HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

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NHK交響楽団第1640回定期公演 Aプログラム 
2月7日(土 ) NHKホール

スメタナ / 交響詩「わが祖国」(全曲)
指揮:ラドミル・エリシュカ

一言でいうと、硬骨漢。感傷的なところがなくて厳しく揺るぎない表現と構成、それを献身的に実現しようとするオーケストラに感銘を受けました。78歳にして若々しい、筋肉質な音楽でした。

ゆったりしたテンポのヴィシェフラト。楽譜に記されたテンポの変わり目が実に自然な呼吸でイデォマティック。ヴルタヴァは、センチメンタルなところがなく、一貫して張りつめた表情。シャルカ冒頭、お約束のルバートやPiu Moderato Assaiのマーチに入るところのテンポ感も堀さんのリードでぴったり。103小節からのヴァイオリンの長いフレーズ、付点のある三連符をむりやり窮屈に合わせない自然な盛り上がり、131小節からのsul Gの歌わせっぷり、そして145小節のファンファーレになだれ込む音楽の運び方はお見事。2回ある磯部さんの長いソロ、感じ出ていましたね。frenticoからテンポを詰めてクライマックス。

ここでいったん休憩。盛り上がった勢いで全曲通して聴きたいところですが、後半3曲はハープの出番がまったくないのにお二人を所在なく座らせておくのも申し訳ないので休憩が入るのでしょうか。

「牧場と森」はクライマックスの前の美しいインターリュードの風情。とくに中間の3拍子のメロディ(130小節以降)でのホルンとクラリネットの美しさが印象的。最後の2曲は大詰めに向かって、一気に緊張が高まりました。ターボル冒頭、ホルンとティンパニのD音をピヴォットにして弦のクロマティック下降音型に従ってハーモニーが変化していく箇所は、大きなクライマックスの前触れのように聴こえました。D音の3拍子ユニゾン音型で結ばれる終曲ブラニークのニ長調マーチの大詰めまで、一気にテンションが高まって、息つく暇もなく終わりました。

マエストロは全曲暗譜でした。若い頃から数えきれないほどこの曲を演奏されたのでしょう。N響は、こういう経験と自信に裏付けられたマエストロには、自分たちも全力で応えようとするようですね。先日のコウト氏の舞台もそうでした。来月のN響アワーでは、マエストロの至芸に感服する池辺さんのお顔を拝見できることでしょう。自分もおそれいりました。

マエストロ・エリシュカが元気なうちに、ルサルカかイェヌーファを聴きたい。新国立劇場、ぜひともよろしくお願いします。

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