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いろいろと話題になっている本でしたが、最近になってようやく買いました。
今日うちに帰って何気に読み始めたのですが、先ほどまでに一気に読んでしまいました。
話題になるだけあってなかなかおもしろいです。
第1章はペットボトルの「リサイクル」の話でした。
現在ではペットボトルは分別収集されるのが当たり前になっていて、僕も含めて多くの人がそれらがリサイクルされるものだと思っていたかもしれません。
しかし、現在1年間で50万トン販売されているペットボトルのうち、再利用されているのはたったの3万トンだといいます。
しかも、リサイクルのためには運搬から処理まで製造より多くのエネルギーを必要としており、なおかつ自治体で改修されたペットボトルのほとんどは業者に丸投げされ、どのように処分されているかがわからないといいます。
同様のことは古紙回収についてもいえるみたいです。世界中で伐採されている木材のうち紙の原料となっているものは、先進国で14%、しかも途上国では2・5%にすぎず、木材全体のうちでの割合が少ないばかりか、その多くは先進国から採れるものだというのです。
また、地球温暖化については、「アルキメデスの原理」により北極の氷がすべて溶けても海水面の上昇は起こらず、また南極に関しては南極付近の海水温が上昇すると、温度差により南極の氷は増えるといいます。
のみならず、温室効果によって上昇する数℃ばかりの変動は、恒常的に地球に生じている20℃にもおよぶ気温変化に比べれば取るに足りないと指摘しています。
正直、科学的な検証にかんしては、僕たちには何もいえないところがあります。
しかし、とりわけ興味深かったのは、環境問題をあえて「問題」としてしまう人為的な側面です。
言い換えると、環境問題の「政治的な」側面です。
リサイクルや古紙回収にかんしては「利権」が透けて見えてきますし、地球温暖化も国際政治の力関係が見えてきます。
地球は数万年単位で大きな気候変動を繰り返していますが、現在の私たちは、小さな人間のエゴ=利権の構造の中でこの環境問題を語っているといえるのかもしれません。
さてこの本。シロウト目にも、「?」というところがいささか気になります。
とりわけ最初に提示されて、もっともインパクトのあるリサイクルの話で、「分別回収をするとゴミが増えた」とありますが、因果関係はもうちょっと複雑だと思います。たぶんペットボトルの消費量が増えたのは、単に分別回収で消費者が安心したからではないでしょう。もっと別の、それもいくつかの原因が考えられるはずです。
このような点を考えると、環境問題に「?」というのと同時に、この本の内容も「?」と思う部分が見えてきます。
もっとも、それが重要なのだろうと思いました。
つまり、環境問題を「教条的」に信じたり、行動したりということに懐疑的になり、なおかつこの本の内容にも懐疑的になり、「いったい何が本当なの?」となったところで、客観的に物事を考えることができるのではないか。
環境問題について、僕たちの先入観を一度白紙に戻して考えさせる、そこにこの本の一番の意義があるのではないかと思いました。
そういった意味で、「問題提起的」な、おもしろい本だったと思います。
【本】 武田邦彦 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
http://www.amazon.co.jp/環境問題はなぜウソがまかり通るのか-武田-邦彦/dp/4862481221
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