かまちゃんの釣れグレ草2

南九州の離島をこよなく愛する磯釣り師が繰り広げる人間模様

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硫黄島開幕戦2019

kamataさん、1.5mから1mだけどどうする?って船長から連絡が来ました。」
 
奇跡だ!奇跡が起こった。ホントか? 何かの間違いではなかろうか。お世話になっているN村名人からのSNS返信を何度も見直していた。
 
シブダイ(標準和名フエダイ)という魚がいることをご存じだろうか。おそらく、漁業関係者や釣り人以外は決して知ることのない魚だろう。亜熱帯の海に住み普段は深場にいるが、日中の照り混みが強くなる夏場になると浅場に回遊してくる。人間とのコンタクトは少なく、南西諸島や薩南諸島、南九州の半島周り、四国足摺岬周辺などごく限られた地域でしか型見されない。
 
大きくても50cmを超える3kgくらいの体。フィッシュイーターを表す大きな頭と灰色の唇に厳つい歯が並ぶ。うろこは大きく、体高のある均整の取れたピンク色の魚体。体の背中の部分に白い点が見られるためシロテンとも呼ばれている。
 
夜釣りがメインの対象魚で、釣りあげライトを当てるとヒレが黄金色に輝き、神々しい光を放つ。暗い磯場にまるでスポットライトが当たったようだ。そのつぶらな瞳を見つめながら、釣り人は誰もがシブダイの美しさにしばし釣りを忘れる。
 
シブダイが釣り人を魅了するのは、美しさだけではない。食材として価値は、それを口にした誰もが絶賛することからもうかがえる。捌くとオレンジ色の脂(味噌汁に入れるとおいしいらしい)が出てきで驚くが、内臓を抜くと意外や意外きれいな白身が現れる。
 
臭みはほとんどなく身をそぎ切りにすると包丁にべっとりと脂がつく。刺身に煮物、焼き物、中華の食材、あるいはイタリアンとしても料理人納得の味を演出できる。滅多に水揚げされないという希少価値以上に、一般の人は料亭でしか味わえない魚、と言われるほど食材としての価値が高い。
 
そんなすばらしい対象魚であるシブダイを釣ろうと、今年も硫黄島夜釣り開幕戦を迎えていた。硫黄島に通って40年の名人N村さんから今回も開幕戦のお誘いを受けた。今年は、68日〜9日の日程である。
 
シブダイの大型が釣れる可能性が最も高いこのハシリの時期を逃してなるものか。すかさずM中さんにシブダイ釣りの誘いを入れてみる。案の定、二つ返事で了承の連絡が。
 
こうして、釣行日に向けたゴールデンデイズを過ごした後、待っていたのは時化のカードだった。令和元年の夏は残酷だった。後に史上最長の梅雨入しない6月だったにもかかわらず、5月から週末ごとに時化る悪循環のおかげで、6月8日からの開幕戦甘い夢は五月雨とともに露と消えた。
 
kamataさん、6月21日からの日程にしましょう。神様・仏様・キリスト様にお願いしましょう。」
 
N村さんから再びありがたいメッセージを受け取った。あと2週間待てば、シブダイに会える。釣りから学んだ自分にとって最も感謝すべき座右の銘「我慢すること」を反芻(すう)した。開高健だって釣りを「忍耐の芸術」と言ったではないか。
 
暦としては梅雨の時期だが、相変わらず雨が降らない日が続いた。通勤途中で、水を張っているわけでもなく、代かきもままならぬ水田で、手作業で田植えをしている人を見かけた。
それほど暑くならない史上最長となる梅雨入りしない不思議な2週間を過ごした。
 
天気予報はときに残酷だ。釣行日の2日前の降水確率100%、一部に大雨という情報も。N村さんからも
 
「すべての神様は土曜日はダメと言われましたので、夜釣りは中止します。7月6日に延期します。」
 
N村さんの言葉のチョイスにもやや力がない。これだけ雨が降らなかったんだもの。統計学上から考えても白旗を揚げるしかないじゃないか。また、2週間待たないといけないのか。
土曜日はかみはんを温泉にでも連れて行くことにするとしよう。

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枕崎のカツオ料理に舌鼓 

金曜日の勤務を終え、帰宅している時だった。N村さんから着信が届いていた。青天の霹靂、藪から棒、寝耳に水、etc. このタイミングでの師匠の連絡をどのように表現したらいいのか。
 
kamataさん、さっき船長から連絡があってね。『1.5mのち1mだけどどうする?』ってね。」
 
硫黄島への出港が決まった歓喜の瞬間。運転をやめて道の駅の駐車場に停車し、ガッツポーズを何度も繰り返していた。あの100%ダメからの生還。奇跡のどんでん返し、土俵際のうっちゃり、起死回生、崖っぷちからの逆転。いくら自分の大脳皮質から呼び出しても適切な表現が見つからない。
心を落ち着かせてから再びハンドルを握った。23時間後にはもう硫黄島の磯に渡礁している。ぼやぼやしておれない。かみはんに苦笑されながらも準備に余念のない釣り師のプレミアムフライデーを過ごし、当日を迎えた。
 
M中さんが朝9時半に自宅へ到着。午前10時に人吉ICを出発。九州自動車道を南へ下り、指宿スカイラインから一般道へ。M中さんとカツオ定食で遅い昼食をとり、枕崎港に着いたのが出航の1時間半前だった。
 
すでに、数人の黒潮塾のみなさんが集まっていた。懐かしい釣り仲間との1年ぶりの再開。挨拶をすると笑顔で返事が返ってくる。その笑顔の近くにいると、硫黄島のフィールドに立った気になってしまう。ほどなくN村さん、登場。
 
「梅雨前線が下がった理由がわかったよ。Kが来れなくなったからだよ。(Kさんは、残念ながらこの黒潮塾で時化男の大役を任じられてしまったお方である。もちろん、天気の崩れとKさんは全く関係ないことはみな百も承知である。)Kは神だな。」
 
こんな冗談を飛ばしながら談笑していると、船長が登場。硫黄島行きを最後まであきらめなかった泉船長こそが、この釣行の最大の功労者ではないか。

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本日の釣り人は12名。鵜瀬、平瀬高場、立神、ミジメ瀬、北のタナ、ミユキ、洞窟という布陣。今日の潮回りと風向きでは、平瀬低場は用心しておいた方がよいとのこと。私はこの中で相性の良いミジメ瀬をチョイス。M中さんと同礁することに。N村さんは鵜瀬に渡礁だそうだ。
 
ぶるん、ぶるん。
 
命の鼓動は船全体を震わせ、釣り人の心を揺さぶる。一体これからどんな釣りが待っているのだろう。ひどい予報からの復活に釣りに行けるだけでも幸福感を得るべきだと思うが、そこは、縄文人の遺伝子が黙っていない。せっかく来たんだもの、ぜひともシブダイを釣って帰ろう。

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しばらく横になっていると、そんなに長い時間待つという感覚もなく、90分きっかりにエンジンがスローになった。お決まりの鵜瀬からの渡礁である。次に平瀬、そして、船は時計回りに東向きに舵を取った。贅沢にも浅瀬、タジロをスルーし、硫黄島港近くの名礁「洞窟」に。そして、立神の後に、我々ミジメ瀬。硫黄島でも指折りの足場の良い磯に難なく渡礁。
 
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kamataさん、いい上げ潮が流れているよ。サンマの頭を付けて投げて。アカジョウが食いつくよ。」
 
船長の激励を背中に磯場で深呼吸。何度もあきらめかけたこの地にようやく来ることができた奇跡。荷物を平らな場所に移動させながら、ここに来られた幸福感をしばし味わった。思えば遠くへきたもんだ。北部九州の海に近い街で生まれ育った自分が、この南九州を離れた薩南諸島に立っているなんて。偶然の疑いの強い必然がいくつも折り重なりながらミジメに到達している運命をどう考えたらいいのだろう。

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こんな感傷的になったのは一瞬で、すぐに縄文人の遺伝子が騒ぎ出した。その私につながる祖先は、早くサンマを切れ!イスズミを釣れ!時間がないぞと叫んでいる。何かに駆り立てられるように、包丁と簡易まな板を準備し、サンマを付け餌用と撒き餌用に切り分ける。M中さんには、イスズミ釣りをお願いする。(イスズミは、アカジョウやイスズミが大好物で、たとえ皮一枚でも食らいつく抜群の食い込みを演出できる万能餌だ。)
 
ところが、M中さんは上物竿を持ってきているものの大きなタックルしかなく、しかも中通し竿なのにワイヤーを忘れておられた。万事休す。Oh my God! 狩猟民族が神への信仰心を口にしながら嘆くように、私はずっこけた。ここは、「やばっ」が適切な言葉か。ワイヤーがなければ、名竿もただの無用の振り出し棒である。

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ミジメ瀬に到着 ルフィみたいだね

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しかも悪いことに、いつもは元気はつらつでアカジョウやシブダイを守るため、磯の周りを包囲するイスズミ歩兵軍団の勢いが、どういうわけだか全く感じられない。オキアミを撒いてもオヤビッチャや上物師の天敵ソウシハギが時折竿を渋り込むだけだった。
 
こんなにイスズミの気配がないのはここでは初めてだ。イスズミが釣れない時間だけが過ぎる展開で、時計を見るとすでに午後6時を回っていた。こんなことしていたら時間がもったいない。イスズミをあきらめて明るいうちにアカジョウ釣りをするんだ。やはり、興奮した縄文人の遺伝子が騒ぎ始めた。
 
M中さん、イスズミはあきらめて、アカジョウ釣りをしましょう」
 
早速、アカジョウタックルの準備を始めた。竿はダイコーの海王口白に道糸ナイロン20号。錘は30号の真空、37番の瀬ズレワイヤーにワイヤーのアカジョウ仕掛けを取り付け、サンマの頭をつけて海へどぼん。

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潮は、見事な上げ潮が流れている。激流ではないが、アカジョウが釣れるような例えるならトロトロとした流れ。これは、良い潮に間違いない。潮がいかないと釣れない魚だから、このチャンスを逃してなるものか。ミジメ瀬の左側の上げ潮ポイントでカウンター30m〜50mの仕掛けが落ち着くエリアをねらい続けた。M中さんは右側の上げ潮ポイントで釣り開始。久しぶりの両軸リールなのかバックフラッシュを繰り返したり、根掛かりを頻発したりして苦戦を強いられていた。
 
こんな良い潮は久しぶりだなあ。仕掛けの入りもスムーズだ。期待に胸を膨らませること1時間。日没前の午後7時間になっていた。水平線から夜の帳が迫ってくる中で、アカジョウの最後の捕食タイムを期待したが、餌取りらしき反応もなく不安な気持ちを引きずりながら夜釣りへと突入した。

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さあ、シブダイの仕掛けに変更だ。同じ竿と道糸に、丸玉錘30号にTクッション。大型スイベルからは、某釣り具メーカーから新発売された「鮪力」というフロロカーボンハリス20号に、鋼タルメ22号のハリを取り付けた仕掛けを結びつけ5分以内で完成。
 
本日は、下り中潮の3日目。闇夜で漁師さんたちがよく釣れるタイミングだと教えてくれた絶好の潮回り。午後11時ごろに満潮を迎えるまでが、シブダイを釣る絶好のチャンス。活性が高いときは、この硫黄島では第1投目から結果がでることがある。 いきなりシブダイが食いついてくるということがよくあるのだ。

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仕掛けをカウンター34m位の本命地点で仕掛けを落ち着かせる。このミジメ瀬は、何度も乗っているので、ある程度の経験と知識がある。ここはあまり遠投する必要はないと思う。カウンターで30〜35m位がいいようである。
 
真っ暗な中で、竿先のケミホタルがピクピク律動。そして、そのケミの灯りが一気にお辞儀する。そして、竿をもってやりとりを始める。こんな極めて至福の時を期待しながら待つ時間というのはなんともタマラナイ。
 
しばらくして、仕掛けを回収してみる。サンマの頭は全く触られておらず、根元の内蔵や肉の部分だけが盗られている。活性はないわけではないが、あまり食い込みがよくなさそうだ。
 
そこで、あまりの食いの渋さに、また、餌取りの活性の少なさに、船長から餌取りがものすごいことになるから禁じられていた撒き餌をすることにした。撒き餌効果はいかに。
 
サンマの頭を4,5回試したが、魚の食い込みには至らないので、N村さんから頂いた小イカを装着。すると、これはさすがにすべて盗られてしまった。まだ見ぬ好敵手は、イカが好物とみえる。
 
ここで、イスズミの出番といきたいところだが、残念なことにイスズミの切り身は今回はなし。そこで、サンマを三枚に下ろして身から骨を抜き、柔らかいところだけを針にぐるぐる巻きにした。中々良い反応が返ってきた。どうも我々が想像している以上に、海の中はまだまだハシリの時期のようだ。
 
だんだん、魚がこちらに近づいてくるような気がする。そして、もっと魚の距離を縮めるために、餌を小イカとサンマの三枚下ろしのブレンド食を用意した。柔らかい餌が好きそうな相手に対しての心遣い。自分が食わせたい餌ではなく、相手が求めている餌を提供する姿勢。これって、釣り師はまるで料理人のようなものではありませんか。
 
そんなことを考えてドキドキの楽しい時間を過ごしている最中に、久しぶりに気持ちよく竿先がお辞儀した。
 
おっと、油断してたよ。竿尻をお腹に当てて、戸惑いながらも竿を強引に立てることに成功。手応えから、本命の予感が全身に伝わってくる。まずまずのサイズじゃないの。
 
魚を浮かせてわずかな光から魚のシルエットでそれが本命のシブダイであることがわかった。一気に抜きあげて、ミジメ瀬のど真ん中に持っていく。

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キャップライトを当てて改めて、今釣り上げた魚がシブダイであることを再確認。黄金に光るヒレに赤みがかったピンク色の美しい魚体。南九州の磯の夜釣りで最も釣り人を魅了すると言われるシブダイ開幕第1号との初対面。なんとまぶしい魚だろう。40cmを少し超える許せるサイズにしばし見とれてしまった。時計を見ると午後8時40分を回っていた。釣り初めて1時間。まずは1匹釣れたことに小さな安堵感を覚える。
 
やはり、ハシリの時期だけに小イカに分があるね。だが、小イカだけでは、餌取りの餌食になってしまう。そこで、小イカを守るようにサンマの三枚下ろしを取り付ける。または、その逆でもいい。こうすれば、餌取りらしき魚がつついたとしても、餌を全部食べきれないうちに本命シブダイがやってきて食い込むという算段である。
 
2尾目もブレンド作戦だった。さっき抜きあげるところでバラしてしまった後、ケミが勢いよくお辞儀した。
 
手応えはどうだ。うん、軽いね。抜き揚げた魚は、シブダイのようだが、この辺りでもよく釣れるオキフエダイだった。オキフエダイもシブダイに負けないおいしい魚だ。当然キープだ。9時を少し回ったところなので、11時満潮だからこれからがチャンスのはず。

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さらに、10分後、今度は前アタリもなく、いきなり竿先が海面に向かって突っ込んだ。う〜ん、重い。期待できるサイズと思いきや、途中からかなり軽くなった。抜きあげる。40弱の体高があるシブをゲット。
 
「よかなあ。」
 
M中さんから祝福の声が。だが、M中さんは、バックフラッシュの多重債務に陥ってしまい、釣りができない状況にあった。久しぶりの両軸リールはM中さんに冷たかった。

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さあ、これから時合いが来るはずだ。M中さんも気になるが、ここは釣らなきゃ。しかし、意外な沈黙が続いた。9時台も後半になると鹿児島でキダカと呼ばれるウツボをゲット。どうりで引かなかったはずだ。美味しいらしいが捌けないので、残念ながら海にお帰り願った。
 
潮はよく流れているし、状況はいい感じだけど。釣果につながらない。10時10分過ぎにようやく明確なアタリをものにした。抜きあげて磯に横たわらせた魚はやはりシブダイだった。これも40cmそこそこ。スリムなモデル体型だ。ヒレが大きめの個体でかっこいい。

 

さあ、もうすぐ満潮だ。今のうちに! しかし、また釣れないまったりとした時間がやってきた。このころようやくM中さんも釣りに参戦。これからというところだったが、11時半となり満潮の潮止まりの時間を迎えた。
 
M中さん、満潮だから飯にしましょうか」
 
これからというときだったM中さんは、後ろ髪引かれる思いで休憩に。今回のメニューはソー麺とホルモン煮込み。今夜は、24度くらいの爽やかな夜だったので、ソー麺というタイミングではなかったが、磯で食べる状況と空腹が最高のスパイスを効かせてくれた。釣り談義に花を咲かせながら休憩。縄文人もボクらと同じように釣りをしては休んでどうでもいいような非生産的な話を楽しんだに違いない。

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消化管に食べ物が入ってくると、血液がそこへ集まってくる。眠くなるのは、ごく自然なこと。ここまで、シブが4、オキフエダイが1。前半戦としてはまずまずの展開ではないか。今は、夜中だし、魚もそこそこ釣ったし、仮眠することにするか。
 
ミジメ瀬は平らな磯なので、寝るとき場所に困ることはない。M中さんは釣りをすぐに再開するらしい。自分は、少しでも休憩をして後半戦の釣りに備えることにした。波の音を聞いてうとうととしているといつの間にか眠ってしまった。
 
何かの気配を感じて目が覚めた。時計を見ると午前2時を少し回っていた。少し寝坊したらしい。
 
M中さん、釣れましたか?」
 
「うん、2匹」
 
おっ、よかった。M中さんいつの間にかシブダイを2尾釣っていた。クーラーを除くと42cm位のまずまずの型が収まっていた。
 
「潮は、どうですか」
 
相変わらず、上げ潮のポイントで釣っていたので、思わず尋ねてしまった。
 
「満潮過ぎて少し下げに行きかけたけど、潮はずっと変わらんよ。」
 
今日は、結局上げの一本潮だったようだ。
 
その後、明け方までに、私が3枚、M中さんが2枚追加して、夜釣りを終えた。夜中からは、サンマの頭にシブダイがよく食いついていたというのはM中さんと一致した意見だった。
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明るくなったらもうシブダイではなく、最後のチャンスアカジョウタイムが待っている。昨日の夕マズメ仕掛けを結びサンマの頭を付けてトライ。
 
午前5時から最後の朝マズメの釣り開始。この潮ならアカジョウがいれば、もしかして食いつくかも。仕掛けを何度も打ち返すが、魚からの頼りはナッシング。今回も幻の魚はお留守かな。そうやって、よそ見しているときだった。
 
異変を感じてタックルを見ると、なんと海王の竿先が海中に向けて突っ込んでいるではありませんか。あわてて竿尻をつかみ、相手の突進をとりあえず止める。今までで一番の引きだ。これは、海中に引きずられるかも。50代後半とは思えない海老反りの体制で竿を立てて魚の動きを止めた。これはかなり強烈だな。そのまま体を磯に倒して寝技に持っていく。絶対に魚に主導権を握られないように魚との距離を縮めた。「これは確実に取れる」勝利を確信した私は、立ち上がって魚を手前に遊動する。
 
何という魚だろう。いや、このタイミングでこの強烈な当たりなら、もうあの魚しか考えられないではないか。シブダイよりも貴重で、シブダイに匹敵する食味を見せてくれる超がつく高級魚「アカジョウ(バラハタ)」しか。
 
さあ、いよいよランディングだ。魚の顔を見るときがきた。さあ、赤い魚よ、おいで。ところが、水面を割ったのは、赤ではなく口のとんがった茶色の魚だった。がーん。力が抜けた。4kgクラスのタバメ(ハマフエフキ)だ。えっ、この明るい時間帯で食うんだ。タバメが。針が見事にタバメの地獄を捉えていた。タバメは、フライで最高に美味しい魚だが、アカジョウを期待していただけにショックは大きい。この釣果を合図に竿をたたむ決心をした。

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私は、最後に見事な失態をやらかしてしまったが、M中さんは、朝まずめは蛸と格闘していた。硫黄島に蛸がいるなんて。ところがその蛸は意外に大きく、釣り人のやりとりを全く寄せ付けなかった。大きな吸盤で磯に張り付き、浮いたと思えば、また磯に張り付くの繰り返し。どうしても取れないと悟ったM中さんは蛸を釣るのをあきらめるしかなかった。縄文人ならどのようにして蛸を捕っただろう。
 
船は6時半頃迎えに来てくれた。離島の磯の朝の清々しさは例えようもない心地よさ。今まで釣りに夢中で気づかなかったが、小鳥のさえずり、朝焼けの空、コバルトブルーの海、波間に翻弄されるユーモラスな蟹などの小動物など様々な磯場を彩る事物が存在する。
 
ボクの遺伝子につながる祖先である縄文人は、ボクと同じ魚を捕り、同じ情景を見て、心を癒やしていたのあろうか。釣りをしているときにキミは一体どんなことを考えていたのかい? 家族はいたのかい? また、来るからそこで待っていてくれよ。そんなことを遠ざかるミジメ瀬に語りかけながら硫黄島のクルージングを楽しんだ。
 
この日は、どの瀬でもよく釣れていて、鵜瀬では、2人で43枚の大爆釣劇が起こっていた。みゆきでも平瀬でもデカバンのシブの気配がムンムンしていたとのこと。港では、クーラーを開けての魚の品評会が行われていた。釣れたときは、釣り師は自然とクーラーの蓋を開けたがるもの。船長も久しぶりの大漁にご満悦だ。
 
離島の底力をまざまざと見せつけられた今回の釣行。自分の先祖と更新しながら魚と対峙できる硫黄島の磯をいつまでも通い続けたいと、港に着くやいなや次の釣りを画策するのであった。
2019年5月5日 宇治群島釣行記


で、で、でかい。またしてもやられた。


悔しさというより、圧倒的な力を見せつけられ、自分がいかに無力であるかを悟ると同時に相手への畏敬の念さえ覚えてしまうのだった。


新元号令和のお祝いムードの中で迎えた大型連休後半。ぼくは、宇治群島の磯に立っていた。


ねらいは、勿論磯上物釣りのステータスシンボル尾長グレである。宇治群島へ誘う南九州の最強渡船サザンクロスに3月から予約を入れていた。同行者はuenoさんとその息子Yくんである。


出港を知らされueno号で集合時刻前に串木野港に到着。


「少なかなあ。」


港についてすぐuenoさんが異変を感じてこう呟いた。確かにだ。


なぜなら、サザンクロスは大変な人気渡船で、予約を取るためには、かなり前から連絡をいれなくてはならないことが多い。


特に、尾長グレ釣り最盛期やGWでは、


「キャンセル待ちになりますけどいいですか?」


と言われてしまう。


それなのに、この日集まったのは15人ほどだった。(もちろん、2日前の出港では30人くらいはのっていた模様)


実績が高い磯に乗せてもらえる確率は高くなったので、歓迎すべきところだが、良い状況ではないのかもしれないという不安も。
イメージ 1


やがて、船長がやってきた。軽やかなステップを踏んで船内へ。


ぶるん、ぶるん。


船に命の鼓動が灯され、暗闇の串木野港の一角に白色の清々しいネオンサインが現れた。そのエンジン音を合図に釣り師たちの動きが静から動に変わる。


kamataさん、荷物を積んでください。」


一番初めに名前を呼ばれた。ということは一番最後の渡礁かな、などと想像しながら荷物を取りに行く。釣りという強い絆で結ばれた初対面同士が、共同で荷物を船に積んでいく。ラグビーの「One for all. All for one.」を彷彿させるこの場面がわりと好きである。


午後11時半を過ぎた頃、釣り人の熱気はサザンクロスを予定より30分早く暗闇の串木野港から離れさせた。


波予報1mという外海にもかかわらず信じられないほど凪の東シナ海を、対馬暖流に逆らって快調にとばすサザンクロス。この大型渡船は、秀逸極まりない。大きく揺れないし、エンジン音も比較的静かだ。安心して船底で横になっていると、いつものようにいつの間にか眠ってしまっていた。


 


どれくらい時間がたっただろうか。時計を見ると、船が走り始めてすでに3時間が経過していた。そろそろ宇治に到着する頃だと、身構えているとエンジン音がスローになった。


さあ、いよいよ渡礁だ。しかし、最後の方の渡礁だろうから慌てる必要はないと、ゆっくり起き上がってみると、さっきまでいたはずの釣り人が消えていた。いち早く宇治をこの目に焼き付けたい釣り人たちが我先にキャビンの外に出たようだ。

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我々も磯ブーツをゆっくりとはき、キャビンの外へ出た。船がゆっくりとサーチライトを当てた巌に近づく。漆黒の波が磯場を洗っているがサラシはほとんどない。一人の釣り人が歓喜の表情を浮かべて渡礁。船長がいつものように丁寧なポイント説明。


「ここはどこやろか。」


Uenoさんがつぶやくものの、おそらく、宇治群島の北に位置する家島の北側周辺の磯だと思われるが、真っ暗闇で位置が全く分からないので、反応できずにいると、


kamataさん」


と思いの外早く声がかかった。


「ガランのハナレはどうですか。3人一緒なら。2人と1人に分かれるならガランの水道もいけますよ。」


船長のありがたい申し出だが、3人で楽しく釣りをすることが目的に我々は、ガランの水道という有名ポイントをあきらめることに。


荷物を船首部分に集めて姿勢を低くし渡礁の瞬間を待つ。もう、百回以上も同じ姿勢をしているが、何度体験しても緊張の瞬間だ。


タイヤが岩場に激突し、ワンバウンドして上の段に接岸。


「どうぞ。」


渡礁のタイミングまで教えてくれる船長の親切な声かけで岩場に乗り移る。ここは2度乗ったことがある。着陸地点は斜めに傾いた危険な岩場だが、上に比較的平らで広い場所があることが分かっているので安心して荷物を受け取る。


宇治群島でも尾長グレの実績が高い「ガランのハナレ」に渡礁できて3人でにんまり。前回乗ったときは、50upの尾長グレとヒラマサをゲット。口太ももういらないってくらいに釣れた。尾長のポイントは船付けの左側のワレ。裏のワンドは口太の数釣りポイント。


暗闇の中にところどころ人工的な明かりが見える。このガランまわりにたくさんの釣り人が乗っているようだ。ガランのハナレ北には、他の釣り人が乗っている。「南東が吹いてくるから」という船長の言葉通りその風裏になる場所に乗せてもらったようだ。


さあ、タックルの準備だ。竿はダイワメガドライ4号遠投。道糸8号ハリス8号。小サイズ(おそらくG2くらいの負荷と思われる)の電気ウキ。ここのタナは浅いはずだと、2ヒロから始めることにした。


前回尾長を釣ったポイントはuenoさんが陣取り、息子さんがその隣に釣り座を構えた。親子釣りを邪魔しまいと、ぼくは裏のワンドに釣り座を構えることに。


最初の尾長チャンスタイムに、最高にドキドキする時間を迎えたが、どういうわけだか全く生命反応がない。撒き餌を少しずつ間断なく撒いて魚を寄せようとするが、付け餌はそのまま返ってくるだけのむなしい時間が過ぎていく。

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たまに、仕掛けに食いついてくれるのがイスズミ歩兵軍団。そのイスズミ軍団でさえ覇気が感じられない。尾長グレの気配が全くない中、船付けの親子の様子をのぞきに行く。「uenoさん、どげんですか?」


「全くバイ。魚のおる(がいる)気配のせん(気配がしない)。」


息子さんもたまにイスズミを釣るくらいで、全く生命反応がないんだとか。赤アミが、むなしい煙幕をたなびかせていくだけ。期待で胸が張り裂けそうになっていたが、残念なことにあっという間に夜が明けてしまった。

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まあ、最初の夜釣りがだめでも次があるさ。ゆっくり口太釣りを楽しもう。夜が明ければ状況は好転するさ。今後の展開を全く心配することなく、昼釣りのタックルを準備した。


竿は、がま磯アテンダー1.2号。道糸1.75号、ハリス1.75号。ウキはジャイロ0αの全遊動。尾長はいそうにないからと口太釣り専用仕掛けを準備した。


夜が沈黙の海でも昼になれば変わるさ。なんて楽観的になっていたのは釣り開始1時間までであった。


マジか()。撒き餌しても魚は見えず、魚からの反応は全くなかった。これほど生命反応がないなんて、ここは本当に離島か?火星かよ。

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仕掛けを投げては、餌のついたままの仕掛けを回収する無限ロールプレイングゲームにハマってしまった。いつこの状況から抜け出せるのか、出口の見えないトンネルを進んでいるような釣り。この釣りに嫌気がさしたのか、息子Yくんは離脱。仕事の疲れからなのか、早くも上の高いところであまりにも早いシエスタを楽しんでいる。


「こらまったくバイ。釣れる気がせん。」


Uenoさんも吐き捨てるように独り言を。かく言う自分も裏のワンドを見限って、船付けに移動し、釣りをするでもなく、ただトドのように横になって海を見つめる時間が多くなってしまった。


ここは本当に離島か! 周りをみれば、信じられない光景が飛び込んできた。近くの磯に釣り人が見えるのだが、釣りをしている釣り人はいなかった。みな私と同様に磯に横になっているのだった。まるで動物園の類人猿の山にでもいるように。魚の活性が釣り人をただのごろ寝おじさんに仕立ててしまった唯一の原因に思えた。ボクもuenoさんも休んでは釣りを再開、しかし、すぐに休憩。このパターンでいたずらに時間だけが過ぎていった。


それでも、ここまではまだ希望を持っていた。あのね、ここは離島だよ。魚はいるんだ。いつか潮が変わったりしたら、きっと食い気を取り戻してくれるさ。そんな淡い期待を打ち砕くやつが突然現れた。目の前が真っ暗になるのがわかった。


釣り人にとって最強の餌盗りとは何だろう。餌盗りとは、文字通り、本命の魚の口元に餌が届く前に喰ってしまう釣り人にとってはやっかいな存在である。具体例を挙げると、スズメダイ、キタマクラ、ネンブツダイ、コッパグロ、チャリ子など。また、足の速いアジゴやサバゴなどの青物の子は足が速いだけにさらにやっかいな相手だ。


離島に行けば、夜釣りではマッカーサー元帥と呼ばれるナミマツカサ、そして、永遠の敵であるイスズミ歩兵軍団が磯周りを包囲する。これらの難敵をかわしていかに本命を釣るかがこの釣りの醍醐味の一つだと言っていい。


ところが、この宇治群島にはさらに手強い最強の餌取りが待っていた。生命反応のない海に時折、黒い影が見えることがあった。デカバンの尾長グレでは?と、一瞬期待をもたせたが、よくよく考えてみるとその体長は2m位ありそうな感じ。


2mの尾長グレなんているはずがない。まさか。そう、その正体がわかるまでに数秒しかかからなかった。


「でたー。Kamataさん、鮫のおっばい(いるよ)。」


Uenoさんが悲鳴に近い絶望の声を上げた。鮫より怖い餌盗りはいないよね。でも、鮫がいるということは、尾長グレもいるということだよね。こう強がってみたものの、早速、絶望の鮫の餌付けショーがスタートした。Yくんがイスズミを食わせた途端に、海面が盛り上がり一瞬にして釣った魚をくわえて持って行ってしまった。何度くわせても、鮫に狙われ、最悪、高切れを起こし、ウキを失う羽目になった。

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宇治にいる鮫は比較的おとなしいという話だが、どうもここは違うらしい。Uenoさんも鮫に仕掛けを持って行かれた。鮫は貪欲だが警戒心も強く、鮫は釣り人に近づこうとはあまりしないものだ。ただ、ここの鮫は違った。どこかの水族館のように体を海面から出して、イルカのように水面をすべっていく。これが水族館での話なら、これほどおいしい場面はない。だが、ここは離島。真剣に魚釣りに来ているというのに、こんな形で邪魔をする鮫に無性に腹が立った。


私も鮫に仕掛けを持って行かれた。鮫は明らかに我々が釣り上げようとする魚が自由を奪われていることをいいことに、釣れた魚に突進し横取りしようとしている。そして、悪いことに警戒心のかけらもない品行方正でない鮫だ。だから、水上まで現れて縦に並んだ鰓孔が目視できるほどに人間をなめきっていた。 ねらいは、勿論磯上物釣りのステータスシンボル尾長グレである。宇治群島へ誘う南九州の最強渡船サザンクロスに3月から予約を入れていた。同行者はuenoさんとその息子Yくんである。


そんな鮫にこのような作戦を打たれ、しかも鮫になめられて悔しいところ。しかし、残念なことは、このことは今の釣り人にはどうにもならないことだった。魚釣りをしばらくの間やめて、鮫が去って行くのを待つしか打開策は見当たらなかった。また、一番の打開策は瀬替わりしかないという確信も3人の一致したところだった。


しばらくすると、船長が見回りにやってきた。


kamataさん、どうですか」


駄目のサインを送る。瀬替わりしたい意思を伝える。


「潮色が悪いですもんねえ。潮が変わると突然喰ってきたりすることがあります。今どこへ(雀島などに)行っても同じだと思いますよ。鮫はどこにでもいますよ。」


船長もどこも釣れていない状況にややいらだっている模様。どこの磯でも瀬替わりの準備をしていたり、釣りをせずにまったりと、磯に横になっていたりするのだから無理もない。「また、見回りに来ます。」そう言い残して船は去って行ってしまった。


いまはとにかくどうしようもない。潮が変わるのを待つか、鮫がいなくなるまで釣りを休むしか手はなかった。


待てば海路の日和あり。どういうわけだか、サザンクロスが近づいてきた。


kamataさん、雀に行きましょう。荷物をまとめておいてください。」


さすが船長。何とか釣らせようという寛容さ。感謝である。このままこのガランのハナレで釣りを続ける意欲を失っていた3人は、歓喜の面持ちで片付けに入った。たとえ、この後、どんなに生命反応がない磯に連れて行かれても納得だ。ここにいては、可能性はゼロに思えた。それならば、瀬替わりして失敗した方がましだ、そう考えていた。

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30分ほどしてサザンクロスがやってきた。ポーターさんに荷物を回収してもらい、船に乗り込んだ。やれやれである。


「鮫がいて大変でした。」


「おとといは、よかったけどね。鮫をかわしてここで(尾長グレの)60オーバーが出ていたよ。」


船長にいつもは気になる一言を浴びせられたが、全く耳に残らない。今はただただこのガランのハナレから離れたかった。船は隼人の水道を横断し、向島の西海岸を走った。空を見上げると、絹雲がちらばっているところ以外は抜けるように青い空。爽やかな5月初旬の磯風を全身に浴びながら、ガランのハナレの失態と鮫との遭遇の記憶を消し去ろうとした。正面に雀島が見えてきた。ぐんぐん近づいてくる。遠くには、尾長グレの巣窟鮫島が見える。

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「よかったなあ。雀にのらるっで。(のることができるので)」


Uenoさんにとって雀島は尾長グレを何度も釣ったことのある相性の良いポイントだけに、自然と笑みがこぼれている。

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これから南東の風が強くなるので、雀島の立神、ワカナ瀬、カドヤなどのポイントは使えないみたい。船は雀島の北をぐるりと回り、西側のやや切り立った巌のそばでエンジンをスローにした。我々が瀬替わりした場所は、後で聞いたが、雀の西の地というそうだ。


狭い斜面のようなところにホースヘッドが着けた。荷物を狭い場所に積み重ねながら何とか渡礁。溝を渡ると広い場所が見えた。夜釣りが安全にできそうな足場の良いところも見える。


「船着けとハナレとの水道をねらってください。潮が満ちてくるのでそこ(船着け)の先端は気をつけてください。多分かぶらないと思うけど。これから南東が吹くので気をつけて。」

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サザンクロスは、他の場所への瀬替わりのため去って行った。ここは、さっきよりも潮色もよさそうだし、期待できそうだ。早速、タックルの準備から始めることにした。


ガランのハナレとの違いは明白だった。今は上げ潮の時間帯。南からほれぼれするような潮が流れている。この潮ならなにかしら魚からのコンタクトがありそうだ。さらに、少し沖をチェックしていると。


kamataさん、沖になにかおるバイ」


何か水面をバシャバシャやっている生き物がいる。早くも久しぶりの生命反応の視認である。この時期に沖でバシャバシャやるといえば、口太しか思い浮かばない。


「浮きグロだ!」


3人のテンションが一気に上昇。仕掛け作りに自然と力が入るのがわかった。ここまで釣ったまともな魚は、uenoさんが朝まずめに釣った足裏サイズの口太のみであった。なんとかしなければ、遺伝子レベルで狩猟本能が立ち上がる。

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潮は相変わらず、沖に向かって左に動いている。その潮筋に浮きグロが行ったり来たりしている。浮きグロは釣れないが定説だが、魚がいることが視認できる中での釣りは、否が応でも釣り人をエキサイトさせる。震える手で仕掛けを作り、船着けに早くもuenoさんが立った。その右横に自分。そして、ハナレ瀬の水道にYくんが入った。

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結果はすぐに出た。Uenoさんが早くも魚をかけた。玉網が入った。引き寄せた魚は40を超える口太。違う!ここはガランとは違う!震える手で餌を付ける。潮の本流の潮壁に向けて仕掛けを流す。予想通り、結果はすぐに出た。ウキが一気に視界から消え、道糸に力強いテンションがかかった。指が滑った。ベールがオープンになったまま、道糸がどんどん出て行った。


あいた、しまった。あわててベールを戻し、やりとりを始めるも時すでに遅し。魚は仕掛けをぶち切って去って行ってしまった。これは釣れる。今がチャンスだ。仕掛けを作り直している間に、uenoさん2匹目をゲット。浮きグロをダイレクトに狙った浮きグレ直撃釣法。


これを見てしまったからタマラナイ。自分も直接浮きグレをねらった。仕掛けがなじむと突然、


バチッ!


魚が食ったかと思いきや、細仕掛けなだけに一瞬にして仕掛けを切られてしまった。何やってんのさ。また、仕掛けの作り直し。その間に、uenoさんは、反応しない浮きグロに見切りを付けて、その周辺をねらって1尾追加。


こちらもようやく仕掛けを作り直し再び参戦。浮きグロ周辺で2尾の口太を釣った。Yくんも初釣果を得て、ガランのハナレでの屈辱から光明が見え始めた。さあ、これからだというところだった。


瀬替わり後、好調な滑り出しだったが、いつの間にか潮が緩くなってしまい、流れも西向きから島を回り込んで南西へと流れるようになった。すると、浮きグロはいつの間にかいなくなり、沈黙の海と化した。竿を絞り込むのはイスズミだけとなってしまった。

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口太は釣れなくなったが、ガランに比べると可能性を感じた。夕まずめに期待しよう。時間はあるゆっくりと釣りを楽しもうではないか。


午後も3時を回ったそろそろ夕まずめの釣りをと体を起こして釣りに参戦した。ところが、ここから再びあのガランのハナレでの惨劇がまっていた。


kamataさん、ここにも鮫のおるバイ」


えっ、そんなばかな。信じたくなかった。こちらのゴリ巻きのスピードが鮫の泳ぐスピードにかなうはずはない。疑心暗鬼で仕掛けを投げて釣りを始める。魚を食わせた。よしっ、あれっ、急に軽くなったぞ。でも、魚はついているようだが。そう思った瞬間。何者か分からない強烈な力が働き、一気に仕掛けを切られてしまった。

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おかしい。また、仕掛けを投げる。魚を食わせる。今度は魚が底へと突っ込み始めたが、なぜだか急に沖に走り出した。あれっと思いきや。再び何者かの強烈な力が働き、一気に仕掛けを切られてしまった。


これはもう鮫の仕業としか考えられなかった。他の2人も鮫の攻撃になすすべもなく立ち尽くすしかなかった。ウキ取りパラソルの仕事が多忙になるだけだった。残念ながら鮫の餌付けショーがここでも展開されるとこになった。


これ以上鮫と遊んでもしょうがない。磯の上に横になって夜釣りのために体力を温存することにした。ほどなく、サザンクロスが見回りにやってきた。あたたかいごはんが届けられる。ご飯を食べて、夜釣りに備えることにした。

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夜がやってきた。尾長グレねらいのドキドキの時間がやってきた。鮫はいなかったが、魚からのコンタクトはなく寂しい夜釣りとなった。たまに、イスズミ歩兵軍団が訪問しに来てくれるだけだった。魚からのアタリがなくなると、睡魔が襲ってくる。Yくんは、午後8時には寝袋へ。私もuenoさんも午後11時頃に寝袋へ。夜中にサザンクロスが見回りにきた。起き出してuenoさんに状況を尋ねてみると、イスズミばかりで全くだめだとのこと。鮫はいないのは歓迎すべきことだが、何のドラマもなく夜明けを迎えてしまった。

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朝になった。さあ、おみやげの口太を釣るとしよう。もちろん、そうあの鮫が再びやってきて私たちの仕掛けを持って行ってしまったことはいうまでもなかった。


で、で、でかい。またしてもやられてしまった。もう何回鮫にやられたか分からない。


もうここまでいくと、鮫に対して厄介者ではなく、畏敬の念いや愛おしささえ覚えてしまう。また、この鮫との「お遊び」をこの宇治群島でやるぞ。そんな気持ちにさえなっていた。

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10時に回収にきたサザンクロスに乗り込み、他の釣り人の軽いクーラーを運びながら、今回の釣りが宇治群島一帯で厳しかったことを悟った。でも、エメラルドグリーンの透き通った海を見ながら、やっぱり離島の素晴らしさを再確認するのだった。

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絶対また来るぞ!宇治群島!
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「kamataさん、尾長ねらいですよね。」
「えっ、はっ、はいっ」

渡船のおかみさんからの不意を突く一言に、思わずかんでしまった自分。そうか。対象魚を口太に照準を合わせていた自分に、もう一人の自分が反駁した。

「解禁」

釣り人にとって、この言葉ほど心躍らされるものはないだろう。4月の解禁と言えば、鹿児島県甑島手打の西磯のそれがまず思い当たる。

甑島伝統のパン粉漁を守るために、11月1日から3月31日までは、地元の漁師しか釣りが許されない手打西磯。4月とは、半年ぶりに一般の釣り人が手打でクロ釣りが許される甘美な時期でもある。

ここで言うクロとはメジナのことで、ある似ている魚と比較するために口太とも呼ばれている。

手打西磯は、実はこの解禁の他に、ある似ている魚「尾長グレ」つまりクロメジナの大型を釣ることができる数少ない場所であることでも有名。

今回は、おとなしく産卵期で食い渋っている口太を狙う釣りを考えていただけに、このおかみさんの一言は、大いに心を揺さぶられることとなった。

そうか、せっかく手打西磯に行けるのに、口太を狙う手はなかろう。磯上物師ステータスシンボルの尾長を狙わない選択肢はない。そんな悪魔の囁きが脳裏をかすめる。

しかし、同時に、尾長をずっと狙って、何も釣れずにボウズで帰ることになったらどうするんだ。釣り人の実力をよく知っている残酷な天使の声が耳をかすめる。

尾長グレは、引きのパワーが口太とは段違いに強く、おまけに口が堅いためタナが合っていなかったりして呑まれると、ほぼハリのチモトで切られてしまう。知能が高く警戒心が強い。ハリスを見切ってしまうので、ハリス切れを防ぐために太仕掛けで臨むと全く喰ってくれない。ならば喰わせるために細くするとぶち切ってしまう。本当にやっかいな魚だ。だからこそ釣れたときの喜びは大きい。尾長グレが人気なのは、こんなところにあると思われる。

手打西磯は尾長グレ釣り場として知られているが、では、どこでも釣れるかと言えばそれは疑問符だろう。やはり、ナンバーワンの尾長釣り場「早崎のハナレ」「大介」などの沖磯群が確立が高い。

「尾長狙いではありません。」

と言えば、即座にこの渡礁レースから脱落してしまうことになる。だから、おかみさんの「尾長ねらいですよね。」の甘美な言葉に、「はい」か「Yes」の返答しか許されなかったのだ。

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今回同行することになったM中さんは、甑島初挑戦。M中さんのためにも、魚が釣れるところに連れて行ってあげたい。こんな算段を飲み込み、荷物を今回の釣りをサポートしてくれるフィッシングナポレオン隼に積み込んだ。

4月も中旬にさしかかったこの日、産卵期で食い渋っている決して良いとは言えない状況の中でも、釣り人の数は裕に20名は超えていた。

ぶるん、ぶるん。

深夜の港の静寂を破って、船はゆっくりと旋回を始めた。これから対馬暖流に逆らって2時間以上の船旅。これまで行きたくても中々実現しなかった手打西磯へ行けるとなると、否が応でも心拍数が上昇してしまう。

狭い船内でたばこ臭、フィッシングウエア独特の臭いに囲まれながら、ひたすら到着を待った。魚の夢をみているうちにいつの間にか深い眠りに落ちていた。

どれくらい時間がたっただろう。エンジン音で目が覚めてしまった。船は相変わらず高速で暗闇の中を走り続けている。ごそごそ起き出して、窓から外の様子をうかがう。船の進行方向に向かって右側に人の暮らしを育むやさしい明かりが見える。

一瞬でそこが手打港であると気づいた。その瞬間エンジンがスローに。船は最初の1組目の渡礁の準備をしている。若いが全く迷いもない船長の運転技術で、あっさりと最初の渡礁体制に入った。

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東磯を代表する地のオサン瀬らしい。船は西磯エリアに入り、シモオサン瀬、赤鼻?灯台下などに渡礁。さあ、これから、名前が呼ばれるのが遅いほど尾長グレに近づく磯に乗れる。そんなことを考えていると、いきなり、

「kamataさん、準備してください。」

この声にあわてて磯ブーツをはき始めた。荷物を船の前方に運んだ。1組前の釣り人が渡礁を始めた。どこかで見たことがあるなと思っていると、そこが名礁「下の村瀬」であることがわかった。ということは、、、。

いよいよ自分たちの番になった。船は少し走っただけですぐにエンジンの出力を弱めた。やっぱり、自分たちが乗る磯は、以前も乗ってよい思いをした「上の村瀬」だった。ここは「早崎」ほどではないものの尾長が期待できる磯だ。

ヤッホー。ここは、確か上の方に比較的広くてわりと平らな場所があったよな。よい磯に乗れた喜びは、6年前に乗った記憶を鮮明によみがえらせた。二人ともとても50代後半とは思えない軽やかな動きで渡礁を済ませた。

「ポイントは、沖向きではなく、裏側です。そこの突き出ているところで釣ってください」

前回の釣りで底物師が陣取っていた場所で、今回は釣りができるようだ。

手打西磯は広大な断崖が続く。渡礁に時間がかかる。夜釣りを考えていたM中さんだったが、水平線が紫色に変わろうとする中、夜釣りは早々とあきらめて昼釣りのタックルを準備するようだ。

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            期待の朝まずめ 下の村瀬を臨む

M中さんは、尾長タックルと口太タックルの2種類を用意。私は、竿は1.5号のメガドライ、道糸2号、ハリス1.75号の食い渋り対策の細仕掛けのみ。えっ、尾長対策は?
実は、今回尾長狙いに秘策があった。それは、通常の2.5号の磯竿に4号道糸というタックルではない初めてトライする作戦である。

これまで、この手打で何度か大型の尾長らしきアタリに見舞われたことがあった。それは、足下の瀬際ではなく、潮の本流が走っているとき、仕掛けをその潮に流していくと沖で喰わせた爆発的なアタリだった。

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               沖向きには 底物師が

圧倒的なパワーになすすべなくハリスを飛ばされた経験から、やはり細仕掛けでは勝負にならないと悟った。50オーバーの尾長グレを夜釣りの太仕掛けなら釣ったことがある。そうだ。その夜釣りの太仕掛けを使って釣るのだ。その太仕掛けでも喰ってくる条件は、潮の本流を流すしかない。

そして、撒き餌の同調を考えるならカゴ釣りという方法があるではないか。こう考え、今回磯バッグの中に密かに伊座敷用のかご釣りセットを忍ばせてきていた。潮の本流が磯を洗うようになると、このタックルで勝負するつもり。さすがに、竿4号、道糸8号、ハリス8号ならデカ尾長でも取れるはずだ。

タックルが完成すると、撒き餌を30分ほど続けた。もうすっかり明るくなっていた。船長が勧めた釣り座は、甑島初挑戦のM中さんに譲り、自分はその右横の船付けでトライすることに。

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このところ良い結果をもたらしくれている御神酒をと、磯にビールを注ぐ。M中さんは、住所・氏名・対象魚までブツブツ言いながら神妙な面持ちで御神酒を捧げていた。釣りを知らない人なら、この光景は新興宗教のあやしい儀式としか写らない。今回の釣りにかけるM中さんの並々ならぬ意欲が見て取れる。

ウキは、ここのところ愛用しているジャイロ0αの全遊動。撒き餌をしても全く魚が見えないことから、まずは食い渋りを想定しての仕掛けからスタートだ。

餌を付けようとかがんでいたところ、左脳の先に強烈なオーラを感じて顔を上げた。すると、早くも第1投で魚とのやりとりをしているM中さんの姿が視界に入ってきた。

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さすが、甑島西磯。第1投からかよ。30そこそこのサイズだったが、ボウスを脱出し、早くも魚を手にしたM中さん満面の笑み。よかった。甑の魚は、初めての客人に優しかった。

こちらも負けてなるものかと、第1投。第1投は餌だけとられたものの、問題点を修正した第2投、第3投では、ウキが一気に消し込み、糸ピンのアタリで魚を2尾手にした。

手前に潮が当たってくる石鯛師が喜びそうな残念な潮なのに、魚の食いつきがよい。おまけに、水中で尻尾の白い魚が餌を拾っている姿が見えた。初めは心配したが、今回の釣りで食い渋りはなさそうだ。

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潮の動くところではなく、泡があって餌がたまりそうなところに狙いを定めた。案の定、魚からの交信が。

おっ、これは太い。早くも今回一番の引きだ。この感覚からして魚のサイズは40オーバーは確定だな。

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浮かせてもいないのに、そんなことを考えているからだろう。魚が手前に急発進。

「やばい」

手前には、少しだが根が張りだしている。やつはこちらが油断したすきを突いて、足下の根に潜り込んでしまった。強引にいかなかったことを後悔するやいなやハリスを切られてしまった。

次のアタリで取り込んだ口太もなかなかの引き。40オーバーだったが、さっきのはこんなもんじゃなかったよなな。

悪いことは続くもの。次は、あり得ないことが起こった。愛竿メガドライが、竿を振ってるとき、ほぼメガドライの竿先がすっぽり入る岩の裂け目に入って抜けなくなってしまったのだ。

磯竿は、魚の魚信にはかなり耐える力をもっているが、それ以外の負荷をかけるとめっぽう弱い。少しずつ慎重に竿先を助けようとしたときだった。まるで、ポッキーというお菓子のように簡単に折れてしまった。

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ああ、なんてこったい。頭の中で修理代の数字が踊っている。ぼやぼやしていられない。竿をがま磯アテンダー1.25号に交代させ、道糸をさらに細い1.75号とした。魚は、初めは活性が高かったものの、徐々にイスズミなどの外道が釣れ始めていた。

水温は18度と言っていたっけ。食い渋りの予想が的中。ウキにわずかなアタリが出て、少しずつウキがシモっていく。ウキが見えなくなるまで我慢するものの、しびれを切らして竿先できいてみるもののすバリ。こんな実に退屈な時間がやってきた。魚の食い渋りはとても手打とは思えない状況だ。

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潮は、表層の潮と底潮の動きが違ういわゆる2枚潮。潮ははっきり流れるというより行ったり来たりするような流れ。各所で泡が浮いている。尾長グレが食ってくる可能性はゼロに等しかった。

同じくアタリをものにできないM中さんと午前8時半頃から休憩が多くなってしまった。

「ここはカラスがすくなかね」

M中さんが初めての手打西磯をそのように表現。しばらくの間、手打のロケーションを楽しんだ。

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この地球が46億年の産物であることを無言で語っている断崖は、人間が上陸した痕跡を一切見せず、まるで人間との接触を拒んでいるようだ。何億年かわからない気の遠くなるような長さの風雨にさらされた結果、手打の断崖はごつごつとした男性的な形状に作られ、上の方はうっすらと緑の草木に包まれている。

その断崖の山際を見つめると、恐ろしく鮮やかなスカイブルーのキャンバスに混じりけのない雲がゆっくりと動きながら迫ってくる。断崖の下では、エメラルドグリーンの穏やかな海がこの断崖を支えている。

この手つかずの自然の懐にいることに大きな幸せを感じながら、深呼吸をしてみる。マイナスイオンを大量に含んだ潮風が体に心地良い。時間を忘れて磯の上に横になる。磯釣り師に与えられた特権だ。

ここには、便利だが煩わしい電波や、報告書を求めるうるさい行政もない。過去と現在と未来が渾然一体となった自由な世界だ。我が家の食材としては十分だと釣りをこのままやめてもいいし、どこかの海溝や根回りに潜んでいる尾長グレを目指して釣りを再開してもいい。

「潮が変わったみたいね」

いつの間にかM中さんは釣りを再開していた。こちらもゆっくりと重い腰を上げ、釣りを再開することにした。潮は、二枚潮ではなくなり、地寄りの方向に、または、下の村瀬方面へと動いていた。しかし、尾長グレが釣れそうな潮ではなさそうだ。

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この良潮の間に食い渋る口太を8枚ほど追加し13枚としたが、その後潮が再び二枚潮になってしまい、釣れてくるのは、イスズミの外道オンリーとなってしまったので、1時間早く竿をたたむことにした。

尾長グレを求めてやってきた手打で、尾長狙いの撃沈を回避して口太を釣るという安全策を取ってしまった今回の釣行。最後まで尾長グレを狙って太仕掛けで挑んだM中さんの釣りが本当に勝負師だと思う。

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              ありがとう 上の村瀬

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この日は、潮の動きが悪くどこの磯でも目立った釣果は見られなかった。数日前好調だった底物も瀬ムラが見られた。

相変わらずメンタルの弱さを露呈した結果となったが、手打西磯はそれでも釣り人の挑戦を公平に待っていてくれる。今度こそ、秘策をひっさげて手打の巌に立ち、尾長グレを仕留めたいと思う。

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尾長グレと口太の聖地「手打」は、これからも釣り人の挑戦を待ち続けていくだろう。

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       あきらめていたクロの白子にありつけました


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                 クロの握り寿司

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               クロのフライ


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           春キャベツと春メジナのアサリ蒸し 




昭和・平成そして「令和」という3つの時代を生きることになった。このことを昭和に生きていた当時の自分は全く考えもしなかった。


 


時代は急ピッチで時を刻み、世の中は加速度的に変化していっている。この変化に取り残されまいと必死で新しい波を追いかけている自分。これから先、「令和」という時代では、一体どんな世の中が待っているのだろう。


 


例えば、政府が最近国民に呼びかけているSociety5.0。(Sciety1.0は狩猟社会、Society2.0は農耕社会、Society3.0は工業社会、Society4.0は情報社会)このSociety5.0とは、IoTInternetof Things)、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイノベーションを創出し、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決する新たな社会のことをいう。


 


インターネットにつながりAIを搭載した冷蔵庫が、朝食のメニューを提案したり、冷蔵庫の中身を教えてくれたり。


 


遠隔地でもドローン宅配で正確に荷物を届けてくれたり。


 


無人のトラクターが畑を耕し、無人のバスがユーザーを目的地に案内したり。


 


2030年頃には、このような社会がやってくるそうだ。


 


しかし、そのような社会になって便利になったと手放しで喜べない。IOTAI・ロボットに人が仕事を奪われるのではという不安。だれでもできる、反復性の高い仕事はなくなり、そのことで逆に新たな仕事が生み出される可能性も。


 


そんな中、時代が変わり、常に新しいイノベーションが生み出され続ける未来を思い描く中で、あくまでも昔から変わらないものを求め続ける輩がいることを我々は知っている。


 


それはもちろん釣り師である。かれらは、Society1.0を理想の社会と考え、実行している。狩猟こそが人生の楽しみであり、唯一の生きる糧であると考えている。


 


縄文人の遺伝子は、彼らを冬の寒い日も、夏の灼熱地獄の日も、磯・堤防・沖へと駆り立てた。かくいう私もその駆り立てられた中の一人である。


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ところが、ここ最近釣りに行く回数がめっぽう少なくなってしまった。原因は、音楽活動を再開したことにある。釣りもやりたい、音楽もやりたい。こんなアウトドアとインドアを両方楽しもうとするなら、当然、釣行回数が減ってしまう。もうすぐ4月になろうというのに、今年に入って1度しか釣りに行けなかった。寒グロのベストシーズンである冬の時期に一度もクロ釣りに行かなかったのは、釣りを始めて以来初めてのことである。


 


しかし、我慢も限界というところまできた。41日の手打西磯解禁にはどんなことがあっても必ず出撃するという計画を立てた。もちろん、一人ではなく、昨年、定年退職され、サンデー毎日になっていた師匠uenoさんを誘ってだが。


 


串木野港発のフィッシングナポレオン隼に予約を入れ、吉報を待った。


 


3月末は、穏やかな天候が続いた。これは、行けるかも。憧れの手打西磯に。日本各地で桜の便りがテレビで届けられる中、天気予報が実に残酷な情報を。「全国的に大荒れの天気となるでしょう」


 


「ダーッ!」思わず声をあげてしまった。悲しかった。全身の力が抜けた。久しぶりのクロ釣りなのに。前日まで待ったが、どう考えても出港はあり得ないとあきらめた瞬間、後ろ髪を引かれる想いでキャンセルの電話をした。


 


さあ、次の問題は、釣り場をどこにするかだ。この風と波の状況で、九州で釣りができそうなところは、宮崎県・大分県の磯ぐらいだろう。いやまてよ。あるじゃないか。あそこが。


 


大隅半島在住のブロ友さんに連絡を入れてみる。


 


「船間や内之浦はやめておいた方がいいかもですね。どこも釣れてませんよ。」


 


やっぱりね。クロは産卵期に入って極端に食いが渋くなっているそうだ。


 


「田尻なら、少しは釣れているところがあるそうですよ。電話しておきましょうか。」


 


こうして、親切なブロ友さんに甘える形で、ようやく久しぶりのクロ釣りの場所が、鹿児島県佐多の田尻に決まった。


 


佐多岬田尻の磯は、6船の渡船がある九州でも指折りの釣り場である。黒潮の本流の影響を受け、四季を問わず様々な魚種が釣り人を楽しませてくれる。東西両方に釣り場があり、強風時化というラフコンディションでも何とか釣りができる場所があるらしい。この磯で特に有名なのがデカバンの尾長グレが釣れる数少ない場所であることだ。昼間に60オーバーの尾長が釣れる場所として人気が高い。磯からの尾長グレの日本記録74.8cmは、この佐多岬で出ている。


 


6時までに来ればいいなら、ここば(ここを)2時に出発しょい(しよう)。」


 


この花冷え寒波がもたらした、沖が波高3mという中で、釣りができるだけでもありがたい。ブロ友さんによると、この風向きなら、大隅半島で一番風があたらないのが田尻とのこと。


 


Uenoさんを乗せた車は、午前2時前に人吉を出発。九州自動車道を南へ下り、加治木JCTから東九州自動車道へ。鹿屋で一般道に出て、錦江湾の海岸道路を走り、佐多田尻港に着いたのが、午前5時頃だった。


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田尻は二度目の挑戦。前回は十年以上前の話。年末寒波の頃だった。100人くらいでごった返した釣り人の集団を6船の渡船が次々に飲み込んで出航していた。前日に予約をした我々は、釣る場所がなく、時化たら迎えに来られない、自分で裏山を登って帰らなければならない地磯に乗っけられ、見事に惨敗した記憶がよみがえる。


 


前回は、釣る場所がない中での惨敗だったが、今回はどう考えても産卵期の食い渋りという最高難度のミッションに立ち向かわなければならないようだ。しかも、周囲のヤシ科の常緑樹が踊るように風に翻弄されている。強風は釣りの大敵だ。惨敗の確立80%と自分のカンピュータがはじき出した。


 


二人とも惨敗の予感が漂う中、それでも釣りができる幸せをかみしめながら、夜明けを迎える田尻港で戦闘服に着替えた。


 


しかし、そんな悪条件の中でも、アドバンテージが見つかった。釣り客は、なんと6人ほどだったことだ。(もちろん、この人数は、全く釣れていないことを示しているのだが、)それでも田尻の有名磯(もちろん、風裏限定だが)に乗れる確率が高まった。いや、もしかすると、釣れている磯に乗せてもらえるかもしれない。


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午前6時、今回お世話になる渡船「鶴丸」が岸壁につけた。乗り込むのは、uenoさんと私の2人だけ。2人で渡船貸し切り。


 


「どこか行きたいところがありますか。」


 


この船長一見しておだやかな方のようだ。背はあまり高くなく、顔は濃い。南九州人特有の縄文人の遺伝子を持つ顔立ちだ。N響でタクトをふる下野竜也氏にどことなく似ている。彼のアウフタクトを入れつつのありがたい申し出だが、2回目でほとんど磯を知らない自分に行きたいところを主張できるはずもない。


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「ここ最近で唯一釣れたところがあります。でも、ちょっと歩かないと行けませんが、どうしますか。」


 


Uenoさんと協議にはいる。わたしはかまわないが、Uenoさんの体力と相談だ。Uenoさんにこのことを話すと感触もまずまず。


 


船は、港からすぐ見えている枇榔島へと向かっている。沖は白ウサギの運動会だが、風裏のこの場所では、時折突風が吹くものの釣りができないコンディションではない。この風なら大輪島あたりは無理だろうから、枇榔島の風裏に乗せてもらえるようだ。早朝の潮風が潤いをなくしたガラスの50代の肌に心地よい。だんだん近づいてくる枇榔島に眺めながら、心拍数が自然と上昇してくるのが分かった。


 


あっという間にエンジンがスローになった。すでに、釣り人が一人渡礁してあわただだしく準備をしているのが見える。


 


kamataさん、あそこに釣り人が見えるでしょう。あの裏にポイントがあります。船をそこ(右前方)に着けますから、そこから歩いて行って裏に出てください。そこがポイントです。ここ最近で釣れたのはそこだけです。」


 


船長にここまで言われたら、もうここに乗るしかない。言われたとおりに、荷物を船の前方に運び、渡礁の時を待つ。いつ釣りに来ても緊張の瞬間だ。


 


ホースヘッドのタイヤが屈強な巌に体当たり。浮き上がったタイヤは磯壁に張り付いた。えっ、どこに平らなところがあるのだろう。一瞬戸惑ったが、もう上がるしかない。


 


「今だ」


 


とても50代、60代とは思えないような俊敏な動きで渡礁。わずかな平らな面を探して荷物をとりあえず磯場にあげた。


 


荷物を運びながら少しずつ移動を開始。ありがたいことに鶴丸さんは我々が移動するまで待っていてくれた。


 


「そこに撒き餌の跡があるでしょう。そことその先までがポイントですよ。」


 


船長のやさしいポイント解説を受けた後、いつものように磯の全体像をつかむ作業に。釣り座となりそうな場所は、2つのハナレ瀬があり、そこが水道になっている。2つのハナレ瀬の間にも水路が走っており、いかにもメジナが好んで潜んでいそうな磯の形状にほくそ笑む釣り人2人。


 
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薄暗くて海の中は見えないが、おそらく海溝などに潜んでいるクロを撒き餌で浮かせて釣るといういつものパターンで大丈夫だな。時折釣り人の注意を喚起してくれるいきなりの突風によろけながらも、仕掛け作りに入った。この磯場を「女瀬(めぜ)水路」という。そういえば、鋭角的なごつごつした岩ではなく、なんとなく丸っぽい岩が多いね。


 


食い渋りを想定し、しかも強風でも快適に釣りをするタックルにと、竿はダイワメガドライ1.5号―53。道糸1.75号ハリス1.75号(あとで1.5号に落とす)。ウキは釣研ジャイロ0αの全遊動で、ハリは最初4号で行くことにした。


 


最近、釣りの前に儀式を行うようにしている。ピシュッと缶ビールを空けて海に注ぎ込む。御神酒をすると不思議とこれまでボウズなしだ。もちろん、これからの釣りの安全も祈願する。


 


Uenoさんも黙って仕掛けづくり。Uenoさんは、釣り人の誰もがそうであるようにおしゃべり好きな人だ。しかし、黙っているときがある。魚が釣れそうな時と、惨敗を食らって力が抜けている時である。


 


撒き餌は、オキアミ半角にパン粉2kg、集魚材V9を混ぜて軟らかめに仕上げた。オキアミMサイズの付け餌をハリに付けて、さあ、いよいよ第1投。おそよ1年ぶりの磯でのクロ釣りに手を震わせながら、振りかぶりジャイロを紫紺の水面に叩きつけた。



 


左隣の釣り座ですでに仕掛けを入れているuenoさんのウキの隣で、ジャイロは右にいったり左にいったり。仕掛けがなじむとウキが少しずつシモリ始めた。


 


ガン玉を付けなかったのにシモっていくぞ。おやっ。あたりかな。仕掛けを回収して付け餌をチェックする。餌がわずかに何者かに引っ張られたあとが分かる。しかし、確証はできない。


 


餌を付け直して第2投。潮は動いていないようで、波の振幅に仕掛けが翻弄される状況。やはり、仕掛けが立つと、ウキがシモリ始める。道糸を張って聞いてみるものの素バリをひく。餌をチェックするとオキアミの皮をわすかに喰った跡が。


 
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さすが、産卵期。魚(クロ)がいる気配はするのだが、完璧な食い渋り状態である。そりゃそうだ。もうすぐ産卵するというのに、危険を冒して餌を必要以上に食う必要はないはず。これは開始早々厳しい釣りになることを魚が教えてくれた。おびただしい数のキビナゴが水族館で見る群れのように形を変えながらうごめく。


 


「アタリあるね。こっちはまったくバイ。」


 


Uenoさんもこの食い渋りに苦戦していたようだ。ここは、とにかく食い渋り対策と、ハリスを1.5号に落とし、付け餌を小さくしたり、むき身にしたり、仕掛けの投入点を変えたりしてはみた。しかし、見えない敵は、釣り人をあざ笑うかのように、付け餌をわずかにかじったり、引っ張るだけの時間が過ぎていった。


 


そんな退屈な朝まずめが終わろうとしたときだった。左脳に断末魔のオーラを感じて左に視線を送ると、信じられない映像が眼球の奥に取り込まれた。なんとuenoさんが魚とのやりとりをしているではありませんか。


 


「ウオー!」


 


竿は1,25号での細仕掛けで無理はできない。Uenoさんは慎重に魚との距離を縮めていく。このタイミングでこの竿の曲がりなら食わせた魚はクロしか考えられなかった。魚は右手前の根に逃げようとする。Uenoさんはそうはさせまいと竿を立てて応戦する。


 


ようやく尻尾の白い魚がぬうっと現れた。良いサイズの口太だ。玉網ですくってあげた。40cm級のまずまずのサイズ。


 
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「潮が一瞬沖に言ったときに喰ったバイ」


 


ボウズを逃れてほっとするuenoさん。となりにいる私は気が気ではない。魚はいる。確かに、魚はそこにいる。


 


「タナは浅かったバイ。2ヒロくらいバイ。」


 


確かに、タナは浅いと思っていたが、なぜ自分の仕掛けに食いつかないのか。


 


「ハリは3号に落としたバイ。甑島の渋い仕掛けで釣ったバイ。」


 


ここは、釣った人に学ぶのが常道というもの。早速、自分もハリを3号に落とした。時折、突風が吹いてくる。細い道糸だから影響は最小限だけれど、それでも仕掛けを入れるのが難しい。竿先を海中に入れたり、潜り潮を狙ったりと試行錯誤が続いた。


 
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そうこうしているうちに、潮が激流に変わった。川のごとく右に流れていく。打つ手がなく、我々は自然と休憩が多くなってきた。左右後方から時折吹いてくる突風に耐えながら、家なから持ってきたおにぎりをほうばる。


 


釣りには時に休憩も必要だが、休憩が多くなると釣りに最も大切な集中力が散漫になってくる。集中力が散漫になると、他のことに目がいく。沖ではねている白波がますます大きくなってくること。ここは以外と鳥が少ないこと。右の根は実は浅くて魚が潜むような形状ではなかったこと、云々。


 


おおそういえば、今日は、エイプリルフールだが、新元号が発表する記念すべき日だ。こんな日に磯の上にいる自分の存在がおかしくなり自嘲気味に携帯の画面をのぞき込む。


 


新元号は、「令和」だ。


 


万葉集からとったそうだが、今の自分にはそのことはどうでもよく、この惨敗をエイプリルフールだからね、などとどのようにごまかそうかと思案していた。


 
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Uenoさんが、クロを1尾追加した。これも、釣ったと言うより釣れた1尾。Uenoさんも私も正直途方に暮れていた。一体どうすりゃいいんだ。


 


すると、となりの磯で釣っていた釣り人が話しかけてきた。


 


「ここはそうでもないですねえ。こっちは、ものすごい風ですよ。何度も海に落ちそうになりましたよ。」


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その釣り人は、わたしより年上のようだが、茶髪にされていて若く見える。顔は釣り人なら誰でも知っている村田基さんにそっくり。ルアーフィッシング界の神様村田基さんから突然不思議な話を聞いてしまった。まるでゴルゴダの丘にへたり込んだ迷い人が神の啓示を聞いたような瞬間だった。


 


「ここは女瀬水路といいます。ポイントはここじゃありませんよ。2つのハナレ瀬の間の水路を狙ってください。あそこから水路を流して沖で喰わせるんですよ。」


 


がーん。今まで釣っていたポイントは本命ではなかったんだ。そうか、そういえば、潮が引いてくると、餌は右に行くと思いきや浅いところでカーブして水路を通って沖へ出て行ったよな。


 


頭の中に何かがひらめいた。その瞬間、バッカンを担いで釣り座を変更した。言われたとおり、竿1本先から仕掛けを水路に流していった。ウキが潜り潮らしき流れによりシモっていく。竿先に意識を集中しアタリを待つ。


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何かが変わると思った矢先、道糸が一気に走った。やっとで喰ったぞ。絶対に取る!


 


竿先に伝わるシャープな引きは、クロであることを教えてくれた。やはり右手前に突っ込む相手を左に遊動するように竿を立てる。ハリス1.5号だし無理はできない。ぬうっと現れた魚はうれしいクロちゃんだった。


 


慎重に玉網をかけて手前に引き寄せる。左手に竿を持ちながら小さくガッツポーズ。エメラルドグリーンの愛くるしい瞳、緑色の体色。お腹の膨れた体高。間違いなく産卵を控えた雌の個体だ。時計を見ると13時を過ぎていた。回収は16時。何とか釣れた1尾に重圧から解放された気分に。


 
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同じような状況で1尾追加した。しかし、大きなアタリが2発。道糸から飛ばされた。ジャイロを2個失ってしまった。夕まずめに向かってこれからよくなると思われたが、移動もあることだし、ここまでにしようと竿をたたむことにした。


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磯の村田基は、尾長グレ狙い1本の太仕掛けで臨んだそうだが、残念な結果に。しかし、この方がいなかったら、ぼくは間違いなくボウズだった。あのありがたい一言によって、息を吹き返し何とか産卵期の食い渋りグロをゲットすることができた。

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あの一声は、もしかしてイエスの福音ではないのかと思うようになってきた。そのありがたき情報(福音)をより多くの人に伝えるためにこれからも磯に立ち続けようと思うのだった。


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心地よい春の磯風を浴びながら、心はすでに次の釣りへと切り替わっていた。


 


わたくしの福音書はこれでおしまひであります。

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初練習でした

熊本地震復興コンサートの初練習でした😅
ヴェルディのレクイエム🎵

手強いliberameのフーガでした。

讃美歌を歌うように和声を感じなくちゃ🎵

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