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「この頃になると、カローに敵が入るのは、もう遠い事ではないと皆感じていた。だとすると、転進命令の出ていない、日赤看護婦はともかく、現在いる十五名のビルマ看護婦は、早急に病院から離さなければならない。
それは、日本軍に協力したビルマ人や、ただ、日本兵の遺体を丁重に埋葬したというだけでさえ、一村の全員が、イギリス兵に虐殺されているという情報が次々に入ってきていたからである。(この事実は昭和五十年度の遺骨収集団によって一部確認された。)」 |
本
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英軍は捕虜の扱いに関しては紳士的だけど、こういう冷酷さも併せ持っているのか ――殆ど応急の手当も受けていない患者達に、その理由を尋ねると皆、「軍医殿や衛生兵は真っ先に戦死されました。」「軍医殿は行軍中に狙撃されました!」と言う。
負傷した軍医は次の様に話してくれた。「軍医や衛生兵は敵狙撃兵の目標の一つだった。上官に軍医は姿勢が高い!!だから撃たれるのだ!!と怒鳴られても、目の前で負傷している兵隊をいつも首引っ込めて見過している訳にもいかない。だからといって、出れば必らず撃たれる。そのために殺さずに済む者も、みすみす殺す結果となり、戦力の消耗は異常に増加した。やむなく我々は、赤十字の腕章や山型の胸章を外すことになった。」赤十字の印が狙い撃ちされていたのである。―― |
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