HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

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東京都交響楽団第683回定期演奏会Bシリーズ
2009年6月24日(水)サントリーホール
指揮:小泉和裕
ホルン:西條貴人
ストラヴィンスキー:交響的幻想曲「花火」 op.4
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第2番 変ホ長調
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」 ニ長調 op.29

贅沢な楽員の使い方。ストラヴィンスキーのは演奏時間約5分だが、これだけでパーカッション4人、ハープ2人、ホルン2人は「あがり」。「花火」はスピード感あるスマートな演奏だった。トランペットのトップどなただったか、かっこよかった。

シュトラウスのコンチェルトは、西條さんが好演。非常に難しい曲だから、ソロ、オケともにミスが目立つところもあったが、魅力的な音色だし、音楽全体のプロポーションというか、姿かたちが上品で美しい。アレグロの最初の独奏、ソロの分散和音進行でes-moll, f-mollと転調していくあたり(上記譜例(注))の音色の変化や間合いの取り方、アンダンテの静かな歌はとても美しかった。[注:in Esの記譜なので、実音は長六度下。]

チャイコフスキーの第3シンフォニーは都響初らしい。確かに第4以降の音楽語法が完成されたマスターピースではないが、スワンレイクを書く直前でそういうスケッチをためていたのか、バレエにそのまま使えそうな楽想が次々と溢れてきて、これはこれでチャイコフスキー節たっぷりの魅力的な音楽。中間楽章はちょうどディヴェルティスマンやキャラクターダンスといった風情だし、終楽章のロンドは、全幕ものバレエの半ば、おきまりの舞踏会の群舞にこそふさわしい華麗なポロネーズ。緻密な合奏でメリハリをつけ、決して濁らないがダイナミックな強奏、弦の豊麗な歌、立派な管楽器ソロ。大人の音楽だなあ。小泉さんと都響の美点が存分に発揮された美しい演奏だったと思う。あと、管楽器のソロがぱあっと飛び出してくるようなあの立体絵本のような感じがもう少しだけあれば、正真正銘のワールドクラス。

今夜のエンカナさんは、大熱演だった。アレグロのコーダ、piu mossoにさしかかる辺りなんか、矢部さんよりもずっと大きく体を揺すって、コンマスを煽りたてるような風情。ん、どっちがコンマスだ?メトロポリタン・オペラへの留学前のおそらく最後の定期、立派な置き土産になった。

小泉さんは、4月に続いての好演。やはり相性いい。

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