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しばらくこのブログの更新をしていなかったのには理由がある。
対論を知ることの重要性を学び実践したところ、読書の方が止まらなくなってしまった。
今回は、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」について、特に武田氏の表現方法について書きたいと思う。
大変な注目を集めた武田邦彦氏の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という本に自分も大きな衝撃を受け、『環境問題』について再考することになった。
今となってはそのきっかけが何だったのか思い出すことができないが、昨年の12月に「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」を読み、有名大学の教授職をつとめるような人が書いているのだから全くのウソ偽りということはないだろうと考えると、その問題たるや無視できるものではなかった。
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の中心的話題
・ ペットボトルリサイクル
・ ダイオキシン
・ 温暖化
・ 紙のリサイクル(古紙収集)
・ 環境問題と日本人
内容の是非については賛否両論であるが、少なくとも“リサイクルを何のために行っているのか”という氏の疑問は、自分も同感であるしそのような視点は現在においては重要である。この話題は後に取り上げたい。
ただし、氏の書籍(一般書。学術書や学術雑誌とは違うもの)に対する姿勢は、あくまで一般人。大学教授が書いたものであれば、その主張に“大学教授並み“の根拠があると思うのは自分だけではないと思うが、その衝撃的な言葉とは裏腹に根拠に乏しいものがあり、中には単に氏の思いを述べられたものも含まれている。氏が大学教授だからといって、この本の内容に相応の信憑性があると考えるのは危険である。
また、これは一般書としてはよく採られる手法なのかもしれないが、よく言えば語弊を恐れずに表現されており、衝撃的な表現をして読者の関心を高めるのは良いのだが必ずしも氏の表現通りではない部分も数多くあることが残念な点である。
自分の専門分野であるので一点だけ具体的に述べさせていただくが、168ページ9行目の「紙のリサイクルが何の意味もない」は到底承伏できるものではない。国内の紙原料の約6割を占める古紙がなければ、相当分の木材チップが今より余計に消費されることになり、これに相当する新たな林地が必要になる。問題はこの林地をどのように確保するかで、砂漠や使われなくなった農地のような荒廃地を林地転換するなら良いのだが、国、地域によっては天然林を林地転換するようなケースも無いわけではないだろう。このような、天然林の林地転換は諸手を挙げて喜ぶようなものではない。しかし、問題は更に深く、そもそも現在人工林であるところから伐採することは善で、現在天然林であるところから伐採することは悪であるというのは、先進国の奢りというものではないだろうか。自分が彼ら(途上国)の立場なら、天然林を守るために必要な費用(林地転換できないことによる将来的な利益の損失も含め)を請求したくなるのもわかる気がする。
経済を無視して環境を語ることはできないのである。
もう一つ、古紙をリサイクルしなくなると困ることがある。廃棄の問題である。武田氏はリサイクルの専門家と自負しているようだが、なぜこの点を無視されたのか理解できない。古紙をリサイクルしなくなれば、焼却処分とするか埋め立て処分とするかのいずれかになる。
焼却すればせっかく固定化された二酸化炭素を再び大気に放出することになる。それとも、武田氏はペットボトルの時と同じく、紙も焼却した方が良いと考えているのだろうか。
紙は、木材チップから作るより古紙から作る方がエネルギーの使用量は少なくて済む。ただし、化石エネルギーの使用量は古紙から作る方が多い。
勘の良い方はお気づきだろうが、これだからどちらがよいと簡単に結論づけることができないでいる。
※紙のCO2排出量、エネルギー使用量は下記の日本製紙連合会発表資料(2006年4月3日発表)を参照されたい。
http://www.jpa.gr.jp/file/release/20070925025534-1.pdf
埋め立て処分は、場所がない(費用がかかるとも言う)。
ここからは調べたわけではないので予想になるが、そもそも日本のリサイクルはこの廃棄の観点から進められたものではなかっただろうか。自分が子供の頃、あと○年で処分場が一杯になるという話をよく聞かされたものである。ところが、ある時期からそのような話を聞かなくなり、それはどうやらあと○年があと○○年に延びたからのようである。
もちろんリサイクルが進んだ結果である。
さて、話が散々になってきたのでここでまとめると、武田氏の表現はある視点に基づいたときにのみ有効なものである。本にはそのような限定は省かれており大変誤解を生みやすい。
読者には、武田氏がどのような視点でどのような範囲について語られているのか常に意識しながら読まれることをお勧めする。
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よく見抜いてくれたね。
問題はこれだけではないよ。
科学技術で、すべて問題が解決できるという考えそれ自身が誤りです。
ところが、科学技術、たとえば、エコカー、太陽光発電、風車発電、・・・。
こういうものを最大限効率化をして使えば、CO2対策が可能としている本がいくつか出版されている。
しかし、特許庁でも、「永久機関」は特許として認めていない。
この政府機関である特許庁が認めていないものを、
技術的に可能だとするのはどういうことか。
2010/3/2(火) 午後 11:12 [ yk1*45*417 ]