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2010年3月8日 09時07分
海岸に流れ着いたポリタンク。ハングル文字が書いてあるが多い=福井県南越前町で(福井県提供)
毎年1月から2月にかけ、北陸地方などの日本海沿岸に大量のポリ容器が漂着し、漁業に悪影響を及ぼしている。環境省は今年1月末までの40日間に、18道府県で計1万1703個を確認。うち4割の容器にはハングル表記で「硫酸」「硝酸」などとあり、強酸性の液体が残っていたケースもある。日韓両政府は近く、漂着ごみ問題解決に向けた実務者協議を日本で開く。
福井県は今冬、同県沿岸で938個のポリ容器を確認した。昨季の93個から10倍に急増。小林正能県リサイクル推進室長は「容器に触れ、液体が皮膚などに付いたら大変だ」と危機感を示す。64個を回収した同県南越前町の担当者は「自治体が回収や焼却費用を負担するのはおかしい」と憤った。
刺し網漁の漁師で越廼(こしの)漁業協同組合(福井市)の北崎寿男組合長(59)は「冬の漁はポリ容器とエチゼンクラゲ被害のダブルパンチ。破損した容器で漁網が破れてしまう」と訴える。
環境省によると、漂着は10年ほど前から確認され、大半が20リットル入り容器。ハングルのほか、日本語や英語表記のポリ容器も含めると、最も多かった2007年度は全国で4万3000個が漂着した。
韓国ではノリ収穫期の11〜3月、雑草除去や消毒用として硝酸や硫酸が使われたため、日本政府は容器の多くは韓国のノリ養殖などの業者らが廃棄したものと判断。海上保安庁は03年、韓国海洋警察庁に調査を依頼し、最近では昨年1月の日韓首脳会談でも話し合われた。
海上保安庁によると、韓国政府はポリ容器を海へ流出させないよう業者を指導し、硫酸や硝酸の使用も禁じたという。その後も漂着が続く理由について、海苔(のり)産業情報センター(福岡県筑前町)の藤井弘治社長(74)は「使用が許されているクエン酸は硝酸などより高価。業者らが硝酸などの使用が発覚しないよう、容器を海に捨てているのではないか」と推測する。
環境省環境保全対策課の担当者は「自治体からの強い要望もある。今後も韓国政府と協議していく」と話している。
(中日新聞)
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