|
大統領は、主要補佐官四人と食事を取っていた。
メンバーは、大統領と首席補佐官、外務首席補佐官、内閣首席補佐官、防衛補佐官だ。
今日のミーティングを通して、大統領は防衛担当官の重要性を感じていた。
いつもは、重要な施策や決定は、首席補佐官と内閣首席補佐官、外務首席補佐官の三人の意見を聞き考えるのだが、今後の国際情勢を考えると防衛補佐官の意見も重要と考えこの席に呼んだ。
今回、米軍の地上兵力撤退を機に、東アジアのパワーバランスが大きく変わろうとしている。
今の日本は、「日米安保と先進国の顔」、「東南・東アジア条約機構の一員としての顔」がある。
おもむろに大統領は口を開いた。
「皆さんは、今回の会議をどう考えていますか?」
防衛補佐官から応えた。
「実質、国防は大きく見直さなければならないと考えます。」
「今の自衛隊は第7艦隊と韓国、日本の米軍地上兵力を前提に国防を考えています。」
「米軍の地上兵力が東アジアで0になることは、この前提条件が崩れますので、作戦、装備、人員など含め総合的に見直さなければなりません。」
内閣首席補佐官、
「ただ、国防の面で、今の国内産業分布を考えると、海岸線での防衛ラインは不可能では・・・・・。」
「又、仮想敵国がどこになるかによっては、原発を含め、国内インフラも検討しなければならないと考えます。」
外務首席補佐官、
「外交上、最大限のフリーハンドを保持したいので、なるべく旗手は明らかにしないで、ダブルフェイスでの外交が望ましいと考えます。」
首席補佐官、
彼は食事の手を止め考えていた。
今回の米軍の地上兵力が0になることを、奇貨に出来ないかと・・・・。
大統領、
「首席補佐官はどうかね?」
首席補佐官、
「まだ、考えがまとまりません。」
大統領、
「う〜んん、ならば、今の日本にとって、何を一番注意すべきですか?」
内閣首席補佐官、
「そうですね、米軍の地上兵力撤退で応じる、兵力の真空地帯の争いに巻き込まれないことですか・・・・。」
外務首席補佐官、
「東アジアと東南アジアにある程度影響力を保持し、先進国の一員として活動ができることです。」
防衛補佐官、
「もっと柔軟性のある自衛隊の運営が出来るように、国内の法整備と部隊の再編ですか。」
首席補佐官、
「一つは、我々が何を望むかと、国民が何を期待するかだと考えます。」
「今まで、積極的に外交をリードして、自国の利益の為に、施策を打ったことがありません。」
「わが国の経済力に頭を下げる国はありましたが、それ以外で頭を下げる国にはおろか、強国と言われるアメリカ、中国、ロシアに翻弄されているのが現状だと考えます。」
「先ずは、強国との関係を改善して、米軍の撤退にも対応できる国作りが必要かと・・・・・」
−−−−−−−−−−−−続く−−−−−−−−−−−−
|