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http://www.asahi.com/national/update/1006/TKY201010060321.html
 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル化学賞を、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)、鈴木章・北海道大名誉教授(80)、リチャード・ヘック・米デラウェア大名誉教授(79)に贈ると発表した。3人は金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出し、プラスチックや医薬品といった様々な有機化合物の製造を可能にした。
 日本のノーベル賞受賞は17、18人目となる。化学賞は6、7人目。
 業績は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」。
 炭素同士をいかに効率よくつなげるかは有機化学の大きなテーマだ。その方法の一つとして、1970年代ごろから注目を集めていたのが「クロスカップリング反応」だった。この反応を使うと、二つの有機化合物の骨格を好きな場所でつなぐことができる。つなぎたい場所に付ける「目印」と、反応を仲介する「触媒」をうまく組み合わせて反応させると、目印が外れて炭素同士が簡単に結合する。
 鈴木さんが北海道大教授だった79年に発見した有機合成法は「鈴木カップリング反応」として世界的に知られる。目印にホウ素とハロゲン化合物、触媒にパラジウム錯体を使う方法だ。
 鈴木カップリング反応が優れているのは、水溶液中や空気中でも反応が進む点だ。従来のカップリング反応は特別な溶液中などで行う必要があったが、この弱点を克服した。温和な条件で反応が進み、毒性が強い化合物を使わずにすむなど、ほかにも多くの長所がある。現在も医薬品や農薬、液晶の開発などに日本にとどまらず、世界中で幅広く利用されている。
 同時受賞が決まった根岸さんは、パラジウム触媒をクロスカップリングに応用し、亜鉛化合物やアルミニウム化合物を使った反応などにバリエーションを広げ、より使いやすい形に改良した。亜鉛を使うと反応が安定して扱いやすくなり、合成できる物質の種類が増えた。
 ヘックさんは、有機化合物の一つであるオレフィンを使った合成反応にパラジウム触媒を使った。鉄やニッケルなどの触媒を使った研究が進むなか、現在世界中で使われている鈴木カップリング反応につながるパラジウムを触媒にいち早く使った。
 授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の1千万クローナ(約1億2千万円)は受賞者3人で分ける。

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