Grad-Stage

人と組織との結びつきを化学するコンサルタント

東大大学院生記 7月 2009

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]

イメージ 1

 野依良治先生−2001年ノーベル化学賞受賞者−と15分間会話しました。一対一です。

 野依先生は今、理化学研究所の理事長です。サマー・サイエンスキャンプ(→http://blogs.yahoo.co.jp/kamakura2008/20020360.html)の懇親会にいらっしゃりました。私もそこに居合わせていました。

 『今日は、理事長のご好意により、ノーベル化学賞のメダルを用意しました』というアナウンスが流れた瞬間、会場が沸きました。高校生のテンションが上がりました。いや、高校生以上にテンションが上がった人間が少数いました。研究室の先輩と私です(笑)。高校生は一列に並んで、順番にメダルを手にしました。そのとなりで、私たちは、「俺たちも並べないか」と思考を巡らせていました。そして、最後の高校生がメダルを手にした後、「僕たちも触っていいですか?」とカメラマンの人にオファーしてみました。

 「いいですよ。」

 その一言で、私たちのテンションは最高潮に!

 メダルは、、、思ったより軽かったです。でも、自然と笑顔を引き出してくれる魔法のメダルでした。あまりにはしゃいでしまった私は、カメラの前でポーズ。メダルを片手にひょいっと持ってみました。カメラのシャッターが切られるのを待ってみましたが、一向にシャッターが切られる気配は無く、カメラマンからポツリと一言。

 「落としちゃうから、両手で持って。」

 どうも失礼しました。

 その後、高校生と会話しつつ、野依先生と会話するタイミングを見計らいました。そして、ついにチャンス到来。野依先生が人ごみから離れ、から揚げを取りに向かったところで詰め寄りました。

 「あの・・・握手してもいいですか?」

 野依先生は、快く握手してくれました。そこから、夜の活動で鍛えたコミュニケーション能力をフルに活かしました。まずは自己紹介。大学院から東大に来た経緯、理化学研究所で学べることの喜び、今回のサマー・サイエンスキャンプに参加させていただけたことへの感謝を述べました。私が一風変わった人間だったためか、よくわかりませんが、野依先生から直々に、『研究の進め方』を伝授させていただきました。

 会話の終盤、なぜか話が思わぬ方向へ流れました。

 「○○するのがよい、○○するのがよい。だけど、○○することは企業ではできない。」

 思わず、キョトンとしてしまった。「あの、なぜ私が就職活動か博士課程進学かで悩んでいるのを知っているのですか?」そんな疑問を彷彿させる会話の流れであった。何も言葉を発することができなくなった自分。野依先生を見てはいたが、顔だけを笑わせていた。私は、「よく考えておきます。」としか言えませんでした。何かを言い切ったかのように、野依先生はゆっくりと元いた場所に戻っていった。

 今でも分らない。『M1の学生には必ずと言っていいほど、博士課程進学をすすめている』というのが、考えられる理由の一つだが、それにしても、腑に落ちない。野依先生は、私から何か迷いを感じとったというのだろうか。初対面である私から・・・・?

 野依先生と話せた時間は、およそ15分。かけがえのない貴重な時間を送れました。

 高校生が研究室に遊びにきました。ただの遊びではありません。『実験』という名の遊びです。

 理化学研究所では、7月29・30・31日と『サマー・サイエンスキャンプ』が開かれます。私の所属する研究室では、計4名の高校生を招き入れました。第1日目に、装置の仕組みを教え、第2日目−今日−は実際に装置を操作させました。

 今日は何故か、装置の調子がすこぶる良く、高校生たちに金原子一つひとつをみせることに成功しました。これほど状態が良い日は1年に数回だと思います。あまりの装置の空気の読みぶりに、高校生より、指導する私たちの方が驚きました。

 しかも、金原子をただ見せただけでは終わりません。その上にとある分子を吸着させ、実際に金基板上で化学反応を起こさせました。この実験をやったことがある高校生は、世界にきっと彼らだけでしょう。いかんせん、『世界初』の現象を見てしまったわけですから・・・。データをまとめあげれば、普通に論文という形となって世界へと羽ばたけます。

 そんな実験の最中、私たちのテンションの上がり具合を察知し、高校生も事の重大さに気づいた様子。高校生なりの表現『これ感動しました』、『実験って楽しい』がとてもうれしかった。私自身、全面的に指導することはできず、レポートとの片手までしか高校生の様子を見ることができませんでした。しかし、感動する高校生を見て、あまりに感動してしまった私は、レポートに手をつけることができなくなりました。

 今まで塾のバイトなどで、高校生と接する機会は多々ありました。しかし、それは『授業』で接していただけであって、『研究』で接してはいませんでした。今回のサマー・サイエンスキャンプで、『研究』で接することができた。私のフィールドに子供たちが興味を持ってくれた。この事実が、私になんとも言えない喜びを感じさせてくれた。

 貴重な体験をさせていただいた、理化学研究所に感謝している。

起床5分後

 毎週月曜日の夜は、研究室で寝泊まりしています。月・火曜日と、柏キャンパスで授業を受けているためです。そんな生活とも、今週でお別れです。今学期が今週で終わるためです。来学期は、月曜日のみ授業をとる予定ですので、研究室に泊まる必要性はなくなります。

 研究室での寝心地はよいです。冷房使いたい放題ですし、低反発マットに寝転がれます。安眠のためか、朝起きたのがなんと10時10分。授業開始は、10時15分。そうです。起床5分後には授業を受けていました。全くもって、大学院生らしい生活を送っています。

 今の状況は、レポートが4枚ほどたまっています。しかし、このレポートさえ提出できてしまえば、修士課程修了に必要な選択科目の単位がそろいます。来学期は、実験に集中できます。授業による実験が進まないことへのストレスから解放されます。

 レポートから生じる忙しさは、8月10日まで続きます。お盆は実家に帰ります。

ありのまま

 研究室で焼きうどんをメンバーと食べていたとき、とんだハプニングが起きた。『みんなの名前をググってみよう』というノリになった。

 D2の先輩から始まり、一人ひとり自分の名前を検索エンジンにかけた。どこかしろの学会にみなさんの名前が載っていた。そして、私の番。ネットで検索されて、特に悪いものなど出てこないだろうと確信していたが、出てしまった。前の大学で所属していたサークルがヒットしてしまった。

 思わず、『ちょっと待て、ちょっと待てよ』とパソコンを閉じようとした。メンバーにがっちり体を抑えられたが、必死で振り払いパソコンを閉じた。少し冷静に考え、特に大丈夫だと判断し、メンバーに出てきたページを公開した。メンバー達は、『なにをそんな隠すことがあったの?』というぐらい、特に何の変哲も無いページだった。しかし、そこは私のいわば原点とも聖域とも言える場所があった。

 そのページをもっと深く入り込んだところに、大学1〜3年次まで頻繁に書き込んだサークルの掲示板がある。何の知的さも感じられない、ただ想いのままを書きなぐった私の書き込みがある。今はもう読む気にもならないが、確かにそこには、昔の等身大の私がいる。そんな昔の自分を見られたくないという衝動が、私のパソコンを閉じるという行為を引き起こしたのだろう。

 もしかしたら、サークルのことを思い出したくない自分がいるのかもしれない。あの頃は確かに楽しかった。サークル活動をとおして、サークルメンバーと心が通っていた。しかし、言ってしまえば、心が通えたのは『サークル活動をとおして』だけであった。サークル活動とはまったく別の、遠倉という存在のコアの部分に関しては誰とも通じ合わなかった。一番親密だった友達とも、一番近い存在だった彼女さえも。所詮、他人は他人、全てが全て通じ合える人などいない。そんなことは当たり前だが、自分のコアな部分が分かってもらえなければ、話にならない。

 そんなコアな部分を理解してもらえないが故に、そこを隠し、当たり障りの無い関係を築き続けている日々を送っている。自分の気持ちを素直に他人に表現できる日を、いつか迎えることができるのだろうか。理解者は、一人だけでいい。そのたった一人の人に、出会いたい。

傍観者

 他人および自分の人生をただ傍観している人間に、私の人生をあれこれ言われたくはない。

 私には、きっちりと答えをだしておかなければならない問題がある。就職活動をするか博士課程に進学をするかだ。ある程度、気持ちは固まってきたが、この段階が一番大切。考えに考え抜き、確固たる決意をつくっておかないと、いざ行動に移したとき、それが中途半端になる。そうなると結果も中途半端になりかねない。日々、決意に若干のブレが生じるが、あともう少しで、揺ぎ無い軸ができそうだ。

 自分がどうしたいかが分っている人間の全てがすばらしいとは思えない。様々な選択肢を軽々と捨て、深く考えず「これでいいや」と自分の進路を決め付けている人がいる。自分はどうしたいかがその人は分っているから、自分はどうしたらいいのか決めかねている私より、一見すばらしそうに見える。いや、すばらしいのかもしれない。ただ、そんな易々と進路を決めている人の口から出される発言には、何の重みも感じられない。

 考えに考え抜いて決断を出したことのある人間なら、考えに考え抜いても答えを出せずにいる人間の気持ちを汲み取ることができる。そして、そういう人から発せられる言葉こそ、他人の心に深く伝わると思う。

 就職・博士課程進学、どちらの道が安いか安くないかが議論に上がる日々を送っている。どちらの道が自分を安く売ることになるかは、人それぞれだろう。ただ、一言いわせてもらえれば、今後のことを深く考えようともせず、毎日をただただ生きている人間が進むべき道こそ安い。

 他人の人生の傍観者になってもいいかもしれないが、自分の人生の傍観者にだけはなってはいけない。

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]


.
遠倉和馬
遠倉和馬
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事