えつつさまようように

このまま恋を続けたいと思ったかなあ

乱れ白雲よ
・・・・・・・・・・
* 「乱れ初(そ)め」・「乱れ染(そ)め」
* 「けむ」[助動][(けま)|○|けむ(けん)|けむ(けん)|けめ|○]過去の助動詞「き」の未然形の古形「け」+推量の助動詞「む」から活用語の連用形に付く。 過去の事実についての推量を表す。…ただろう。



サ3361 東歌,相聞,神奈川県,足柄,序詞,恋,狩猟,民謡

[題詞]

安思我良能 乎弖毛許乃母尓 佐須和奈乃 可奈流麻之豆美 許呂安礼比毛等久

足柄の をてもこのもに さすわなの かなるましづみ 子ろ吾れ紐解く 

[あしがらの をてもこのもに さすわなの」 かなるましづみ ころあれひもとく
・・・・・・・・・・
足柄山の四方八方にさしめぐる

張った罠の鳴り縄が響けば

その間に紛れて娘と

いっそう深い思いで紐を解き交わすのさ
・・・・・・・・・・
* 狩猟の収穫を祝う宴会の歌
* 乎弖毛許乃母尓ー彼方此方尓ーをてもこのもにー四方八方に。
* 佐須和奈乃ーさすわなのー刺す罠のー張った罠縄が(二人のうわさの見張り)。 騒がしい中(相手を見据えた情熱的な愛の感情)が鳴り響く。
* 可奈流麻之豆美ーか鳴る間しづみー上代東国方言ー「か鳴る間」は、人が音を立て騒いでいる間のこと。「しづみ」は、こっそりと・忍び動く。
* 許呂安礼比毛等久ー二人はその間にこっそり着物の紐を解いている。



3362 東歌,相聞,神奈川県,丹沢,別離,恋,異伝

[題詞]

相模祢乃 乎美祢見<可>久思 和須礼久流 伊毛我名欲妣弖 吾乎祢之奈久奈

相模嶺の 小峰見そくし 忘れ来る 妹が名呼びて 吾を音し泣くな 

さがむねの をみねみそくし わすれくる いもがなよびて あをねしなくな
・・・・・・・・・・
相模峰の小さな尾根を見ないようにして里を発った

忘れるに忘れられない妻の名を叫んでしまい

私は号泣した
・・・・・・・・・・


3362S 東歌,相聞,神奈川県,異伝,別離,恋

[題詞]或本歌曰

武蔵祢能 乎美祢見可久思 和須礼<遊>久 伎美我名可氣弖 安乎祢思奈久流

武蔵嶺の 小峰見隠し 忘れ行く 君が名懸けて 吾を音し泣くる 

むざしねの をみねみかくし わすれゆく きみがなかけて あをねしなくる
・・・・・・・・・・
武蔵峰の小さな尾根を

見て見ぬふりをしつつ里を発った

忘れてゆきそうになる

妻の名を叫んでしまい

私は号泣した
・・・・・・・・・・


3363 東歌,相聞,神奈川県,女歌,悲別,足柄,掛詞


[題詞]

和我世古乎 夜麻登敝夜利弖 麻都之太須 安思我良夜麻乃 須疑乃木能末可

吾が背子を 大和へ遣りて 待つしだす 足柄山の 杉の木の間か 

わがせこを やまとへやりて まつしだす あしがらやまの すぎのこのまか
・・・・・・・・・・
夫を大和へ旅立たせて

わたしはまつの

その松の木ならぬ

足柄山の杉の木の間で
・・・・・・・・・・
* 杉の植林で働く人達の労働歌




3364 東歌,相聞,神奈川県,箱根,足柄,掛詞,恋情,農事,民謡,異伝

[題詞]

安思我良能 波○祢乃夜麻尓 安波麻吉弖 實登波奈礼留乎 阿波奈久毛安夜思

足柄の 箱根の山に 粟蒔きて 実とはなれるを 粟無くもあやし 

あしがらの はこねのやまに あはまきて みとはなれるを あはなくもあやし
・・・・・・・・・・
足柄の箱根の山に粟を蒔いて実がなったのに

粟わないなんて

二人は結ばれたのに逢わないなんて

どうして どうしてなのよ
・・・・・・・・・・
* 収穫祭の宴会歌。



3364S 東歌,相聞,神奈川県,異伝,序詞,恋,民謡

[題詞]或本歌末句曰

波布久受能 比可波与利己祢 思多奈保那保尓

延ふ葛の 引かば寄り来ね 下なほなほに 

はふくずの ひかばよりこね したなほなほに
・・・・・・・・・・
延ふ葛は 引いたら素直に寄っといで
・・・・・・・・・・


3365 東歌,相聞,神奈川県,鎌倉,稲村が崎,序詞,恋

[題詞]

可麻久良乃 美胡之能佐吉能 伊波久叡乃 伎美我久由倍伎 己許呂波母多自

鎌倉の 見越しの崎の 岩崩えの 君が悔ゆべき 心は持たじ 

[かまくらの みごしのさきの いはくえの] きみが[くゆ]べき こころはもたじ
・・・・・・・・・・
鎌倉の見越しの崎の崩れ岩のような

あなたが後悔されるような

そんな心を私は持っていません
・・・・・・・・・・

3366 東歌,相聞,神奈川県,鎌倉,稲背川,恋

[題詞]

麻可奈思美 佐祢尓和波由久 可麻久良能 美奈能瀬河泊尓 思保美都奈武賀

ま愛しみ さ寝に吾は行く 鎌倉の 水無瀬川に 潮満つなむか 

まかなしみ さねにわはゆく かまくらの みなのせがはに しほみつなむか
・・・・・・・・・・
ほんとうに恋しくてしょうがないから

あの娘を抱きしめて寝に行く

鎌倉の水無の瀬川に潮が満ちて

渡りにくくなっていなければいいがなあ
・・・・・・・・・・
* 「まかなし」(形シク);「ま」接頭語。ほんとうにかわいい、いじらしい。
* 「み」・・なので。
* 「さ寝」の「さ」は接頭語。「寝」は、共寝。
* 「潮満つなむか」は、「潮満つらむか」の訛り。
* 「らむ」は、完了の助動詞「り」の未然形に、推量の助動詞「む」のついたもの。・・・ているであろう。
* 「か」は、詠嘆か自問自答の反語的表現。



サ3367 東歌,相聞,神奈川県,足柄,女歌,恋,皮肉,揶揄,民謡

[題詞]

母毛豆思麻 安之我良乎夫祢 安流吉於保美 目許曽可流良米 己許呂波毛倍杼

百づ島 足柄小舟 歩き多み 目こそ離るらめ 心は思へど 

[ももづしま あしがらをぶね] あるきおほみ めこそかるらめ こころはもへど
・・・・・・・・・・
思い人があちこちの人と楽しんでいる

もう姿を追うのはよそう

心には残るけれど
・・・・・・・・・・
* 「か・る」【離る】[動ラ下二]「枯れる」と同語源。  空間的に遠くなる。はなれる。
* 「足柄小舟」:足柄山の杉材で作った舟。舟足の軽さが貴ばれた。
* 「足柄山の舟木の歌3首」労働歌で足柄峠の歌垣では全員で合唱されたという。

鳥総(とぶさ)立て 足柄山に 舟木伐り 樹に伐り行きつ あたら舟材(ふなぎ)を
<「と‐ぶさ」【鳥総】木のこずえや、枝葉の茂った先の部分。昔、木を切ったあとに、山神を祭るためにその株などにこれを立て、切り株に塩と酒を供え、梢枝を真ん中に立てる風習。せっかく占有の印を付けた恋人を、他の人に取られてしまったと歌っている。>

百(もも)つ島 足柄小舟 歩き多み 目こそ離るらめ 心は思えど
< 「百つ島」は舟に掛り、思い人があちこちの人と楽しんでいる。片思いの歌。>

足柄の (安伎奈の山の) 引こ舟の 後(しり)引かしもよ ここば来がたに
< 「安伎奈の山」は未詳。
舟に綱つけて引くように、あなたにも綱をつけておきたいという意。>


3368 東歌,相聞,神奈川県,湯河原町,恋情,序詞

[題詞]

阿之我利能 刀比能可布知尓 伊豆流湯能 余尓母多欲良尓 故呂河伊波奈久尓

あしがりの 土肥の河内に 出づる湯の よにもたよらに 子ろが言はなくに 

[あしがりの とひのかふちに いづるゆの] よにもたよらに ころがいはなくに
・・・・・・・・・・・
足柄山の麓土肥の河原に湧き出る温泉のように

二人の仲が絶えることはないと

あの娘は言ってはくれない
・・・・・・・・・・・
* 「よにもたよらに」は、温湯の湧き続ける様を、絶えることのない二人の仲と譬喩的に表現。



3369 東歌,相聞,神奈川県,足柄,民謡,宴会,口説き,恋

[題詞]

阿之我利乃 麻萬能古須氣乃 須我麻久良 安是加麻可左武 許呂勢多麻久良

あしがりの 麻万の小菅の 菅枕 あぜかまかさむ 子ろせ手枕 

[あしがりの ままのこすげの すがまくら] あぜかまかさむ ころせたまくら
・・・・・・・・・・・
足柄の麻方の小菅を束ねたような質素な菅枕をしなくても 

わたしの手枕のほうがいいですよ   娘さん
・・・・・・・・・・



3370 東歌,相聞,神奈川県,箱根,序詞,恋,恨

[題詞]

安思我里乃 波故祢能祢呂乃 尓古具佐能 波奈都豆麻奈礼也 比母登可受祢牟

あしがりの 箱根の嶺ろの にこ草の 花つ妻なれや 紐解かず寝む 

[あしがりの はこねのねろの にこぐさの] はなつつまなれや ひもとかずねむ
・・・・・・・・・・・
足柄の箱根の嶺に生えている若草が

花だけで実がならないように

あなたは「花つ妻」なのか

神祭りの「障りの妻」なのか

それなら紐を解かないで寝るしかない

そんなはずはないと思いつつ
・・・・・・・・・・・
* 「花つ妻」は実際に寝ない妻の意。



3371 東歌,相聞,神奈川県,足柄,恋,うわさ、防人

[題詞]

安思我良乃 美佐可加思古美 久毛利欲能 阿我志多婆倍乎 許知弖都流可<毛>

足柄の み坂畏み 曇り夜の 吾が下ばへを こち出つるかも 

あしがらの みさかかしこみ [くもりよの] あがしたばへを こちでつるかも
・・・・・・・・・・・
足柄のうっそうとした峠は恐ろしい

なにも隠し事はできない

曇り夜のような

朧げに秘めていた恋人の名まで

つい口に出してしまったことよ
・・・・・・・・・・・



3372 東歌,相聞,神奈川県,大磯,序詞,恋

[題詞]

相模治乃 余呂伎能波麻乃 麻奈胡奈須 兒良波可奈之久 於毛波流留可毛

相模道の 余綾の浜の 真砂なす 子らは愛しく 思はるるかも 

[さがむぢの よろぎのはまの まなごなす] こらはかなしく おもはるるかも
・・・・・・・・・・・
相模路の余綾の浜の真砂のように

美わしいあの娘は心切なく愛しいことよ
・・・・・・・・・・・



3373 東歌,相聞,埼玉県,東京都,多摩川,のろけ、作業歌


[題詞]

多麻河泊尓 左良須弖豆久利 佐良左良尓 奈仁曽許能兒乃 己許太可奈之伎

多摩川に さらす手作り さらさらに なにぞこの子の ここだ愛しき 

[たまかはに さらすてづくり] さらさらに なにぞこのこの ここだかなしき
・・・・・・・・・・・
多摩川の川面に流す手織り布

さらさら流して仕上げる手織り布

どうしてこの子がこんなにも 

抱くたびに愛しくてたまらないと

この娘がかわいくてたまらないと

いい人にいわれたよ いわれたよ

さらにさらに さらにさらに
・・・・・・・・・・・
* 多摩川河畔では手織りの麻布を朝廷に調(税)として献上した。今も調布の地名を残す。  
///////////
【名歌鑑賞】さん。
https://blogs.yahoo.co.jp/sakuramitih15/40396732.html?vitality
多摩川に晒(さら)す手作りの布のように、さらにさらに、どうしてこの子がこんなにもいとしくてならないのだろう。
川に布を晒すのは、柔らかく美しくするためです。
多摩川流域は麻の栽培が盛んであった。
律令時代に税の一つに「調」があり、麻布が収められていた。東京の「調布」や「麻布」の地名はその名残りです。
注・ 手作り=手織りの布。
  さらす=水に晒して布地を美しくする。
  さらさらに=「さらにさらに」を掛ける。
  ここだ=量の多いこと。はなはだしいこと。



サ3374 東歌,相聞,埼玉県,東京都,女歌,うわさ,人目,恋

[題詞]

武蔵野尓 宇良敝可多也伎 麻左弖尓毛 乃良奴伎美我名 宇良尓R尓家里

武蔵野に 占部肩焼き まさでにも 告らぬ君が名 占に出にけり 

[むざしのに うらへかたやき まさでにも] のらぬきみがな うらにでにけり
・・・・・・・・・・・
武蔵野の占部神祇官に

鹿の肩焼で占ってもらった

まさしくそこに

私に名を告げなかったあなたの名が

真実 現れたわ
・・・・・・・・・・・
* 「まさで‐に」【正でに】[副]「で」は状態・方法の意の「て(手)」。本当に。真実に。
* 占部は、神祇官に属し、占いを司った者。また、その職。
* 「かた‐やき」〔名〕上代の占いの一つ太占(ふとまに)のこと。鹿の肩骨に溝を彫り、火にあてて、そのひび割れの形で吉凶を占う。亀卜(きぼく)も同様。
* 男が心を許さないために実名を告げずに男女の関係を持つと、名のりを拒否されたその女の一族に恥をかかせた恨みをかう。




3375 東歌,相聞,埼玉県,東京都,序詞,女歌,悲別,恋

[題詞]

武蔵野乃 乎具奇我吉藝志 多知和可礼 伊尓之与比欲利 世呂尓安波奈布与

武蔵野の をぐきが雉 立ち別れ 去にし宵より 背ろに逢はなふよ 

[むざしのの をぐきがきぎし たちわかれ] いにしよひより せろにあはなふよ
・・・・・・・・・・・
武蔵野の穴にすむ雉のように

あわただしく飛び立って

立ち別れたあの宵

あれっきり

あの人に逢えなくてせつないよ
・・・・・・・・・・・
* 「をぐき」は雉が住む洞。



3376 東歌,相聞,埼玉県,東京都,うわさ,人目,恋,女歌

[題詞]

古非思家波 素弖毛布良武乎 牟射志野乃 宇家良我波奈乃 伊呂尓豆奈由米

恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出なゆめ 

こひしけば そでもふらむを むざしのの うけらがはなの いろにづなゆめ
・・・・・・・・・・・
恋しくなったら私が袖を振るでしょう

でも あなたは

武蔵野に生えるうけらの花のように

私への思いを表面に出してはいけませんよ 
・・・・・・・・・・・
* 「うけらの花」は、今は「オケラ」。屠蘇にも入っている薬草。秋に花をつける。



3376S 東歌,相聞,埼玉県,東京都,異伝,恋,序詞

[題詞]或本歌曰

伊可尓思弖 古非波可伊毛尓 武蔵野乃 宇家良我波奈乃 伊呂尓R受安良牟

いかにして 恋ひばか妹に 武蔵野の うけらが花の 色に出ずあらむ 

[いかにして こひばかいもに むざしのの] うけらがはなの いろにでずあらむ
・・・・・・・・・・・
どうすれば恋する妻へ思いを

武蔵野のうけらの花のように

表面に出さずにすむのだろうか
・・・・・・・・・・・



3377 東歌,相聞,埼玉県,東京都,女歌,恨,恋,序詞

[題詞]

武蔵野乃 久佐波母呂武吉 可毛可久母 伎美我麻尓末尓 吾者余利尓思乎

武蔵野の 草葉もろ向き かもかくも 君がまにまに 吾は寄りにしを 

[むざしのの くさはもろむき かもかくも] きみがまにまに わはよりにしを
・・・・・・・・・・・
武蔵野の草葉がいっせいにこちらを向くように

とにもかくにもあなたの思うがままに

私は寄り添うのだよ 君に向かって
・・・・・・・・・・・


イメージ 1

3378 東歌,相聞,埼玉県,入間,序詞,恋,民謡,歌垣

[題詞]

伊利麻治能 於保屋我波良能 伊波為都良 比可婆奴流々々 和尓奈多要曽祢

入間道の 於保屋が原の いはゐつら 引かばぬるぬる 吾にな絶えそね 

[いりまぢの おほやがはらの いはゐつら] ひかばぬるぬる わになたえそね
・・・・・・・・・・・
入間路の於保屋が原に生えているいはゐつらが

やさしく引っ張れば

ずるずるとなめらかに切れないように

私との間を絶やさないでくださいね
・・・・・・・・・・・
* 「いはゐつら」は、「滑ひゆ」。スベリヒユ科の一年草。路傍・畑など日当たりのよい所に生える。茎は赤紫色を帯び、下部は地をはう。葉は厚い肉質で長円形、つやがある。夏、黄色の小花を開く。名前は,茹でるとぬめりが出ることに由来する。ということで,食べられる。
 真夏の暑い日差しにも,熱い地面にはいつくばるように広がっている。スベリヒユもポーチュラカの花を小さくしたような黄色い花をつける。
・・・・・・・・
* 「いるま」【入間】埼玉県南部の市。日光への脇道の宿場町として発展。
* 「ぬるぬる」(副詞)は、なめらかなさま。
* 「そ」(終助)は、副詞「な」と呼応し、動詞の連用形(カ変・サ変の場合は未然形)をな〜その間にはさみ、禁止の意を表す。・・するな。・・してくれるな。
* 「ね」は、人に優しく頼む詞で希望の終助詞。話しかける相手に対し「〜してほしい」という希望の意をあらわす。






3379 東歌,相聞,埼玉県,東京都,女歌,序詞

[題詞]

和我世故乎 安杼可母伊波武 牟射志野乃 宇家良我波奈乃 登吉奈伎母能乎

吾が背子を あどかも言はむ 武蔵野の うけらが花の 時なきものを 

[わがせこを あどかもいはむ むざしのの] うけらがはなの ときなきものを
・・・・・・・・・・・
愛しいあの人をどう言い表せばいいのかしら
 
武蔵野のうけらの花の咲くように

何時と限った時ではなくて

いつも思う人ということね
・・・・・・・・・・・
* 「うけら」は、オケラの古名。日当たりのよい山野に自生する。




3380 東歌,相聞,埼玉県,行田,序詞,恋,女歌,民謡

[題詞]

佐吉多萬能 津尓乎流布祢乃 可是乎伊多美 都奈波多由登毛 許登奈多延曽祢

埼玉の 津に居る船の 風をいたみ 綱は絶ゆとも 言な絶えそね 

[さきたまの つにをるふねの かぜをいたみ] つなはたゆとも ことなたえそね
・・・・・・・・・・・
埼玉の船着き場に繋いだ船の

綱が強風に負けて切れてもさ

二人の便りは絶えはしないよ
・・・・・・・・・・・



3381 東歌,相聞,埼玉県,東京都,枕詞,序詞,恋

[題詞]

奈都蘇妣久 宇奈比乎左之弖 等夫登利乃 伊多良武等曽与 阿我之多波倍思

夏麻引く 宇奈比をさして 飛ぶ鳥の 至らむとぞよ 吾が下延へし 

[なつそびく] うなひをさして とぶとりの] いたらむとぞよ あがしたはへし
・・・・・・・・・・・
宇奈比に向かって鳥がいくように

私の心も思いつづけている

あなたに会いにいきたいと
 
じっとじっと慕いつづけましょう
・・・・・・・・・・・




3382 東歌,相聞,千葉県,木更津,恋,悲別

[題詞]

宇麻具多能 祢呂乃佐左葉能 都由思母能 奴礼弖和伎奈婆 汝者故布婆曽毛

馬来田の 嶺ろの笹葉の 露霜の 濡れて吾来なば 汝は恋ふばぞも 

[うまぐたの ねろのささはの つゆしもの] ぬれてわきなば なはこふばぞも
・・・・・・・・・・・
うまぐたの嶺の笹葉が露霜に濡れているように

長旅を露か涙か濡れながら

やっとここまでやってきたよ

おまえを恋い焦がれて

郷里に残したおまえに惹かれつつ
・・・・・・・・・・・
* 「ぞ‐も」係助詞「ぞ」+係助詞「も」。古くは「そも」とも。 文中にあって、その付く語を感動を込めて強く示す意を表す。



3383 東歌,相聞,千葉県,木更津,恋,望郷

[題詞]

宇麻具多能 祢呂尓可久里為 可久太尓毛 久尓乃登保可婆 奈我目保里勢牟

馬来田の 嶺ろに隠り居 かくだにも 国の遠かば 汝が目欲りせむ 

うまぐたの ねろにかくりゐ かくだにも くにのとほかば ながめほりせむ
・・・・・・・・・・・
馬来田の峰にふるさとが隠れたら

こんなにも遠くに感じるものか

おまえに会いたくてたまらない
・・・・・・・・・・・


3384 東歌,相聞,千葉県,伝説,恋,民謡

[題詞]

可都思加能 麻末能手兒奈乎 麻許登可聞 和礼尓余須等布 麻末乃弖胡奈乎

葛飾の 真間の手児名を まことかも 吾れに寄すとふ 真間の手児名を 

かづしかの ままのてごなを まことかも われによすとふ ままのてごなを
・・・・・・・・・・・
葛飾の真間の手児奈が

気があるなんて冗談だろう

私に心を寄せているなどと

あの真間の手児奈が
・・・・・・・・・・・



3385 東歌,相聞,千葉県,葛飾,伝説,市川

[題詞]

可豆思賀能 麻萬能手兒奈我 安里之<可婆> 麻末乃於須比尓 奈美毛登杼呂尓

葛飾の 真間の手児名が ありしかば 真間のおすひに 波もとどろに 

かづしかの ままのてごなが ありしかば ままのおすひに なみもとどろに
・・・・・・・・・・・
葛飾の真間の手児名がさ 

そんな可愛い子が今いたならば

真間の磯辺の波が轟くように

男たちが通って来ることだろう
・・・・・・・・・・・
* 「おす‐ひ」【磯辺】「いそべ」の上代東国方言。おしへ。



3386 東歌,相聞,千葉県,葛飾,新嘗,祭り,恋,女歌

[題詞]

尓保杼里能 可豆思加和世乎 尓倍須登毛 曽能可奈之伎乎 刀尓多弖米也母

にほ鳥の 葛飾早稲を にへすとも その愛しきを 外に立てめやも 

[にほどりの] かづしかわせを にへすとも そのかなしきを とにたてめやも
・・・・・・・・・・・
カイツブリのごとく交いつぶる葛飾の

早稲の新穂を神にささぐ新嘗の夜だって

あの愛しいお方を 閉め出したりできるものか

閉め出してなるものですか

鳰鳥のごとく 交いつぶりますとも


葛飾の早稲を神に供える新嘗祭の夜は

乙女として心身ともに清浄でなければいけない

とはいえ 恋人がきたら

外に立せたままなんてできるかしら

あの愛しい人を
・・・・・・・・・・・
* 「新嘗」は、新穂を神にささげる神事。処女が執り行い、家族も中に入れない。とはいえ、訪れた恋人を屋内に入れずにはおかないという歌。
* 鳰鳥は「にほ」は、カイツブリ。




3387 東歌,相聞,千葉県,葛飾,市川,恋

[題詞]

安能於登世受 由可牟古馬母我 可豆思加乃 麻末乃都藝波思 夜麻受可欲波牟

足の音せず 行かむ駒もが 葛飾の 真間の継橋 やまず通はむ 

あのおとせず ゆかむこまもが かづしかの ままのつぎはし やまずかよはむ
・・・・・・・・・・・
足音をさせずに走る駒がほしいなあ

そうすれば葛飾の真間の継橋を通って

止むことなく恋人のもとに行くものを
・・・・・・・・・・・
* 「継ぎ橋」は、杭を所々に打ち立て、その上に橋板を継ぎかけた橋。




3388 東歌,相聞,茨城県,筑波山,女歌,歌垣,勧誘,恋

[題詞]

筑波祢乃 祢呂尓可須美為 須宜可提尓 伊伎豆久伎美乎 為祢弖夜良佐祢

筑波嶺の 嶺ろに霞居 過ぎかてに 息づく君を 率寝て遣らさね 

[つくはねの ねろにかすみゐ すぎかてに] いきづくきみを ゐねてやらさね
・・・・・・・・・・・
筑波山の峰の霞が深いので

山道を通りにくそうにしている

生きのよさそうな男だから

連れ帰って霞が晴れまで

お休みなさいと誘って

一緒に寝てから帰ってもらおうかな
・・・・・・・・・・・


3389 東歌,相聞,茨城県,筑波山,苦役別離,恋

[題詞]

伊毛我可度 伊夜等保曽吉奴 都久波夜麻 可久礼奴保刀尓 蘇提婆布利弖奈

妹が門 いや遠そきぬ 筑波山 隠れぬほとに 袖は振りてな 

いもがかど いやとほそきぬ つくはやま かくれぬほとに そではふりてな
・・・・・・・・・・・・
妻の住む家がだんだん遠ざかる

筑波山が見えている間は

袖を振りつづけよう

妻よさらば  幸せであれよ
・・・・・・・・・・・・
* 常陸の国(今の茨城県)。
* 下二段活用(隠れ-隠れ-隠る-隠るる-隠るれ-隠れよ)



3390 東歌,相聞,茨城県,筑波山,序詞,恋,別離

[題詞]

筑波祢尓 可加奈久和之能 祢乃未乎可 奈伎和多里南牟 安布登波奈思尓

筑波嶺に かか鳴く鷲の 音のみをか 泣きわたりなむ 逢ふとはなしに 

[つくはねに かかなくわしの] ねのみをか なきわたりなむ あふとはなしに
・・・・・・・・・・・・
筑波嶺でけたたましく鳴きたてる鷲のように

わたしも泣こう 山々にこだまするように

もうあの人に逢うことができないのだから
・・・・・・・・・・・・
* 「かか鳴く」は、けたたましく鳴く。
* 「のみ」 副助詞。種々の語に付き、そのことだけに限定する意をあらわす。「〜だけ」「〜ばかり」。強調の意ともなる。
「のみ-を」と格助詞の上に付いた古形で、平安時代以降は「を-のみ」格助詞の下に付くようになった。
* 「か」は、多くの場合、詠嘆か自問自答の反語的表現となる。体言または活用語の連体形を承ける。



3391 東歌,相聞,茨城県,筑波山,足尾山,序詞,恋

[題詞]

筑波祢尓 曽我比尓美由流 安之保夜麻 安志可流登我毛 左祢見延奈久尓

筑波嶺に そがひに見ゆる 葦穂山 悪しかるとがも さね見えなくに 

[つくはねに そがひにみゆる あしほやま] あしかるとがも さねみえなくに
・・・・・・・・・・・・
筑波山を振り向けば見える葦穂山よ
 
その名のような悪いところなど

全く見当たらなかったのに
 
二人は別れてしまった
・・・・・・・・・・・・



サ3392 東歌,相聞,茨城県,筑波山,序詞,恋

[題詞]

筑波祢乃 伊波毛等杼呂尓 於都流美豆 代尓毛多由良尓 和我於毛波奈久尓

筑波嶺の 岩もとどろに 落つる水 よにもたゆらに 吾が思はなくに 

[つくはねの いはもとどろに おつるみづ] よにもたゆらに わがおもはなくに
・・・・・・・・・・・・
筑波嶺の

滝壺の岩に轟き落ちる水のように

高鳴るあなたを思う気持ちは

決して変わりはしないものを

(貴方の便りがなくてわたしは砕けそう)
・・・・・・・・・・・・
* 「筑波嶺」は筑波山の古名。
* 「の」は、主格・修飾格の格助詞 
* 「とどろ」【轟】[副]多く「に」「と」を伴って用いる。音の力強く鳴り響くさまをいう語。
* 「に」は原因を示す格助詞。
* 「おつ」は、高所から落下する。
* 「る」は存続の助動詞「り」の連体形。
* 「代(世)にも」は、あとに打消しの語を伴って、「決して」。
* 「たゆら」たよら。形動ナリ。いいかげんで定まらないさま。気が進まないこと。ゆらり。
* 「に」は、原因を示す格助詞。
* 「吾が思はなくに」私の心が変わったわけではないものを。
* 「なく」は、打消しの助動詞「ず」のク語、法・・ないこと。
* 「に」は、接続助詞。
「なくに」ないのに。ないものを。



3393 東歌,相聞,茨城県,筑波山,女歌,恋

[題詞]

筑波祢乃 乎弖毛許能母尓 毛利敝須恵 波播已毛礼杼母 多麻曽阿比尓家留

筑波嶺の をてもこのもに 守部据ゑ 母い守れども 魂ぞ会ひにける 

つくはねの をてもこのもに もりへすゑ ははいもれども たまぞあひにける
・・・・・・・・・・・・
筑波嶺のあちらこちらに

見張り人をすえて

母はわたしを見張っていたけれど

私たち二人の魂はいつも逢ってしまいましたね
・・・・・・・・・・・・
* 「い」は強調を表す副助詞。



3394 東歌,相聞,茨城県,筑波山,別離,恋

[題詞]

左其呂毛能 乎豆久波祢呂能 夜麻乃佐吉 和須<良>許婆古曽 那乎可家奈波賣

さ衣の 小筑波嶺ろの 山の崎 忘ら来ばこそ 汝を懸けなはめ 

[さごろもの] をづくはねろの やまのさき わすらこばこそ なをかけなはめ
・・・・・・・・・・・・
茜さすさ衣筑波の稜線を

どうして忘れえようか
 
いつも汝が名を口の端に掛けている
・・・・・・・・・・・・



3395 東歌,相聞,茨城県,筑波山,序詞,恋

[題詞]

乎豆久波乃 祢呂尓都久多思 安比太欲波 佐波<太>奈利努乎 萬多祢天武可聞

小筑波の 嶺ろに月立し 間夜は さはだなりぬを また寝てむかも 

をづくはの ねろにつくたし あひだよは さはだなりぬを またねてむかも
・・・・・・・・・・・・
小筑波の峰に月が出て

随分と会えない闇夜が続いたけれど

また二人で寝ることができるね

しばらくお預けだったけど
・・・・・・・・・・・・



3396 東歌,相聞,茨城県,筑波山,恋,別離

[題詞]

乎都久波乃 之氣吉許能麻欲 多都登利能 目由可汝乎見牟 左祢射良奈久尓

小筑波の 茂き木の間よ 立つ鳥の 目ゆか汝を見む さ寝ざらなくに 

をづくはの しげきこのまよ たつとりの めゆかなをみむ さねざらなくに
・・・・・・・・・・・・
筑波山の茂る木の間を

飛び去る鳥のように

おまえは目で見るだけのひと

二人抱き合った仲だったというのに

もう他人のようだ
・・・・・・・・・・・・



3397 東歌,相聞,茨城県,北浦,恋

[題詞]

比多知奈流 奈左可能宇美乃 多麻毛許曽 比氣波多延須礼 阿杼可多延世武

常陸なる 浪逆の海の 玉藻こそ 引けば絶えすれ あどか絶えせむ 

ひたちなる なさかのうみの たまもこそ ひけばたえすれ あどかたえせむ
・・・・・・・・・・・・
常陸の浪逆の海に生える玉藻は

引っ張ると切れてしまう
 
でも二人の慕いあう想いは 

途切れて絶えることはありません
・・・・・・・・・・・・
* 「浪逆の海」は、霞ヶ浦の一部。



3398 東歌,相聞,長野県,埴科,伝説,恋

[題詞]

比等未奈乃 許等波多由登毛 波尓思奈能 伊思井乃手兒我 許<登>奈多延曽祢

人皆の 言は絶ゆとも 埴科の 石井の手児が 言な絶えそね 

ひとみなの ことはたゆとも はにしなの いしゐのてごが ことなたえそね
・・・・・・・・・・・・
世の人との交わりが絶えようとも
 
埴科の石井の手児といわれる 

可愛い吾が乙女よ 

便りを絶やさないでおくれ
・・・・・・・・・・・・
* 「石井の手児」は伝説上の美女。
* 信濃国(今の長野県)。



3399 東歌,相聞,長野県,女歌,木曽路,恋

[題詞]

信濃道者 伊麻能波里美知 可里婆祢尓 安思布麻之<奈牟> 久都波氣和我世

信濃道は 今の墾り道 刈りばねに 足踏ましなむ 沓はけ我が背 

しなぬぢは いまのはりみち かりばねに あしふましなむ くつはけわがせ
・・・・・・・・・・・・
信濃路は今切り開いたばかりの道

樹木や竹の切り株に足を踏みつけないよう

沓をおはきなさい  あなた
・・・・・・・・・・・・

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