シベリア

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永久凍土研究所

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 連日続く酷暑に、涼味ある話題を一つ。
 
 ヤクーツクに到着した8月のある日、短時間であるが珍しく小雨が降った。その後ホテルを出てびっくり。町中が水浸しなのである。メインストリートのレーニン通りさえ歩けないほど。
 地下300㍍の永久凍土の上にあるヤクーツクでは、ちょっと小雨が降った程度でも排水がままならないのだ。町を一歩出れば、そこには広大な湿地帯が広がる。
 
 この町は、どこを歩いても興味深い。深く杭を打ち込んだ高床式のアパート、歩道橋のように道をまたぐ水道管やガス管、温水パイプ…。すべて、永久凍土の上に建設された町の宿命である。それらの写真は、日本の高校の地理教科書でもよく紹介されているから、ご覧になったことがあるかもしれない。
 
 この町に、必見の博物館(研究所)がある。「永久凍土研究所」。市バスの終点、バスを降りると大きなマンモス像が見えるから、場所はいたってわかりやすい。ただし、訪れる際には事前にアポをとる必要がある。
 研究所に入ると、英語を話す教授(所長?)が出迎えてくれる。彼の案内で、地下へ降りる。それほど厳重な防寒着は必要ない。地下は2層構造になっていて、最初の階へ降りた所に展示されていたのが、上の写真のマンモス(子供)である。
 
 近年、ヤクーツクを首都とするサハ共和国では、溶けた永久凍土の中からマンモスが発見される事例が増えている(2005年の愛知万博で展示されたマンモスもそうである)。この地域では、地球温暖化のスピードをはるかに上回る気温上昇とともに、永久凍土の急速な溶解が懸念されているのである。
 
 最後に地下20㍍まで降りると、そこが永久凍土の中のトンネルになっている。壁も天井もすべて永久凍土である。炭化した何万年も前の植物も混じる永久凍土を、素手で触らしてくれる。こんなユニークな博物館、そうあるものではない。
 
 日本のバンド「相対性理論」のヴォーカルやくしまるえつこが、雑誌の中でいま一番行きたいところを質問されて、「ヤクート」と答えていた。
 彼女も、高校の地理の授業でヤクーツクに興味をもったのだろうか?
 
 
 
 

 一人旅の場合、列車内のコンパートメントで誰と相客になるのか?これが結構重要である。

 ウラジオストク駅を出てまもなく、私のコンパートメントに乗り込んできたのは、ロシア人の若い軍人とその妻。さらにその後、やはり軍人だというロシア人が乗り込んできて、計4人となった。
 最初、我々の間では会話一つなかった。しかし、そこはさすがに「旅は道連れ」。食堂車でバッタリ顔を合わせたあたりから、我々は互いに笑顔で挨拶を交わすようになった。
 すっかり仲良くなった我々は、言葉が全く通じない事などなんのその、肩を組んでウォッカで乾杯!夜遅くまでおおいに盛り上がった。それにしてもロシア人、やはり大酒飲みだ。すっかり酔いつぶれた若い軍人さん、翌朝目を覚ましてみるとケロリとした顔でビールを流し込んでいる。ビールは水代わりということなのだろう。

 イルクーツクの手前、車窓の右手に美しいバイカル湖を見下ろす区間がしばらく続く。ここで彼らは、オームリを買って持ち込んできた。このオームリ、バイカル湖特産の魚(固有種?)なのであるが、塩気が少々きついとはいえ、なかなか美味である。酒の肴にはちょうどいい。というわけで、酒がまたまた進むのであった。
 彼らはこの先、オムスクまで行くのだという。イルクーツク駅では、まるで10年来の友のような気持ちで握手を交わし、別れを惜しんだ。

 ところで、気がついたことがある。イルクーツクの繁華街はカール・マルクス通り、ヤクーツクのメインストリートはレーニン通り。そしてどの町へ行っても、レーニン像がある。駅舎や広場、あちこちにしっかりと建っている。
 マスメディアは、ソ連崩壊時、引き倒されるレーニン像を繰り返し映し出した。また多くの地名が、革命前の地名に戻された。しかし、現実には、レーニン通りもマルクス広場もずっとそのままだし、レーニン像だってしっかり各地に残っているのだ。
 イラクでサダムの像が倒される映像もしかり。マスコミはあの映像ばかり流したが、それがイラクで起こったことのすべてではない。あまりマスコミに振り回されると、現実を誤解する。

 ちなみに、世界で唯一スターリンの銅像が建っている町は?それはスターリンの出身地、グルジアのゴリである。あの町にはスターリンの生家もスターリン博物館(デスマスクが見られるぞ!)もある。


 PS.6月に来日するボリビアのスーパーバンド、カルカス。6月の仙台公演、日定変更で立ち消えになってしまいました。残念です。

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 シベリア鉄道の旅では、時刻はすべてモスクワ時間で表示される。ウラジオストクとの時差は7時間。イルクーツクまでの行程では、車内で2度ほど、時計の針を戻すことになる。

 比較的大きな駅なら、停車時間は15分以上ある。このとき、プラットホームに降りるのが実に楽しみなのである。
 沿線沿いには、ユダヤ自治州の州都ビロビジャンや、ブリヤート共和国の首都ウランウデなど、少数民族と出合える駅がある。ためしにウランウデ駅で降りてみると、おお、行き交う人々の風貌、いでたちが見事にモンゴルそのものである。ブリヤート人はモンゴル系の少数民族であり、ここには大きな仏教寺院もあるのだ。
 もう一つの楽しみは、他の乗客と一緒になって、あれこれ食料品などの買い出しをすることである。
 ロシア人はたいてい、車内にパン、ソーセージ、チーズなど食料品を持ち込んでいる(食堂車は高いうえにメニューがごく限られているから、利用する人は本当に少ない)。では、停車駅では何が買えるのだろうか?
 まず、近隣農家(?)のおばさん連中が露店を出している。ピロシキ(ピロシキの中身はいろいろある。ロシア語で聞いてくるが答えられないので、適当に指さして買う)、ゆでたじゃがいも、卵、などなどおいしいものがある。また、ホーム内のキオスクへ行けば、煙草からトイレットペーパーまでひととおり売っている。
 キオスクでロシア人がよく買って食べていたもの。
 それが北朝鮮製のカップラであった。
 私もつられて、このカップラを毎日食べるようになった。お味は?カップラだから期待しては困るが、ちょっと辛めの、まあなかなかの味である。なお、シベリア鉄道では車掌室の脇にはサモワール(ロシアの湯沸かし器)があり、いつも熱々のお湯が手に入るし、コップやスプーンだって無料で貸してくれるのである。
 
 極東ロシアでは、日本の中古車が(漢字などの表示を残したまま)多く走っていることはよく知られている。しかし近年は、韓国そして中国の物資や商人などの流入も実に目立つ。
 ウラジオストクの安ホテルをまるごと占拠していた中国人団体観光客(そのとばっちりで、私も中国人にされた)。イルクーツクのホテルでは韓国人のグループツアー客。気がついてみると、日本は中国や韓国よりも「人」の存在感が薄い。
 これは極東ロシアに限った話ではないが、「日本製品」に対して「日本人」の存在感がどこか希薄である。このことは、もしかすると大きな弱点なのではないだろうか?

 シベリア鉄道に乗ってみたい、という旅行者は相変わらず多い。
 しかしその場合、検討すべきは全線(ウラジオストク〜モスクワ)走破するか否か、だ。
 私の場合、2005年8月にウラジオストクからイルクーツクまで乗ったのだが、これなら3泊4日。イルクーツクはさすが「シベリアのパリ」といわれるだけあって風格を感じる居心地のよい町であるし、バイカル湖観光の拠点としても使えるので、ここで降りる価値は十分にあると思う。
 このときはヤクーツクが旅のメインであった。従って、ウラジオストクから鉄道でイルクーツクへ行ってからヤクーツクへ飛び、またウラジオストクへ戻ってくるという三角形のルートを考えたのである。
 で、3泊4日の鉄道旅行は大正解だったと思う。シベリア鉄道が退屈だとは全然思わないが、モスクワまで150時間も乗っちゃうと、その間シャワーも浴びられないしね。

 ご存じかもしれないが、ロシア旅行には今でも「バウチャー」なるものが必要で、自由気ままな個人旅行ができない。そして、交通機関やホテルを日本ですべて予約するとなると、非常に高くつく。私は旅行会社を通じてではなく、ネット上で某所よりバウチャーを入手し、その後大阪のロシア大使館に自力でビザを申請する、などというくせ技を用いたし、イルクーツクでは現地のロシア人しか知らないような安ホテルを探して泊まったりした(言葉は全く通じなかった)。だから、多少安くあがったことは確かだが、それでも面倒な事このうえない。
 この点、早く改善されないと、日本の貧乏な若者はいつまでたってもロシア旅行ができないよな…などと案じたりする。
 
 しかし、ロシアでは、駅前だろうが路上だろうが、場所を選ばずポリスがいきなり旅行者を捕まえ、「バウチャーとパスポートを見せろ」とくる。だから、書類不備による無用なトラブルは避けたいのである。

何しろ、ロシアのポリスはタチが良くない。
 ヤクーツクの広場を散歩していたときのこと。例によってポリスに呼び止められたので、パスポートとバウチャーを見せた。こちらには何の落ち度もない。だというのに、頭の悪そうな警官(失礼)は、荷物を調べるから一緒に来いと言う。(何で?)
 私の持ち物を調べたって何も怪しいものは出てこない。で、30分以上あれこれ調べたあげく、ポケットティッシュを見つけて「これは何だ?」と聞くのである。おいおい、ティッシュはティッシュだよ(笑)。
 後でロシア人にこの事を話したら、君はきっと中央アジアから来た麻薬の売人だと疑われたんだ!と言われたが、それにしても愉快な体験ではなかった。

 ロシアでは、公務員はもちろんのこと、店の売り子やホテルの従業員などもだいたい愛想がなく、態度がよろしくない。これは、ロシア人自らがよく口にしていたことである。

 しかし、ロシア人の名誉のために付け加えておく。仲良くなって一緒に酒を飲めば、実はロシア人は心が大きくて、とても楽しい人たちばかりなのである!
 
 

 
 
 
 
 

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