HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

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読売日本交響楽団第479回定期演奏会
2009年2月16日(月) 19:00 サントリーホール
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指揮:ヴァシリー・シナイスキー
ヴァイオリン:アナ・チュマチェンコ
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ハチャトリアン/ヴァイオリン協奏曲
ラフマニノフ/交響曲第2番

チュマチェンコさん、圧倒的な存在感でした。すべての表現、メロディ、リズム、音色の変化、すべてが自信に裏づけられた説得力。もう平伏すしかありません。プロフィールを拝見してもご年齢はわかりませんが、おそらく60代でしょう。その気品あふれる舞台姿からヘレニズム、サラセン、ロシアンクラシックなど様々な文化の影響を受けた中央アジアの香り高い音楽が沸き上がると、彼女自身がシェヘラザードの化身みたいに神々しく見えます。本当におそれいりました。

最近N響でドヴォルザークの名演を聴かせたエーベルレ、圧倒的なショスタコーヴィチを聴かせたバティアシュヴィリ、そしてユリア・フィッシャーなど、今をときめくヴァイオリニストたちを育てた名伯楽でいらっしゃるわけですが、やはり先生はさすが。

アンダンテのメロディー、G線の音色に酔いました。28小節から始まるメロディ、30小節以上もブレスなしで歌う長い長い、永遠に続くかと思われる長いフレーズ、聴いている方も息を呑んで聞き惚れました。フィナーレでは、まだまだ若い子には負けないわよと言わんばかりのパッションと乱舞するリズムの響宴、しかも節度と気品も併せた様式美。こんなソリストを迎えると、読響も燃えないわけにはいきません。アレグロのカデンツァ冒頭、ソロヴァイオリンとのデュオを担当するクラリネットも気合いが入っていたし、アンダンテのしっとりした伴奏リズム、とくに25小節あたりのソリストが入る直前の引き潮のような裏打ちのやさしさ、145小節からのヴィオラのレチタティーヴォみたいなうつむき加減の独り言、フィナーレの爆発的な推進力もすばらしかった。

カデンツァは、作曲者自身が書いたものをほぼそのまま用いつつ、途中第2テーマをダブルストップで弾くところの直前の上行パッセージなど何カ所かでちょっとしたヴァリエーションを加えておられました。このコンチェルトは、ソリストがほぼ出づっぱりで、しかも数あるヴァイオリンコンチェルトの名品の中でも音符の数がおそらくいちばん多いと思いますが、最後まで涼しい顔で弾ききるそのスタミナも驚異的です。水曜日に文化会館でブラームス、フランクを弾くリサイタルがあるようですが、これはなんとしても聴きに行かねばなりませんね。

ここまででお腹一杯。休憩後のラフマニノフは、大きな音でバリバリ弾いていただき、お疲れさまでした。

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