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NTTデータ海外勢追撃 IT企業M&Aに1000億円
3月10日8時34分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
NTTデータは2010年度からの3年間で、総額700億〜1000億円を投じて、海外でIT(情報技術)企業のM&A(企業の合併・買収)を加速する方針を固めた。国内では金融システムの構築などに強みを持つものの、需要の先細り傾向は否めない。このため海外戦略に重点を移し、世界の大手との受注競争に本格的に打って出る。同社では「早期に世界トップ5入りを実現する」(首脳)方針で、トップの米IBMや同アクセンチュアなどを追撃する。
■株安、円高で絶好調
NTTデータが狙うのが、景気回復後の北米市場。この主戦場を本格的に攻略するほか、電機メーカーなどが新興国市場の開拓を進めているのに対応し、南米、オーストラリア、南アフリカなどで現地のシステム開発会社を100億円規模で買収。国内外で継ぎ目のない顧客サポート態勢を確立する。
2012年度には海外売上高を今年度見込みの3.3倍の2000億円以上に伸ばす計画だ。グローバル企業は、世界規模で経営情報を一元管理するSAP製の統合基幹業務システム(ERP)の導入を進めており、システムの構築や管理を支援する。
NTTデータは顧客のニーズに合わせたシステム構築支援の専業で、国内のITサービスでは富士通、日立製作所に次ぐ第3位だが、世界規模の売上高(07年)では、15位にとどまり、大手に水を空けられているのが実情だ。
国際展開で活路を開くには、「拠点や人材を自ら育成する“自己成長”だけでは限界がある」(首脳)と判断。矢継ぎ早にM&Aを実施し、急ピッチで海外拠点の整備を進めてきた。05年11月の米中堅システム会社、リビアグループの買収を皮切りに、欧州、アジアなどに布石を打った。
昨秋の金融危機による「株安に加えて円高が進み、M&Aがしやすい環境が整った」ことから同戦略を加速する。
■50カ国100都市
M&Aを軸とした海外の成長戦略は現在、策定中の10年度から3カ年の新中期経営計画に盛り込む。売上高全体に占める海外売上高の割合は今年度は5%にとどまるが、12年度には10数%にまで高める。投資資金は自己資金を基本に、一部は市場からの調達も検討する。
自動車や家電など製造業を中心に国内の大手顧客の海外進出が相次ぎ、世界の各拠点を結ぶ情報システムの構築需要が伸びていることに応える。
買収先を核に、日系向けだけでなく現地やグローバル企業との取引拡大もめざす。国内外の人材を融合させることで、システムやサービス提案力やグローバルに活躍できる人材育成を図る。一連の買収や拠点整備によって、12年度までには海外の拠点数を現在の21カ国(60都市)から約倍の50カ国(100都市)に拡充し、海外の従業員数も2倍の1000人に拡大する計画だ。
世界のIT業界は昨年5月に米ヒューレットパッカードが米EDSを買収し、第2位に浮上するなど再編が加速している。NTTデータはグループで国際展開を進めるNTTドコモ、NTTコミュニケーションズとタッグを組み、グループの総合力を武器にライバル各社に挑む。
(横内孝)
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