HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

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2009/1/10NHK交響楽団Aプロ

NHK交響楽団第1637回定期公演Aプログラム 
1月10日 (土 )NHKホール

ショスタコーヴィチ / ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77
シューベルト / 交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレート」
指揮:デーヴィッド・ジンマン
ヴァイオリン:リサ・バティアシュヴィリ

ものすごいヴァイオリニストでした。1昨年ベルリンフィルハーモニーに呼ばれた時のショスタコーヴィチをテレビで見たことがあったので、非常に楽しみにしていたのですが、期待を上回る演奏でした。まず音がすごい。3600人も入るNHKホールでも朗々と響きます。冒頭のG線上でa-moll, d-moll, c-mollと調性を行き来するメロディが印象的。fig.2(Boosey&Hawkes総譜。以下同じ。)からD線、A線と上がっていって、fig.11-1(B&H総譜)B音から入る一番上のオクターブは鈴が鳴り響くような豊穣な音で、B音の四分音符3つが響き渡ったとき、思わずフォアシュピーラーの酒井さんが視線を上げてバティアシュリヴィさんの方を見つめていたのが印象的でした。あの上5線Bは、自分も体に電気が走りました。彼女の楽器は、エングルマンという1709年製ストラディヴァリウスのようです。

音色だけでなく、彼女の音楽をつくろうとする意思の力は大したものだと思います。オーケストラとよく合わせなければならない大事なパッセージでは、常にオーケストラの方を振り向いて、身振りで音楽の方向性をリードして、ジンマン氏がこれに付けていくという風情でした。パッサカリアの後の長大なカデンツァは、場内静まり返り、圧倒的なヴィルティオジティを披露したフィナーレが終わると、NHKホールのお客さんには珍しく、盛大なブラヴォーが出ました。ヘルムヒェン、クーパー、アンスネス、ワトソン、エーベルレ、グローヴス、そして今月のバティアシュヴィリと、このところN響はすばらしいソリストを呼んでくれますね。

後半のシューベルト、1楽章は、指揮者とオーケストラの間でテンポの感じ方がややちぐはぐなところがありましたが、アンダンテ以降は立派な演奏だったと思います。アンダンテは、2/4拍子のリズムの感じ方がよく統一されていて、格調高い表現だったと思います。ちょっと気になったのは、冒頭の主題をオーボエとクラリネットがユニゾンで吹奏する部分は、明らかに音程が合っていなかったですね。この楽章の間ずっと感じたのですが、クラリネットの音程、とくにE音がちょっと低いんじゃないでしょうか。この曲の中でも自分がいちばん美しいと思う部分は、中間部が盛り上がって、イ短調減七でクライマックスを作った後、ピチカートの上にチェロが変ロ長調とイ短調の間を揺れ動くメロディを演奏する部分なんですが、8人に切り詰めたチェロのセクションのひとりひとりのヴィブラートが聴こえてきて、格別な美しさでした。スケルツォも堀さんのリードですばらしいリズム感でした。全体にセクションのバランスがよく、金管が上品に色を添えて、格調高い演奏で、自分は非常に楽しみました。ジンマン氏は、N響にはじめて来演とのことですが、地味ながら、しっかりと様式を押さえたよいマエストロだと思います。

さて来週は、ウェーベルン、マーラー、シュトラウスと重量級を揃えたCプロ。自分はウェーベルンのパッサカリアに注目しています。テーマとなるオスティナートが調性のゆらぎの種子を内包していて、それがその後さまざまなハーモナイゼーションとトナリティの変容につながっていくという実におもしろい音楽です。

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