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小説 昼夜逆転の怪

もう何年もこの生活を続けてる…。
昼夜逆転の生活を。
夜起きて朝寝る。
でもこの時期は蒸し暑いからね〜。エアコンどうしてもつけちゃう。
昼間は昼間で家族がつけるからもうつけっぱなしかなぁ〜。
この時あった体験をお話ししようと思う。



僕はニートだ。
よく言う引きこもり。
学生時代に病気がわかり、それ以降学校にも行かず就職もしていない。
20代も前半になってまずいなとは思うんだけど、街中に出たいとは思わないのだ。
人が怖い。
でもね?ペットは猫が2匹いるんだ。
メスとオス。
可愛くて仕方がないんだ。

その猫が擦り寄って来ると心がポカポカしてくる。
そしていつもの様に擦り寄って来るはずの猫たちが今日は擦り寄って来ない。と言うか、同じ部屋にいないのだ。
普段ならこの時間はお昼寝タイムと称して僕のそばで眠るのに…。
僕は重い腰を上げて、猫たちを探すことにした。





いた!


すぐ隣の部屋で2匹が丸まって寝ていたのだ。
こっそり近寄って背中をさすろうとしたらパッと目が覚めて僕を威嚇し出した。
何でだ?
分からない。

仕方がないから今日は諦めたよ。
でもね?1日2日とたっても何も変わらないことから何か違うんだろうと思うようになった。
服装は…いつもと変わらない。他には…食べ物もいつもと同じだ。
じゃあ何?
何かあったっけ?……あっ!そう言えば数日前の夜に車の事故現場を通ったっけ。
一台残されていて、その車がぺしゃんこだったことを覚えていた。
思い当たるのはそれしかない。
でもそれが何だって言うんだ?


確か…運転していた片方は即死だった気がする。
現場検証なんかもやってたし。
お巡りさんが何人も来てたっけ。
パトカーも三台来てたからよっぽどなんだろう。
僕はその横を素通りしていたのだ。
別に僕だけじゃない。他にも何台もの車が通過していたから問題なかったはず。
まさか…ついてきた…とか??
まさか…ね。
僕は霊感がある。
それは見えるから確かなんだろう。
親には話しているが、果たして信じてもらえてるのかどうか…怪しい。
でも、自宅にもいろんな霊が現れるのも事実。
一時期は怖くて1人で他の部屋に行くこともできなかったほど。
なぜそんな話をするのかって?
体験したものにしかこの恐怖はわからないだろうから…。


話を元に戻そう。
動物はいろんなものに敏感なようで、地震などにも反応するらしい。うちの子たちは無反応なのだが。(神経が図太いのか?)
けど霊に反応するとは思わなかった。

どうしたものかと悩んでしまったのだが、どうしようもないことはわかっていた。
でね?部屋の四隅に盛り塩を盛って南無阿弥陀仏と唱えたらね?肩が軽くなった気がしたんだ。
もしかして…そう思った僕は猫達の元へ。
するとどうだろう…。
擦り寄ってくるではないか。
もしかして霊が消えた?もしくは僕から離れたか?
有り難い。
僕は猫達が好きだったからだ。
でもね?
一度そんなことがあるとまたありそうだと思わないか?そう、あったんだ。


僕が寝ている部屋は応接間。
本来はお客が来るべき部屋。
そこに僕は1人で寝てる。
猫達も一緒だけどね。



足元がなぜかひやりとしたのは夜中だった。
半分寝ぼけ眼だったから気のせいだとばかり…。
でもね?違ったんだ。
昼間でも同じ事が起きたんだ。
何気に布団をめくるとそこには手だけが見えた。
ビックリしたよ。
思わず叫んでしまったほど。
部屋の四隅を見ると盛り塩はあった。でも崩れていたんだ。多分原因は猫達だろう。
高い場所に盛っておいたはずだったんだが、その高い場所にどうやら上り込んだようだ。
1つが見事に崩れていた。

怖いのなんのって。
あんなにはっきり手だけを見たのは初めてかもしれない。
今までいろんな霊を見てきたけど、みんな体が透けて見えている程度だったから。
気持ちが悪くなった僕は流しへ駆け込み吐いた。
そして口をゆすいで振り向くとそこには…、何もいなかった。
そう、消えてしまっていたのだ。
でも慌てて僕はすぐに盛り塩を作り、猫達がのらないようにそこへの道を封鎖したんだ。
これでもう怖い目には合わないだろう。
正直ホッとしたよ。
まじ怖かったからね。
こんな体験などとしたくないやと思いそれ以来事故現場は通らない道を使って毎日を過ごしている。

小説 真夏の夜の始まり

「さみしい…。」



そう思っている。
何故かって?


ここには誰もいないから…。


ここは墓場だ。
人っ子一人いない墓地。
何故こんな場所にいるかというと、夏にはやることといえば肝試し。
そう、これは彼等の罰ゲーム。



僕は体も小さく女子にモテない。
そこで簡単なゲームをするという話になったのだが、相手はクラス一の人気の女子だった。そんな子が僕なんか相手にするわけないとはわかってたけど、僕の周りにいる奴らみんな分かってて僕にちょっかいをかけてくるんだ。嫌になっちゃうよ。
クラス一の人気のある女子の野上さんはすらりとした体型なのにでるところは出ていた。そう、僕くらいの男子達の憧れの存在だ。
そんな彼女の前で無様な失態だけは避けたいと思うのはなしだろうか?
だけど、彼女にはまったく意識されていないということもわかってはいた。
だからここでビシッと男らしいところを見せて見たいと思ったのだ。我ながら単純である。
でも一人でここにきて一体なにをすればいいのか…、また誰が僕がここにいるのを確認するのか全く知らされていない。
わからないから余計に怖いのだ。
誰か一人でもここにいてくれたら。
でもさ〜、こんな暗い場所に待機している方もきっと怖いに違いない。諦めるしかないと思い、気合いを入れ直して進むべき方角へ向かった。
ここには御堂がある。
廃れているのか所々穴が空いていた。
誰も管理していないのか?
不気味さが漂う。

暗い御堂の中はまあまあ整理されてる方だと思う。
ホコリらしきものも見られない。と言う事は最近誰かがここに入ったと言うことか?管理してる人が近くにいるのかもと淡い期待を持って周辺を捜索し始めたが、誰もいそうにない事がわかるとガッカリ感が半端なかった。

肩を落としながらも進むことを続けたが、誰にも合わないことによる恐怖は半端ない。
真っ暗な中、唯一の明かりであるこの小さな懐中電灯はいまにも切れそうな球切れを起こしつつあった。
「まっ、マジかよ〜。勘弁しろよ〜。ここで暗くなったらどうやって帰るんだよ。」
僕はそのことを一番に考えた。

その時突然カミナリが鳴り始めた。
マジかよ。
傘なんか持ってないぞ?
雨なんか降り出したらたまったもんじゃない。
僕は慌ててみんなが言っていた用事を済ませ、その場から離れようとしたのだが、大きな雷のせいか動くことができなくなっていた。そうこうしているうちに雨が降り始め、益々動けなくなる。

「マジ勘弁。どうやって帰ろう…。おーい!誰かいるか?」
僕は辺りを見回して見たが、やはり誰の姿も見ることがない。きっとどこかでほくそ笑んでいるに違いない。全くもっていい迷惑である。

「さっ、とっとと帰ろうかな〜。」
その時何処かからか小さな声が聞こえた気がした。
かすかな為雨にかき消されそうになっており、僕は慌てた。

「だ、誰?誰かいるの?」
「こ、ここ…。」
その声を頼りに懐中電灯の明かりをあてながら歩いて行くと、そこには髪の長い女性が1人座っていた。

「君、誰?」
「わた、私ね…。」それだけ言うが早いか僕の方へと向かって来た。びっくりした僕はその場で尻餅をついてしまった。腰が抜けたのだ。

「クスッ、クスクスクス♪ひっかかったね。」そこにいたのはあの噂の野上さんだった。彼女と男子達がそこに隠れていたのだ。
「腰抜かしてるなんて、子供ね。」
そう言いながら野上さんは笑っていた。
正直こんなことをする子だとは思っても見なかった。ちょっとガッカリ。
でもまぁいいや。本当の彼女を知った感じがしたから。憧れもどこかへ消えてしまった。
僕は彼らを放っておいて帰ることにした。
「ちょっと待ちなさいよ。置いてくの?私達を。」
「僕をはめようとしていたあなた達のことなんかもうどうだっていいですよ。それよりも雨が降って来てるから早く帰りたいだけなんで。」
僕はそれだけ言うとその場を後にした。仲間達はその場に突っ立っていた。

僕との距離をどんどんと広げていく彼ら。
その彼らもようやく動く気になったらしい。
時々叫び声が聞こえる。おおかた雷が怖いんだろう。僕らへっちゃらだけどね。
彼らは大人数だから怖いとは思わないだろう。
それよりも僕の方だ。
懐中電灯の光は相変わらず点滅していた。
どうやらここまでかもしれない。
そうしたら後から来た彼らと共に帰るだけなのだが、いつまでたってもやってこないことに苛立ちと不安を感じていた。

「いったいいつまでかかってるんだ?ここまで大した距離じゃないんだけど…。」
そう、確かに大した距離じゃない。
電柱が5本程度だ。
それにさっきから何も音が聞こえてこない。
また僕をはめようとしてるのか?
腹が立ったので文句の一つでも言ってやろうと戻り始めたのだが、いくら歩いても彼らと合わない。オカシイ。
何で?
ただの一本道のはず。
建物はここらはない。
あるとすれば獣道のみ。
とてもこんな森の中に入ったとは思えない。
それにしても変だ。
10人近くいたのに1人もいないなんて…。
唯一あったのは脱げた靴が片方だけ。
何かあったんだ。

怖くなった僕は自宅に向かって走り出した。
もう後ろを振り返るなんてことはしない。
振り返っても何もないからだ。それに何かある気配を感じて薄気味悪い。
歩いている時、メガネに何かが当たった気がした。
触るとぬるっとしている。
鉄の匂いがした気がした。
懐中電灯の明かりでは黒っぽい色としかわからなかった。
ポトッ。
何かが落ちて来た感じがした。何処から?
空から。
肩に何か当たったのだ。

塊は拳大の何かだった。
それが何かはわからない。
懐中電灯の明かりでははっきりとはわからない。それが恐怖を呼び込んだ。

「ウワッ?!ウワ〜!!」
死にものぐるいでその場を走った。
ようやく自宅に着くと出迎えた両親が真っ青な顔をして僕を見ていた。

「あんた、どうやって帰って来たの?その足の怪我は何?確か友達と一緒じゃなかったの?その子達は?」

僕は両親にことの顛末を話して聞かせ、途中で帰って来てしまったことを伝えた。
両親は真っ青な顔をさらに真っ青にしてこう言った。

「あんたのクラスの子達はバス事故でひと月前に亡くなったんじゃなかった?確か助かったのは数人で、あんたの中の良かった子達みんな死んじまってる筈だよ?あんたよく帰ってこれたね。多分あんたを呼んだんじゃないかな?ほら、ちょうど今お盆だから。」
言われて見たらおかしなことはいくつもあった。
みんな真っ青な顔をしていたのと、服装があっていなかった事だ。今は夏なのに冬服を着ていた。

僕は思い出しただけでガタガタと震えてしまった。



それから毎年夏になると県外から帰省しては事故現場に花をたむけている。

小説 もう1人の友達

僕は今1人だ。

何故かって?


それはね?虐められてるから。

いつからだろう…。
そんな標的になったのは。
僕は何もしてないっていうのに。何で?
聞く相手もいない。
何せ1人だから。

仲の良かった奴らも皆蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
相手は年上の子だ。ぶが悪い。
だけどさ〜、僕は気にしてなんかいなかった。
だって、夜、鏡の前に友達が来るから。
そう、僕自身だ。
一人遊びをしている。
その鏡には僕しか映らないはずだった。
ある日を境に変わってしまうのだが…。

それはいつものように1人ぶつぶつと言っていたら、声が聞こえたんだ。
僕の声じゃないよ。
だってか細い小さな声だったから…。
女の子かも。
振り向いたけど誰もいない。そりゃそうだ。ここは僕の部屋だからね。
机の上に置かれている鏡を何気なく覗いたら鏡には女の子がすうっと入ってきていた。
驚いた僕は再度後ろを振り返るも誰もいない…。
夢でも見たのかと鏡を覗き込んだ時さっきの女の子はまだそこにいた。
青白い顔をして。

「わっ、うわっ!?」
椅子から転げ落ちた。

女の子は何か喋っているようだ。
でも何を言っているのかわからない。聞こえないのだ。

「な、何言ってるの?僕には聞こえないよ。」


「そ〜お?」

その声は耳元で聞こえてきた。
突然の事でびっくりした僕は声が聞こえた方向に首を向けるのが怖くなった。
もしかして…もしかすると幽霊?
胸の鼓動はうるさいくらいになっている。
それほど驚いたという事だ。
ゆっくり、ゆっくりと首を動かしていく。
視界には何も映らない。
じゃあ、鏡はどう?
心の声がささやいた気がした。

ゆっくりと近づく。
やはりいた。
女の子だ。
恐怖で頭がいっぱいだった僕は麻痺してしまっていたのかもしれない。
女の子に話しかけていた。

「なんで君ここにいるの?君幽霊?」
「そう、私は死んでる。だからここに来たの。あなたから負の感情が流れ込んで来たから。」
「負の感情?何?それ。」
「誰かを憎んだりするとね、負の感情が湧いてくるの。それよ。」
「僕は…誰も憎んじゃいないよ。悲しいだけ。」
「いいえ、違うわ。あなたは認めたくないだけなのよ。だから私がここに来た。恨みなさい。憎みなさい。願いを叶えてあげるわ。」
「そ、そんな…、願いって…。」
「ほんとは願いたいんじゃないの?君をいじめるやつらにどうしたいのかってことを。」

僕は黙ってしまった。
願いか…、もし、もし本当なら願ってもいいのだろうか?僕をいじめてきた子たちに対して。

「本当に?」
「ええ。」そう言いながら少女は笑っていた。まるで答えを知っているかのように。

「僕の願いはいじめてきた子たちがいなくなってくれる事なんだ。でもそんなの無理だよね?出来ないよね。」そう言ったら少女は笑いながらできると答えた。そしてかき消すようにその場から消えた。まるでさっきまで会話していたのが夢かのようだった。
僕はその夜なかなか寝付けなかった。
今日は終わったけど、明日は月曜。始まりの日だ。
またいじめられるのかと思うと行きたくないと思っている自分がいた。

目覚めた時も憂鬱だった。
学校に行きたくない。
でも、お母さんに心配かけたくないという思いだけで重い足取りのまま学校へ行った。
クラス内が騒がしかった。
いつものことかと思ったが、そうではないようだ。
何か変に感じる。


「マジあいつが?何で?」
「だよな〜。恨み買う事なんか…。」そこで口をつぐんだ。僕が教室に来たからだ。
ボソボソと声が聞こえるが、何を話してるかまでは聞き取れない。

その時ガラガラと音がして教室の前のドアが開き先生が深刻そうな顔をして皆にこう伝えた。

「クラスメイトの遠山だがな、昨日の夜亡くなったそうだ。家から電話が入った。理由は…わからないそうだ。」
「ねぇ、先生、それって…自殺?とか?」
「なんでそう思う?」
「だってそれ以外ありえないじゃんかよ。」「そうだそうだ!」
「でも待ってよ。理由は?」
「それは…。」
皆黙ってしまった。
まさか僕が関係してるわけじゃないよね?そう考えたら顔が真っ青になっているのも気づいてなかったようだ。先生に言われて初めて知ったくらいだから。
「他にも気分悪いやついないか?いたら一緒に保健室行くぞ。この時間は実習だ。先生が戻って来るまで他のクラスにも言うなよ。」
僕と数人のクラスメイトを引き連れて先生は保健室に連れてってくれた。そこには保健の先生と見慣れない女性が立っていた。
そこで簡単に自己紹介をしてカウンセリングを受けることになった。
順番に保健室で質問を受け、今日は帰るように言われた子もいた。僕は最後だったので、ゆっくりと聞かれた。
どうしてかって?
そりゃそうだ。僕が彼らに虐められていたのを知ったからだ。でもその時間に自宅にいたことは調べればすぐにわかることだから包み隠さず話した。例の幽霊の件は話してない。
僕自身まだ半信半疑だったから。

「辛くなったらいつでも来なさい。」
先生にそう言われた。
でも多分行かないと思う。
それでもっと酷いいじめにあうかもと思ったから。

その日の夜、僕はまた鏡の中をのぞいた。
今日は女の子の姿は映らなかった。
ホッとしている自分がいた。
「あれは気のせいだったんだよね〜。うん、そうだ!そうに違いない。」

その日の夜僕は夢でうなされていた。
クラスメイトの遠山が亡くなった時の様子をまるで鏡から覗くように立って見ていた。
そこには女の子の姿があった。
だが遠山には見えていないようだった。
怯える遠山。
笑う女の子。

遠山は振り払うように腕を振るも女の子は消えない。
何か武器になるものはないかと手にしたのはロープだった。
あちこち振り回すも当たることはなかった。それはそうだ死んでるんだからね。
それを知った時の遠山の顔は恐怖で歪んでいた。

「く、来るな!お、俺は信じないぞ!幽霊なんてものいるはずがない。目、目の錯覚だ!」
一言も発することなく女の子の霊は遠山の近くまで近寄ってく…。
そして耳元で何かを囁いたようだ。遠山の顔が真っ青になり、ベルトをドアノブに引っ掛けて首に巻きつけた。そして…自分で自分の首をしめたのだった。
女の子は嬉しそうにクスクス笑っていた。
僕はその様子を見てて怖くなってその場から逃げようとしたのだが、何かに遮られるように前に進む事もできず、ただぶつかることしかできなかった。

翌日になって僕は怖かったけど、クラスメイトの事が気になり慌てて学校へ向かった。
また誰か人が死んでるかもしれないと考えただけで怖かった。おかしいよね?今まで散々ひどい目にあわされてきたってのに、今更なんでって…。

今日もクラスが騒がしい。
生徒の数も少なかった。
そこにまた先生が慌てて入ってきた。
「今日も実習とする。さっ、さっさと帰るんだ。寄り道なんかするなよ?」
「え〜?何でですか?」クラスの1人が先生に聞いた。そりゃそうだ。学校に出てきたのに自宅に戻れって…。
そこで先生は何とも言えない顔でこう言った。
「昨日、また生徒が亡くなった。今度は佐藤と、葉山だ。お前ら本当に何かしらないか?」
先生の言っている事に恐怖でひきつる生徒が慌ててカバンを手に教室を出て行く。次から次へと皆いなくなる中、僕も帰ろうと鞄を手にした。すると先生に呼び止められた。
「ちょっといいか?」
「あっ、はい。何でしょう?」
「今回の件、3件ともお前を虐めてたやつじゃないか。お前本当に何にも知らないか?」
「はい。知らないですよ。」
「そっか…、ならいい、まっすぐ帰れよ。」
「はい。」
それだけ言うと僕は慌てて自宅へと帰ってきた。
僕を虐めていた3人が死んだ。だからもう怯えることはない。
でもね?女の子の事が気になった。
もしかして…いやいや、そんなはずは…。でも待てよ?もしそうならあと1人狙われるに違いない。僕は朝までの時間が惜しかった。
最後の1人は担任の先生だ。
そう、僕を助けてくれなかった担任の事を言っている。

先生がどこに住んでるのかなんて知らない。
だから学校で待つしかない。
でも、他の3人のように自宅なら学校以外で何かあったらどうしようもない。
焦ったよ。
だから自宅の鏡の自分に向かって喋り出した。
もう誰も死んでほしくないって。
女の子が出てくるのを期待して待っていたのだが、現れる様子はなかった。
だからね?
緊急連絡網の担任の携帯に電話をすることにしたんだ。
繋がるかなぁ〜?
頼む!繋がって!!
僕は祈ったよ。
こんなに祈ったのは虐め以来かも。
何回目かのコールで諦めようとしたら先生が電話に出たんだ。だから僕はすぐに先生に話をする事にしたんだ。
今までのこともあるから直接会って話したいって。
だからね?学校で会う事にしたんだ。
時間は5時。
皆下校している時間だ。
教室には誰もいない。
僕は鏡を持ってきていた。
先生に話して聞かせることと、少女にもうこれ以上行動をさせないための保険だ。


先生はすぐ来たよ。
髪を振り乱して。
「で?話って?」
「僕を虐めていた生徒達は呪い殺されたんです。」
「は?まさ、か…。そんな話聞いたこともない。君が殺したのか?どうやって?」
「僕じゃない。僕じゃないですよ先生。彼女がやったんです。」
「彼女って?どこにいるの?」
「ここですよ。鏡の中です。彼女は霊です。ある日突然僕のところにやって来て僕の願いを叶えてくれるって…。」
「それが今回の事件というわけかい?はっ、話にもならない。霊だって?そんなものが実際にいるはずなんて…。」
そこまで話した時突然部屋のドアが開いた。
2人してそのドアの方を見るが誰もいない。
先生は暫く茫然としていた。
僕も固まってしまっていたんだ。

「ねえ、出て来てよ。僕の話が本当だって先生に話してよ。」
ガタン!
椅子が倒れる音がした。
どうしちゃったんだ?
もしかして話したから怒っちゃったのかなぁ?
まずかったのかな?
僕は必死に考えた。
考えて出た答えはやはりこんなことは間違っているという思いだけだった。

「もうやめよう。僕の願いは叶ったんだ。君が叶えてくれた。だからもう終わりにしてくれ。」
「まーーだ終わりじゃないわ。まだいるじゃない。そこの先生様がね。」そう言いながら鏡の中に少女が現れた。
これには先生も驚いて尻餅をついていた。
腰を抜かしたと言った方が正解かもしれない。
「ま、まさ、か、あり得ない。ホントに??」そう言いながらガタガタと震えていた。
「僕の願いは叶ったんだ。だから関係のない先生への危害はやめて!お願いだ。もう終わったんだ。」
「ホントに?こいつは放置?はっ、あり得ない。」
「ヒ〜!?」
真っ青な先生をかばいながら僕は必死に考えた。
どうやったら彼女の気持ちが変わるのか…。
もしかして彼女も生前同じ目にあって来たのかもと考えた僕は彼女に問いかけてみた。

するとやはり生前彼女もまた虐めにあったことがわかった。その時の担任は彼女の話を全く聞こうとせず、彼女は1人苦しみながら校舎の屋上から飛び降りたことを話してくれた。どんなに苦しかっただろう。どんなに悲しかっただろう…。

でもね?それじゃダメな気がしたんだ。
「この先生はね?僕を助けてくれようとしたんだよ?嘘じゃない。」「嘘!そんなの信じられないわ!」
「これだけはホント。だから僕はもう大丈夫だよ。もう終わったんだ。先生を見てみなよ。」

少女が鏡ごしに先生を見ると先生は泣いていた。
少女のことを思ってのことらしい。
その姿を見た少女は頭を振って後退しようと後ろに下がる。
「あり得ない。あり得ないわ。私の時、先生は見て見ぬ振りをして…何にもしてくれなかったじゃない。こんなになってから助けてくれるんだったら何でもっと早く…君の先生みたいな先生が私の担任だったら良かったのにね。」
女の子は泣きそうな顔をしてそして消えていった。

「先生、もういなくなりましたよ。もう終わったんです。」
「そっか、いなくなったのか。君はもう大丈夫かい?」
「はい。ご心配おかけしました。もう大丈夫です。先生には迷惑かけちゃってすみませんでした。」
「あ、いや、でもね?今回の事は僕らの秘密にしよう。じゃないと説明がつかないからね。」
「はい。でもいいんですか?結局3人も死んじゃったし。」
「彼らには悪いけど彼らの素行の悪さも先生の耳には入ってきていたからね。問題児だったんだ。」
「だから?」
「そっ、だからさ。」

僕は持ってきた鏡を手に先生と教室を後にした。



そして、誰もいないはずの教室で女の子の声が聞こえた気がした…。

小説 悪夢の夜道

夜が怖い。


夢を見るのが怖くてたまらない。


あの感触、リアルすぎる。
匂い、触った感触がまるで実際にあったかのようだ。
そんな体験したことないか?
僕は正直何度もある。

その夢で見たものの中で、いっちばん怖かったのは…。




夜道、1人で歩いている。
途中高架下をくぐるのだが、そこは真っ暗。灯りが一つもない。
だから携帯のライトを使って歩いているのだが、足音が聞こえる。
それも一つじゃない。
もう一つ…。
自身ではない足音だ。

ドキドキする。
どうしよう?ここは住宅密集地。叫べば誰かが出てくるだろう。
助けはすぐに呼べる。
そう思っていた。

こんな時家族が誰かいれば良かったと正直思う。
でも実際は1人。
防犯用のアプリを立ち上げ、いつでも音をならせるようにしておく。
足音はさっきから変わらずついてくる。
たまたま?
イヤイヤ違うでしょ?
だってこの先は僕が住むマンションが建ってるだけ。
だから、おかしいって。
自分の足音が徐々に早くなる。
すると足音も早くなる。
反響してるのかとも思ったのだが、ここは住宅密集地。…ありえなくはないが、後ろを振り返る勇気が持てない。

「どうしよう?鳴らそうか。そしたらいなくなってくれるかなぁ?」

泣きたくなるがここは我慢。
グッと涙を抑え、ブザー音を鳴らした。
あたりに響き渡る音。

でもね?おかしいんだ。
誰も家から出て来ない。

なんで?


おかしいと言えば、部屋の明かりが何処もついていないという事。
それもおかしいよね?
誰もいない?
まさ…か。
まだ夜の7時。寝るには早いよね。
じゃあ、何で何処もついてないの?
ここは本当に僕が通っている道なのか?
不安がつきまとう。

トントンといきなり誰かに肩を叩かれる。
怖くてたまらない。
誰が僕の肩を叩くの?
知り合いはこの時間通らない道なのに。
ドキドキが止まらない。
振り返るか?どうしよう…。
するとまたトントンと肩を叩かれる。
怖いが振り返った。
するとそこに立っていたのは警官だった。

「君、大丈夫?夜道こんな暗い所を歩いてちゃダメだよ。何かあっても誰も助けてはくれないからね〜。」
そう言って腰にさしてある拳銃を僕に向けた。

「ひ!?な、なんで?」
「そりゃこうするためだよ。」
そう言って警官は拳銃を上に向けて発砲した。
ビックリするくらい大きな音に僕はその場で腰を抜かしてしまった。

「悪い悪い。さっ、続きしようか。逃げなきゃどうなるかわからないよ〜。」
「あ、アンタだったのか?僕を付け回してたのは。な、なんでそんなことするんだよ。仮にも警官だろ?!」
「イヤイヤ、毎日が書類とのにらめっこでね、飽きてたんだ。だから丁度いい所に君が来て嬉しかったよ。」
「っかしいよ。ゼッテー変!アンタ本当に警官か?」
「ん?ホントだよ。ほら、警察手帳。名前書いてあるだろ?」確かに名前が書かれていた。
ニヤリと笑う不気味さに僕は顔を引きつらせながら走り出した。
「何なんだよ。おかし〜よ。警官が街中で発砲なんてありえない。夢だよね?夢だと誰か言ってくれ!!」




そこで目が覚めた。
全身汗びっしょりかいていた。
起きた瞬間に眠気もどこかに行ってしまい、ガタガタと体が震えている。
なんて夢見たんだ。
まだ夢を覚えていた。
だから怖い。
夜が…。
夢の続きをみやしないかと不安でたまらない。
今日はどんな夢を見るのだろう……。


その日の夜、夢と同じような時間に帰宅することになった僕は嫌な予感しかなかった。
バイト…早く切り上げればよかったなぁ〜と後の祭りである。
ただ違うのは明かりがあちこちで見られる事。
人がいるという事だ。
少しホッとしている自分がいる。
その時足音が聞こえてきた。
夢と同じだ。

瞬間的に身構えたが、僕が止まると足音も止まる。しかし今回は少し違った。僕が止まっても近づいてくるのだ。てっきりここら辺に住む住人かと思ったのだが、見えたのが体の一部だけだったのでさらに驚いてしまった。
そう、足首から下しかなかったのだ。
しかも透けて見える。
明らかに生きている人間ではないだろう。
逃げようとして慌てていた為その場で転んでしまったが、足首が近づいてくるのは変わらない。
起き上がってすぐに走り出した。
すると足音も早くなる。

「こんな時どうすればいいんだよ〜!誰か〜!」
叫びながら防犯ブザーを鳴らす。
するとスーッと消えた。
本当にホント。
後ろを振り返っても足首も見えなかった。

何だったんだ?

一体??

小説 不可解な出来事

あれはいつからだっただろう…。



出かける時に忘れ物に気が付いて、取りに戻った時だっただろうか?

いや、違う。

別の時だ。


じゃあいつ?



僕はポッカリと空いた記憶を取り戻そうと過去の事を一つづつ思い出すようにしていた。


今手にしているこれは何?
真っ赤に染まる両手。

目の前に横たわる見知った姿。

僕は一体何をしてしまったんだ?


記憶を取り戻そうと考える。
でもね?思い出せないんだ。
何でだろう…。
そこらにはいろんなものが散乱している。
その中から手を拭けるものを探す。
ポケットティッシュが見つかった。
慌てて手を拭う。
ここには水道がないから。
手が震える。

手の汚れをあらかた落とすとすぐに救急車を呼んだ。
だけど…この状態では僕が何かしたと勘違いされそうだ。
綺麗になるとちょっとだけ冷静になれた。

すると周りのものが見えるようになった。
近くにトイレがあったのだ。
汚れたティッシュを全て水に流し、トイレの水で手を洗った。
そうこうしているうちに救急車が到着した。
僕は救護隊員を呼んで現状を見せた。
皆緊張している。
脈をとるもの、瞳孔を見るもの、傷の状態を見るものと皆テキパキと動いている。
僕は少し離れた場所からただ突っ立って見ているだけだ。
応急処置が始まったが、思わしくないのか皆の顔が険しい。

心肺蘇生が施されたが、鼓動が戻ってくることはなかった。
それから警察の人が駆けつけてきた。
状況からそう判断したのだろう。その警官に色々と聞かれた。

「あなたが見つけたのはどのくらい前でしたか?」
「10分ほど前だったかと…。」
「あなたはこの人とどんな関係?」
「同級生です。」
「何でこんな場所にいたの?」
「あの〜、えっとぉ〜。僕もよくわからないんです。呼ばれてきただけなので。」
「被害者に?」
「はい、そうです。」
「理由は聞きましたか?」
「聞いたけど答えてはくれませんでした。」
「そうですか…。ちょーっと署までご足労願えませんか?もう少しお話を聞きたいもので。」
「あっ、はぁ。」
僕はそれ以上何も言えなかった。
断る理由はあるのかと聞かれたら、きっとないと答えるだろう。実際の所無いのだ。

でもね?

さっきからずっと目の前に人の姿が見える気がするのはなぜだろう?しかもそいつはさっきまで横になってなかったか?
心肺蘇生されてなかったか?
一瞬悪寒が走った。
何故?どうしてここに?
お前、確か死んだはずじゃなかったか?
怒りの顔が見て取れた。

僕は何故そいつが怒っているのかわからなかった。
記憶がないから…。
一瞬頭がズキっとした。
触ってみると、どうやらコブができているようだ。
いったいどこで?
分からない。
そいつの事もあまり思い出せない。


刑事さんの尋問から解放され、署を後にした僕は日差しの明るさに一瞬何かフラッシュバックした気がした。何を思い出そうとしているのかが分からない。

だけど死んだ友人が僕の前に現れたのには驚いた。
しかもそいつは何故か怒っている。
何故?
分からない…。

それからだ。
身の回りで不可解なことが起き始めたのは。
ものが動くことを始め、知らない人間が見えることがある。

だからかもしれない。メモを取るようになった。忘れてしまわないように。忘れてしまっても思い出せるように。
何月何日に何々があったとか。
たわいない事もメモを取るようにしている。

あいつはまだ目の前に現れる。だが不思議と怖いとは感じなかった。
怒りの形相の理由が皆目見当もつかない。
だから逆にへこんでしまう。

「何なんだよ〜。何が言いたいんだ?教えてくれよ〜。」
独り言を言っている僕は頭のおかしい人ではない。
ただ目の前に現れるあいつの事を何とかしたいだけ。

それから数日後、ある日突然だった。
あいつの姿を見なくなった。
内心はホッとしたのだが、逆に怖くなってきた。何故って?特に何かをしたわけではない僕に対して何か思うところがあったのかもしれないと思ったから。
何されるかわかったもんじゃない。
僕は訳もなく怖くなった。

だが、どうしようもならない。
空回りする思い。
けどその考えも大したことないと思える事が起こった。

事件だったのだ。
あいつはトラブルを抱えていたようだ。
だから消された。
僕はたまたま運悪く現場に現れた被害者だったのだ。
それを刑事さんから聞くとどこかホッとしている自分がいた。

あいつは消える前、怒った顔からにこやかな顔に変わっていた。犯人が捕まってようやくホッとできたのだろう。
僕もそうだ。
これで不快な思いをしなくても済むと思うと肩の力が抜けた。

現れなくなってから1度だけあいつの家に行った。そしてあいつの両親と話をし、涙を流してあいつの死を悲しんだ。

あいつは今はもう墓の中だ。
僕もようやく眠りにつける。


夢の中であいつは笑っていた。

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