HKの音楽夜話

在京オーケストラの定期公演を中心に、コンサート、オペラのレビューを掲載します。

NHK交響楽団

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

さきほどN響アワーでリサ・バティアシュヴィリのショスタコが放送されました。改めてすごい。1月の日記( http://blogs.yahoo.co.jp/kamata60/archive/2009/01/10 )で絶賛したが、印象は全く変わらない。彼女のあの広いNHKホールに響き渡る鈴が鳴るようなハイトーンはテレビでは再現できないが、厳しくも美しい、電気が走るような音楽は十分に楽しめた。西村さんもたまげておられたが、そうだろう。あの日の会場ではほとんどの人がたまげた。

年明けに始まる2009年ベストソリスト投票の最右翼だろう。ひっぱりだこで忙しいんだろうが、来年も呼んでほしい。もう何年も先までエンゲージメントがつまってるんだろうなあ。。。

N響10月Aプロ

NHK交響楽団第1656回定期公演Cプログラム 
10月24日 ( 土) NHKホール
プレヴィン / オウルズ(2008)[日本初演]
モーツァルト / ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ショスタコーヴィチ / 交響曲 第5番 ニ短調 作品47
指揮:アンドレ・プレヴィン
ピアノ:池場文美

先週のAプロに関する日記で、次のように書いた。
「マエストロはオーケストラを決して追い立てない。自分のこれまでの経験上、彼がすばらしい演奏を聴かせるのは、オーケストラが曲を十分知った上で自発的にぐいぐい弾いて、そこにマエストロがところどころ美しいニュアンスをつけていくような絶妙なコンビネーションが実現するようなときだと思う。」

今日のCプロは、まさにそういう機会だった。オーケストラは、ショスタコーヴィチのこの曲を知り尽くしている。しかも、シュトラウスのドメスティカと比較すればずっと合わせやすいだろう。全曲を通じて、遅めのテンポながらメリハリよく聴かせ、マエストロのスパイスの効いた指示がとても有効だった。オーケストラの出来はやはりモティベーションによって大きく左右されるのだろう。勝手知ったる名曲、このマエストロのために渾身の演奏を、という意気込みが音になった。管楽器ソロも自分としてはベストメンバーで、満足。フルートは客演首席が続いているが、今日の宮崎由美香さんははっとするような美しい音色と連綿とした節回しすばらしかった。結局、新トップはだれになるんだろう?クラリネットはだれだったのかな?

オウルズ(Owls)って、ふくろうのことですが、もちろん初めて聴く曲。題名を見たときは、そういえば、マエストロのお姿は、ちょっとふくろうに似ているなと思った。森のいろいろな生き物をソロ楽器のペアで聴かせるという趣向の曲らしい。プレヴィン氏らしいセンスの良い曲だった。

コンチェルトを弾いた池場さん、きれいに弾いておられたが、ちょっとオーケストラの中に埋もれてしまって、華やかなところが足りないかなという印象。マエストロに気を遣い過ぎ?

N響10月Aプロ

NHK交響楽団第1656回定期公演Cプログラム 
10月24日 ( 土) NHKホール
プレヴィン / オウルズ(2008)[日本初演]
モーツァルト / ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ショスタコーヴィチ / 交響曲 第5番 ニ短調 作品47
指揮:アンドレ・プレヴィン
ピアノ:池場文美

先週のAプロに関する日記で、次のように書いた。
「マエストロはオーケストラを決して追い立てない。自分のこれまでの経験上、彼がすばらしい演奏を聴かせるのは、オーケストラが曲を十分知った上で自発的にぐいぐい弾いて、そこにマエストロがところどころ美しいニュアンスをつけていくような絶妙なコンビネーションが実現するようなときだと思う。」

今日のCプロは、まさにそういう機会だった。オーケストラは、ショスタコーヴィチのこの曲を知り尽くしている。しかも、シュトラウスのドメスティカと比較すればずっと合わせやすいだろう。全曲を通じて、遅めのテンポながらメリハリよく聴かせ、マエストロのスパイスの効いた指示がとても有効だった。オーケストラの出来はやはりモティベーションによって大きくされるのだろう。勝手知ったる名曲、このマエストロのために渾身の演奏を、という意気込みが音になった。管楽器ソロも自分としてはベストメンバーで、満足。フルートは客演首席が続いているが、今日の宮崎由美香さんははっとするような美しい音色と連綿とした節回しすばらしかった。結局、新トップはだれになるんだろう?クラリネットはだれだったのかな?

オウルズ(Owls)って、ふくろうのことですが、もちろん初めて聴く曲。題名を見たときは、そういえば、マエストロのお姿は、ちょっとふくろうに似ているなと思った。森のいろいろな生き物をソロ楽器のペアで聴かせるという趣向の曲らしい。プレヴィン氏らしいセンスの良い曲だった。

コンチェルトを弾いた池場さん、きれいに弾いておられたが、ちょっとオーケストラの中に埋もれてしまって、華やかなところが足りないかなという印象。マエストロに気を遣い過ぎ?

開く トラックバック(1)

イメージ 1

イメージ 2

NHK交響楽団第1655回定期公演Aプログラム 
10月17日(土) NHKホール
W. リーム / 厳粛な歌(1996)
R. シュトラウス / 歌劇「カプリッチョ」作品85から「最後の場」*
R. シュトラウス / 家庭交響曲 作品53
指揮:アンドレ・プレヴィン
ソプラノ:フェリシティー・ロット*

若き日の私の音楽体験を豊かにしてくれたお二人の芸術家との再会。マエストロはN響に頻繁に来演されているが、デイム・フェリシティの歌を聴くのは本当に久しぶりだった。デラ・カーサやシュヴァルツコップフを録音でしか知らない私にとって、劇場のシュトラウス体験は、グンドゥラ・ヤノヴィッツからはじまった。彼女が一線を退くのとほぼ同じ頃、デイム・フェリシティの舞台を初めて見た。25年くらい前、たしかコヴェントガーデンでのローゼンカヴァリエだったと記憶する。ぴんと張りつめた声でシャープな輪郭をつくり、厳しいまでの凛々とした舞台姿が印象的なヤノヴィッツとは一味違って、クリーミーでよく伸びる柔らかい声で、瀟洒なコケットが素敵な美しい舞台姿だった。マエストロ・プレヴィンには、ロイヤルフィルハーモニー、ヴィーナーフィラモニカとの美しいシュトラウス、ブラームス、ハイドン、ウォルトンなど、生涯の宝となる美しい演奏を聴かせていただいた。

今夜のマドレーヌのモノローグ、全盛期にくらべると、高音域でのフレーズの滑らかさがやや失われたとはいえ、気品ある歌い回しと長身の美しい立ち姿は昔のまま。そのままマドレーヌとして劇場の舞台に立てるような、オレンジ色のローブデコルテにワインレッドのガウンをはおったような衣装。ディクションはあいかわらず美しい。’u’, ‘o’の深い音色、アクセントの有無による’e’の音色の使い分けなど、本当にドイツ語の母音が美しい。“Kannst du mir raten, kannst du mir helfen ...”のところで夢見るような淡い音色、内省的な歌い回しにさっと変化するところは昔のまま。

今夜の演奏は、執事役のバリトンがいなかったので、月光の間奏曲のあと、執事の“Wo ist mein Bruder?”から“Morgen Mittag um elf”までの34小節を省略。最後の“Frau Gräfin, das Souper ist serviert.”は伴奏だけ。間奏曲がA-durで終わって、中抜きで突然G-durってのは、ちょっと違和感あるな。。

伴奏については、つらいところがあった。劇場での演奏経験がないのだから致し方ないが、オーケストラがこの曲の美しいイディオムを自分たちのものとしていない感じ。アラ・ブレーヴェ風にリズムをとるようにとの指示がある“Ihre Liebe schlägt mir entgegen...”のあたりはもっと流れてほしい。“für Olivier den starken Geist...”の直前は、アンサンブルが危なかった。

ドメスティカは、もうしわけないが、雑然とした演奏だった。マエストロはオーケストラを決して追い立てない。自分のこれまでの経験上、彼がすばらしい演奏を聴かせるのは、オーケストラが曲を十分知った上で自発的にぐいぐい弾いて、そこにマエストロがところどころ美しいニュアンスをつけていくような絶妙なコンビネーションが実現するようなときだと思う。今夜はどんどん重くなっていくような感じで、酔えない。演奏記録は知らないが、N響はこの曲をそれほど演奏していないのでは?何度か危ないところをマロさんがうまく事態収拾していた。

フルートは先月に続いて渡邊玲奈さんが客演。先日定年退団された磯部さんはB管クラ2人の左側で、A管のパートを吹いておられた。

冒頭のヴォルフガング・リームの作品、はじめて聴いたが、なかなか美しいと思う。ややこしい音が入っているが、基本的には冒頭と最後のクラリネット、途中の弦楽合奏にD-durのトナリティがはっきりと聞こえる。もやの中からブラームス風の音が聞こえてくる感じ。

最後にひとつ、なぞ。添付の楽譜、マドレーヌがモノローグの中で歌うソネットです。作詞:オリヴィエ、作曲:フラマン。矢印は、詩の強音節。この詩は、イアンブス(iambus:強弱格)という韻律で書かれていて、強音節と弱音節が交互にリズミカルに現れます。手書きの矢印は、詩の強音節を示していますが、みごとに音楽の強拍をはずしていますね。。。これじゃ、オリヴィエが、“Das schöne Ebenmass ist dahin.”(均整ある韻律が吹っ飛んだ。)と歎くのも無理からぬこと。シュトラウスの名誉ために、2つ目の譜例。「最後の4つの歌」の「春」冒頭です。見事に音楽のリズムと詩の韻律が一致しています。シュトラウスのセッティングは、わざと音楽の強拍と詩韻の強音節をちょっとずらすことによって、意表をつく美しさを醸し出すことがあります(例えば、「ばらの騎士」の三重唱)が、ここまではずすのは、意図的としか思えません。ベックメッサーのお間抜けな懸賞歌なみ。マドレーヌは最後まで結論を明らかにしませんが、このソネットを聴く限り、音楽家であるシュトラウスはやはり、“Prima la musica, dopo le parole”(まず音楽、そして言葉)と宣言しているように思います。ああ、かわいそうなオリヴィエ。。

N響6月Cプロ

NHK交響楽団 第1650回定期公演 Cプログラム 
2009年6月13日(土)NHKホール
ベートーヴェン / ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15
メンデルスゾーン / 劇音楽「夏の夜の夢」作品61
指揮:準・メルクル
ピアノ:ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ
ソプラノ:半田美和子
メゾ・ソプラノ:加納悦子
合唱:東京音楽大学
語り:中井貴惠

プロフィールによると23歳。ステージマナーが少したどたどしい。凝り性で、何かを始めるととことんやるタイプらしい。出てくる音もそのとおりで、確固たる自分のスタイルを持っている。メルクル氏やソロを吹くプレイヤーとたびたび視線を交わすが、メルクル氏もオーケストラも彼のやりたいことに共感する姿勢で、密度の高い音楽表現がつくりあげられていく。遅めのラルゴはテンポをかなり自由に動かす濃厚な表現。同時期に書かれた悲愴ソナタもそうだが、ギャラントでロマンティックなこの音楽には、こういう表現も似合っていて、自分は好きだ。小さい編成のオーケストラとのバランスはいいが、後半に合唱が入るのでいつもよりステージの奥行きが広いせいか、音が散って細かい部分がよく聴こえてこないのが残念。若手ピアニストといえば、昨年来演したヘルムヒェンのどこまでも端正で美しくスキのない完成度ではないが、ヌーブルジェも新鮮な感性が魅力的なピアニストだ。

後半のメンデルスゾーンも小編成、合唱付きの割にはステージの奥行きが深く、やはり細部がよく聴こえない。ソロは舞台奥の合唱手前に配置。ソロも合唱も遠すぎて歌詞が聴き取れない。とくに合唱はa,oなどの母音の発声が浅く、子音も弱いので、少年少女合唱のように聴こえてしまう。楽譜にはセリフと音楽をシンクロさせるタイミングについてこまかい指示がたくさんあるが、そこはよく揃っていたし、中井さんの語りは、さすが舞台経験豊富な俳優らしく、声色の使い分けが見事だったが、そういうタイミングの揃え方にリハーサルの時間をかなり費やしたのだろうか、肝心の音楽は、いつものN響水準に達していないように感じた。これも音が遠いせいでそう感じるのだろうか?ノットゥルノのホルン、もうちょっと長い息で深々とした歌を聴かせてほしい。

この日は,ステージのセッティングにちょっと問題があるんじゃないだろうか。広い空間、深いステージ、小編成で、2階最前列の自分の席でも音が遠いと感じた。

メルクル氏は毎年来演していて、楽しみにしている。昨年の「ペレアストメリザンド」も立派な演奏だった。この日はちょっと残念だった。

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.
kamata60
kamata60
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事