HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

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2009年04月

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東京都交響楽団 第679回定期演奏会 Bシリーズ
2009/4/27(tue) サントリーホール
指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:エリック・シューマン
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」 op.30 

ファビオ・ルイジ/シュターツカペレ・ドレスデン
2009/4/28(wed) サントリーホール
R.シュトラウス
:交響詩『ドン・ファン』 op.20
:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』 op.28
:交響詩『英雄の生涯』 op.40(原典版)


昨日、今日はシュトラウス三昧。

まずは、久しぶりに聴く小泉さん。とがった所はないし、個性的でもないし、煽って興奮させる音楽でもないんですが、なんとも響きが美しいツァラトゥストラでした。都響の美しい弦の音を堪能させてくれるという意味では、小泉さんは相性がいいんじゃないでしょうか。小泉さんの演奏を最初に聴いたのは、もう30年以上前ですが、あの頃のやや強引な棒ではなくて、「任せたよ」という感じで、しかもしっかりと全体のテンポ運びとか、ここを聴かせたいというところはしっかりと押さえた音楽で、都響の弦セクションから美しい響きを引き出す手腕はみごと。小泉さん、見直しました。それにしても、ヴァイオリンセクションの音が美しかった。

さて、今日は、シュターツカペレ・ドレスデンのマチネ。今さら言うまでもないすばらしいアンサンブル。この人たちは、アンサンブルの集合場所というか、どこでどうやればきちんと揃う、というポイントを全部熟知しているのでしょう。それも、自分のパートだけではなくて、オケ全体について。時間的には、昨日や今日のことではなくて、これらの曲をはじめて演奏したであろう100年以上前からのオケ全体の集合知として。だから、ルイージ氏はアンサンブルをオケに任せきって、音楽の大きなつくりに専念できるような感じ。表現の振幅がとてつもなく大きい。ヘルデンレーベンのfig.39-41あたりshimmeringというか、ざわざわっと弦と弓の摩擦音を混ぜながら静かに沸き立つようなピアニッシモやティルのエピローグでのちょっとベールをかぶったようなヴァイオリンの音のようなところから、ドンファンのクライマックスでのずしんと腹に来るような大音声、ティルのEsクラの叫ぶような高音、敢えてアグリーな音も厭わない管楽器の大胆な表現まで、音楽のつくりが大きくて、わくわくさせる。何だろう、この管楽器の表現力。肺活量がとてつもなくあって、大きな音が出せるから、相対的に神経質な弱音を出さなくても十分にダイナミックレンジがとれて音楽が大柄になるんだろうか。楽しい音楽でした。

アンコールのオベロンは、眼を閉じて聴くと、これから幕が開きそうな、そういうわくわく感。ああ、オペラハウスのオケなんだなと、しみじみ感じました。それにしても、空席が多い。プロモーションに失敗した?もったいない。

予告:あさって5/1は、新国立劇場の「ムツェンスク群のマクベス夫人」を見に行きます。

2009/4/4NHK交響楽団

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NHK交響楽団第1643回定期公演Aプログラム 
2009年4月4日(土)NHKホール
R. シュトラウス / 4つの最後の歌
ワーグナー(ヘンク・デ・フリーハー編) / 楽劇「ニーベルングの指環」―オーケストラル・アドベンチャー(1991)
指揮:エド・デ・ワールト
ソプラノ:スーザン・バロック

今夜はスーザン・バロックさんの立派な歌を存分に聴かせていただきました。シュトラウスが約24分、後半のリングは、“Starke Scheite schichtet mir dort!”から大詰めまで約15分だから、オペラのひと幕ぶん以上歌ったでしょう。コヴェントガーデンや新国立劇場でのブリュンヒルデは高く評価されていますが、さすがにこなれた歌唱でした。やや暗い音色で質感はたっぷり、歌詞はしっかり聴き取れます。ちょっと華やかさがないのは、即物的に分析すれば、高次倍音成分が少ない声で、ここという所での通りがやや足りないからなのか。しかし長いフレーズを自在に繰り出す情感のこもった歌唱に感じ入りました。

「九月」の最後の部分は、出版譜とは違う歌詞の符割りでした。上の譜例をクリックすると拡大します。B&W総譜fig.Fのところ、上段が出版譜の割り付け、下段は今夜バロックさんが歌った割り付け、“V”印は、私が確認した彼女のブレス位置です。シュヴァルツコップもこの符割りで歌っていましたね。“Four Last Songs”という名称をつけたのは当時のBoosie&Hawkes編集長だったエルンスト・ロスであり、原稿出版譜もB&Wが唯一ですが、ここは歌手によって符割りが違うようです。どうでしょう。たしかに下段の符割の方が、Augen(「眼」)のアクセントが自然だし、Langsam(「ゆっくりと」)のニュアンスが一層引き立つ気がします。また、楽譜通りだと“müdgewordnen Augen”をワンブレスで歌うのはほぼ不可能で、どうしても形容詞“müdgewordnen”の後にブレスが入りますが、ことばのつながりとしては、下段の符割でここを一息にした方がより自然です。ただ、フェリシティ・ロットのように、楽譜通りの符割でのすばらしい歌唱の例もあります。

後半のリング、N響の演奏はすばらしかったと思います。乱暴なところがなく、美しい響きのヴァーグナーでした。ジークフリート2幕2場、森の場面の木管はうまかった。テノールチューバ、トロンボーン、バスチューバの和声がどこをとっても濁りのない響きで見事。弦も泡立つように豊かに響いていたように思います。デ・ワールト氏はN響初登場ですが、なかなかのヴァグネリアンのようです。

非常に楽しい演奏会でした。

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