文芸 多度津 弘濱書院

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今日は、十月三十一日、日曜日に行われた劇団四季のミュージカル「コーラスライン」のレポートです。
 
イメージ 1
 
劇団四季ミュージカル「コーラスライン」の地方巡業。
十月三十一日、日曜日、香川県高松市、アルファあなぶきホール、大ホール。
チケットは全席指定で、S席、8000円。
ちなみに、私がチケットを買いに行った時には、会場での直接の販売分はすでに売り切れていて、従って他のチケット売り場である、デューク高松ではまだ券があるとのことだったので、そこで買いました。
 
会場までは、電車で。
そして着いたら駅から歩いて十分ほど。
当日は台風明けの雨の日。
本降りだったので、傘をもっていきました。
 
会場に着くとすでに一杯の人、人、人。
劇団四季の人気のほどが伺えます。
夕方五時開場、五時半開演。
休憩なしの二時間半。
夕食前のちょっと珍しい時間帯での公演です。
 
客席は満員の入り。
ちなみに私の取った席はと言うと、ちょうど一階の前後左右からみて、ど真ん中の席。
全体が見渡せるいい位置です。
 
でそうこうしている間にショーはスタート。
 
まず、物語はミュージカルの練習の場面から始まる。
出来る人、出来ない人、能力も個性も様々な人が一緒になって踊っている。
そしてその練習のあと、メンバーの選抜が行われることに。
選ばれるメンバーは全部で十七人。
さらに最終的には、その中から八人に絞られる。
 
物語はその一次審査で選ばれた十七人が最後の八人の座をかけて争うオーディションの実況という形で進行してゆく。
その過程で、演出家がメンバーに色々な質問をぶつけてゆく。
メンバーはそれに答えながら、自分と育ってきた周囲の環境を、もう一度自分自身、見つめなおしてゆくことになる。
そのそれぞれのメンバーの、それぞれの半生を巡る回顧の過程が、この物語を通る一本の太い軸となっている。
 
メンバーは皆、様々な出自を持っており、それぞれに違ったコンプレックスや悩みを抱えている。
それらを思い出したり、振り返ったりしながら、間に歌と踊りを織り交ぜつつ、物語は進行して行く。
それぞれに見せ場があり、ソロでの美しいアリアあり、集団での合唱や群舞ありの、華やかなステージが繰り広げられる。
 
中でも圧巻だったのは、思春期の性の悩みにまつわる場面の最後で行われた、合唱と踊りのシーンである。
あの思春期のどうにもならない性への渇望や情熱が、感情の爆発とともにステージ上で発散される。
ちょっとフロイト風。
全員総出で歌い踊るその迫力。
そして幻想的な照明と、ステージ奥の壁がミラー張りになる演出で、青春の情熱の発露が最高潮に達する。
見ごたえ、聞きごたえのある一幕であった。
 
物語はさらに先へと。
元売れっ子だったが今は落ちぶれている女優。
彼女はこのオーディションの演出家と個人的な関係にあるようである。
そのことは後の場面で明らかになる。
演出家と女優の若き日の苦い思い出。
若さゆえの、際限のない上昇志向が二人にもたらした悲劇。
人の生き方を巡って交わされる深い議論。
過去の苦い思い出の暗い情念が舞台の上で鮮やかに蘇る。
足ることを知らぬ罪と罰。
 
続いて登場する、ゲイの男の子の役。
自らの辛い半生を、ここでは歌と踊りなしの、長い独白でたっぷりと聞かせる。
深い陰影と孤独。
ゲイダンサーとして生きざるを得なかったことや、それを両親にみつかった時の衝撃、最後に初めて見せてくれた両親の家族の愛の思い出などが、複雑な半生を通して語られる。
聞き応え十分の長い独白。
 
そしてラストシーン。
ラストは人生の挫折と成熟について考えさせられた。
メンバー全員が、演出家から与えられたある質問について苦悩しながらこたえてゆくのだが。
 
人は青春が終わったそのあとでも生き続けてゆかねばならない。
一部の夭折する天才を除いては。
だから世の人の大半は人生の挫折とその後の成熟を体験することになる。
 
そのことはこのステージ上にいるメンバーも同じである。
彼らもまた、そこから逃れることはできない。
遠からずそういう日がやってくるのである。
 
しかしだからこそ、今この時、ダンスに全人生をかける、この青春のひとときは、限りなく美しくそして儚く、輝いているのではないだろうか。
一瞬が永遠になることを夢見て。
それが叶わない夢だと知りつつも。
よって最後のメンバー全員による大合唱が感動的に響いてくるのである。
 
そして最後の選抜が行われる。
しかしここまでくれば、結果などもうどうでもいい。
諸法実相。
皆、輝いていて、皆美しく、そして皆、素晴らしい。
 
関係者の皆さん、深い感動をありがとうごさいました。
最後まで読んでくれた皆さんにもありがとう。
楽しく深く、思い出に残る一日でした。

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