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今、章程(日本でいう営業定款)の営業範囲の変更に取り組んでいる。
このレポートはそのレポートの一部、というか前段である。
20年以上も営業していると実態にあわない箇所が出てくるものだが、日本では定款の経営範囲は
株主総会の承認が必要となるため、設立時に幅広に登録しておくもののようだが、中国ではそうも
行かない。そんなお話である。
今回、変更の必要性が生じたのは、「○○の生産」という営業範囲が当社の定款に存在することが
原因だった。この項目は定款、そしてそれを基にした営業許可証に記載されていることに伴い、
政府工商局で「環境影響審査許可を衛生局で取得して提出するように」という命令が出た。もうひとつ、
消防検査証というのもあったが、これはある程度解決できる可能性があった。環境影響審査許可は、
営業許可証の年度検査に際して出た要求で、実は昨年も同じ要求が出たのだが、昨年はなんとか
ごまかしが効いたのだが、今年は全く認めない、という態度がさらに強硬になっていた。
もちろん、法律、あるいは部署の年度検査の要求資料の中には、そのような資料が必要になる、とは
記載されているわけではない。ただ、係員がいると言ったらいるのである。
それというのも、深センでも、工場での火災や環境汚染が社会問題となるケースが、この一年でも
相当数起きたからである。たしかに、大規模火災など痛ましい事件が多く発生し、それに対して
対処しなければならないという政府の姿勢、市民の目があるのは事実である。
彼らが仕事をちゃんとしようとしている、というのは分かった。
しかし、当社はそのような機器類の生産などは一切行っていない。工場ではない。
実態を見に来て検査してくれ、交通費は負担する、と事情を説明するが、
今年は非常に強硬で「営業許可証の経営範囲欄だけでこの対象かどうかを決める
ことになっている。」という姿勢を一切崩さない。科長を引っ張り出しても科長も同様だし、
部局の方針だというので変えようがないらしい。
しょうがないので、衛生局に相談すると、衛生局は今度は、「実態として機器生産を行っていない
以上、検査は行えません。検査証も出せません。」という。これもまた、非常に強硬である。
当然の判断だとも言える。無い廃棄物を検査したという証明書を出すのは彼らとしてもできない。
ここで、「でも、工商局でこう言っているので。」などというのは、相手の機嫌を損ね、事態を悪い
方向に持っていくばかりである(いわゆる「メンツを潰された」というやつだ)んで、してはいけない。
彼らの部局の間に連携・調整など基本的には無いし、するべきとも思っていない。
上司と規則に従い書類を処理するのみである。昔と異なり、不正の入り込む余地は減り
(某署を除き、これはまた別の機会に)、リジットな業務処理が多くなっているのは進歩だとも
いえるが、途方にくれてしまった。
工商局に再度相談すると、営業範囲を変更し実態に合わせていない我々が悪い、という結論を
申し渡され、期限のある検査の中、営業範囲を変更する、という話に至った。
この時点で年度検査締め切りまで残り60日。
ここから苦難の道が始まった。(今も進行中だが)
私の机の中には、登録証やら許可証やらが数十も詰まっており、この期限や検査の管理だけでも
一仕事なのだが、その成果物の裏にさらにこのような何倍もの担当者の苦闘が詰まっているのです。
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