Gladius Dei

落ち着いたら、能登半島に旅行しようとおもう。大したお金は落とせないけど。

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10月22日(日)


いうべきではないかもしれないけれど、冒頭から、オーケストラの響きに失望した。薄っぺらで平板。ふくらみがない。ひとつひとつの音にはさまざまなニュアンスがこめられているはずなのに、そうしたものが伝わってこない。おそらく、オケの技量というより、緊張感というか、演奏に対する覚悟、あるいは、指揮者とのかけひきにも関係する問題だとおもうのだが、どうなんだろう。

歌手では、ジョン・トレレーヴェン(イドメネオ)、エミリー・マギー(エレットラ)、藤村実穂子(イダマンテ)あたりはさすが。とくに、エレットラには満足。第二幕の切々とした歌唱、第三幕の迫力はなかなかのもの。全体としておおきな不満はなかったが、ヴァーグナーに馴染んでいる人が多いせいか、ところどころ、モーツァルトにしては勇ましいと感じないではなかった。

感心したのは合唱。ちいさな声であっても緊張感が途切れずよく聴こえてくるし、おおきな声になってもにごらなかった。とにかくよく響く。合唱が一定のレヴェルにあるのはうれしいかぎり。

グリシャ・アガサロフの演出は、割りとオーソドックスだったか。ギリシア神話と聞いてふつうに想像される世界が再現されていた。とりたてて奇抜なこともなく、安心して音楽を聴き、舞台をたのしむことができた。音楽の邪魔をしない演出は好ましい。

* * * * *

前の列にすわっていた女性が風邪をひいているらしく、演奏中に、何回か咳をしていた。それなりに気を遣っているようで、オケの音がおおきくなったときにまとめて咳き込んでいた。鬱陶しいし、「風邪がうつったら嫌だな」とはおもったけれど、生理現象だし、さして気に留めていなかった。

第一幕のおわったとき、その女性のとなりにすわっていた中年の男性が、かなりおおきな声で、「咳、どうにかなりませんか。うるさくて演奏の邪魔です。耐えられません」とまくしたてた。そういいたくなるのもわかる。だが、風邪の人に「どうにかしろ」といっても、仕方がないだろう。いたわりの気もちをもつか、咳の音も演奏の一部とあきらめるよりほかにない。たぶん。

女性はうつむいてただ謝っていたが、第二幕がはじまっても、もどってこなかった。第一幕だけでかえったか、席をうつったか・・・。

「体調のわるい人にどう接すればよいのか」などということを考えながら聴いていたものだから、正直、演奏に集中できないところもあった。しかし、まあ、実演というのは、そういうこともふくめた経験だとおもう。

閉じる コメント(10)

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オペラにしかも新国立にいらしたのですね!羨ましいな私は今年中にもう一つは鑑賞したいと思っていますが、叶うかどうか!?モーツアルトとギリシャ神話、どちらも興味あります。合唱上手だったなんて聴きたかったな。咳き込む女性の件、もし私が風邪だったらハラハラしながら鑑賞出来ませんから諦めるかも。でも高価なチケットだし、無理するかな〜?悩みますね。横の人が咳込んでたら・・・堂々とやっていたらきっとにらみますね。

2006/10/29(日) 午後 11:03 miumiu 返信する

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> *** さん、ヨーロッパで話題になっていたんですか。知りませんでした(汗)。 《イドメネオ》は、いわゆるオペラ・ブッファにくらべて、上演される機会がすくないので、私も今回が二度目です。「ご教授」だなんて、とんでもありませんよ(大汗)。 ちなみに、私も安い席です。東京での公演は、いけなくなる可能性が高いので(あくまで、出張の「ついで」ですから)、高い席を買うのは怖いです。

2006/11/1(水) 午前 0:04 kal*s*974 返信する

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>みうさん、《こうもり》以来ですね。今度は《フィデリオ》にいきたいのですが、こちらで用事があるので、ちょっと無理そうです(涙)。今回の公演でいちばん驚いたのは、合唱だったかもしれません。合唱がしっかりしていると、やはり、安心して聴くことができますね。咳の件は悩みます・・・。そういえば、私、38度の熱があるのに、パリ管の演奏会にいったことがあります(爆)。咳は出ませんでしたが、かえりはフラフラでした。

2006/11/1(水) 午前 0:10 kal*s*974 返信する

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> *** さん、その気もちわかります。私は、咳ではありませんが、香水の臭いに反応して、くしゃみが出そうになったことがあります(アレルギー?)。我慢するの、つらかったですよ(苦笑)。 咳は、まあ、仕方ないにしても、膝のうえのものを、何度も落とす人がいますね。あと、チラシをガサゴソさせたり・・・。あれこそ本人の気遣いで防げるので(はじめから座席のしたにおけばいい)、注意したいのですけど、相手の気分を損ねるのが怖くて、いつも黙っています。

2006/11/1(水) 午前 0:15 kal*s*974 返信する

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kalosさんもいらっしゃいましたか。僕は、28日の公演を観に行きました。オケがつらかったのは、28日だけではなかったのですね。僕は、疲れた音、と書きましたが、緊張感といわれると非常に納得します。指揮がいろいろ面白いことをやっていたようなので、なおさら残念です。合唱は僕も素晴らしいと思いました。合唱が効果的に挿入されている作品なので、そういう意味でも楽しめました。それにしても、風邪の人に酷な方もいるようで。気持ちは分かりますが・・・。

2006/11/4(土) 午前 1:55 [ nakkun ] 返信する

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nakkun さんはコンセルトヘボウに慣れておられるし、私は無意識にバイエルン国立歌劇場を尺度にしているのかもしれませんね。どうも、日本でオペラを聴くと、まずオケに「ガクッ」としてしまうんです。決して下手ではないんですけどね・・・。「指揮者のうえをいってやろう」というくらいの気構えがほしいです。まあ、素人の偉そうな意見ですが。合唱は、ほんと、おっしゃるとおりでした。まあ、いろいろいいながらも、新国立劇場には期待しています。

2006/11/4(土) 午前 11:30 kal*s*974 返信する

ご無沙汰してしまいました。「イドメネオ」いらしたのですね。僕は仕事やプライベート(大学の同窓会の幹事なもので)で忙しく、この数週間あまり人間らしい生活をしていません(笑)。/この顔ぶれのソリストなら安心して聴けるでしょうし、合唱が良いというのは嬉しいことですね。座付きの合唱団としてどんどん良くなっているように思います。オケもそうなればいいのですが・・・。

2006/11/9(木) 午前 0:11 [ mar*in*bba*o ] 返信する

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中国からもどっていらしたのですか? 「お忙しそうだなあ」とおもいながら、記事を拝見していました。《イドメネオ》は、おっしゃるように、「安心して聴ける」公演でした。くどいですが、合唱はうれしい誤算で、ぜひ、このまま伸びていってほしいですね。それにしても、あのレヴェルの劇場が日本にあるというのは、ほんとうにうれしいことです。東京に住んでいる人がうらやましい。

2006/11/10(金) 午後 0:59 kal*s*974 返信する

くどいだなんてとんでもないです、それだけ感心されたんですね。あそこの合唱はレヴェルが高くて、僕もいつも楽しみにしています。近くにいるとありがたさを忘れてしまいそうですね、ほぼ毎月あれだけのレヴェルの公演があるということは、たしかに嬉しいことです。

2006/11/13(月) 午後 10:27 [ mar*in*bba*o ] 返信する

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いや、ほんとうに、東京に住んでいるというのは、幸せなことですよ。来月の《フィデリオ》もひそかに気になっているんですけど、たぶん、いけないだろうなあ・・・。それに、来日公演にしても、関西まで来てくれるところはすくないですよね。来年、ドレスデンの歌劇場が来日しますが、きっと、関西には来ないでしょう・・・(悲)。

2006/11/13(月) 午後 11:00 kal*s*974 返信する

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