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<さーて、風呂にでも入ろうか>
私は、気分良く湯船に浸かって、目を閉じた。

<あー、気持ちよかー>
<あー、気持ちよさぶろうバイ>

良い気持の中で目を開けると・・・・・・、<やばい>

霧の中のいるようで、かすんで前が見えないのだ。

<これは、いったい・・・、何がどうなったんだー>
こんなに、強く目がかすむのは初めてだ。

このまま意識が無くなって、湯船に沈んではいけない。
右手を湯船から出して、縁に掛けようとした。

<このまま、私は逝ってしまうのか>
<54歳か。54歳・・・・>

今までの人生が、走馬灯のように、頭の中を駆け巡る。

そういえば、
頭の中の走馬灯は、以前にも見た事があった。

24歳。 新婚1ヶ月目。
営業主任にもなってイケイケの時。

優秀な営業マンだった私は、夜の田舎道の交差点を右折した。

その時、目の前に(フロントガラス)女性の顔が、
バーンという音と共に現れた。

人を・・・・人をはねた・・・。
そして、ドンと、何かに乗り上げて落ちた感覚。

最悪の事態を思った。
血が噴き出して、内臓も破裂してるかも知れない・・・。

<どうしよう。逃げようか・・・>

*** この瞬間に、人生の走馬灯は流れた ***
(結構、小さい時からの走馬灯だったように思う)

しかし、体はドアを開けて降りる体制。(えらい!)
倒れた女性の傍に、無言で掛け寄る私。

「痛〜い。痛〜い」という女性の声。
不謹慎だが、その声は、涙が出るくらい嬉しかった。

天国から地獄に落ちるような時、
突然の出来事で、重大な決断を迫られるような時。

そんな時に、人生の走馬灯は流れるものなのか

湯船の中で流れる人生の走馬灯は、
あの日と同じものなのだろうか・・・。

湯船の私は、
かすんでいく視野の中で、顔に手を当てた。

<あれっ! これは何だ!>

・・・・・・・・・眼鏡だ。
眼鏡をしたまま風呂に入り、眼鏡が曇ったのだった。

なんという失態・・・。

<この馬鹿野郎。心配させやがって>
(私自身と眼鏡に対する感情)

なんか・・・、走馬灯にも悪い気がした。   <完>

閉じる コメント(2)

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うちの親父も眼鏡をかけているけど、爺は普段風呂に入る時は眼鏡をはずすのか?うちの親父はかけたまま入っているゾ。
はずすと本当に何も見えなくなって「横山やすし師匠」状態になってしまうそうだ。

2010/5/30(日) 午前 8:00 [ どさんこおじさん ]

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小太郎。
御無沙汰じゃったー。

そっか、親父も一緒かー。
コンタクトは便利じゃぞー。
流しそうになった事もあるけど。

小太郎は、どっちの親父が好きじゃ?

2010/6/9(水) 午前 9:31 [ 青春爺 ]


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